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絵画から建築まで! ジャンルを超えた「窓」の展覧会。

  • 2019.12.10
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芸術史に見る「眼」としての窓の象徴性。

『窓展 : 窓をめぐるアートと建築の旅』

アンリ・マティス『待つ』1921-22年、愛知県美術館蔵。

ヴォルフガング・ティルマンス『tree filling window』2002年、ワコウ・ワークス・オブ・アート蔵。

室内と屋外の接点であり、光や空気の出し入れを調節する機能を持つ「窓」は、これまで多くのアーティストや建築家にインスピレーションをもたらしてきた。「窓は文明であり、文化である」という思想のもと、窓や建築をめぐる研究や文化事業に貢献する「窓研究所」との共催となる本展。ピエール・ボナールやパウル・クレー、マルセル・デュシャンなど20世紀の巨匠から、ローマン・シグネールや西京人など現代美術のスターまで、時代やジャンルも超えた多様な作品が贅沢に揃う。ここで注目したいのは、「窓」が芸術史上で絵画や写真の構図の要素である以上に、外界に開かれ情報や気配などを取り込む「眼」として、象徴的な意味を込めて表現されてきたことだ。

たとえばマティスの絵画では、フェミニンに装飾された部屋とコートダジュールの開放的な景色を隔てる窓は、誰かの訪れを待つ姉妹のようなふたりの楚々とした風情を象徴するかのようだ。またティルマンスの写真では、テラスの向こうに奔放なまでにみずみずしく生い茂る樹を望み開かれた窓は、室内の極私的なパーソナルスペースと外界の自然とのコントラストをくっきりと見せている。このほか、8枚の大型ガラスが無限の自動ドアのように連なり、鑑賞者の姿を映し出す、ドイツの巨匠ゲルハルト・リヒターの超重量級立体作品『8枚のガラス』も見どころのひとつだ。建築上の機能と装飾を併せもつ「窓」の存在と、これを比較して考察してみるのもおもしろい。

『窓展 : 窓をめぐるアートと建築の旅』会期:開催中~2020/2/2東京国立近代美術館(東京・竹橋)営)10時~17時(金、土は~20時)休)月(2020/1/13は開館)、12/28〜2020/1/1、14一般¥1,200tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)www.momat.go.jp

※『フィガロジャポン』2020年1月号より抜粋

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