1. トップ
  2. 恋愛
  3. 奨学金の返済免除制度とは?対象となる条件・基準をFPが徹底解説

奨学金の返済免除制度とは?対象となる条件・基準をFPが徹底解説

  • 2019.12.8
  • 8086 views

奨学金を借りたのは良いものの、年功序列賃金が崩壊している昨今では、返済しながらの社会人生活は大変です。特に生活が苦しい場合には、何とか奨学金返済の負担を軽減したいものですよね。そこでこの記事では、奨学金の返済免除制度について解説します。

奨学金返済免除制度とは

親の所得が少ないなど、経済的に学費が賄えない場合には奨学金を利用するケースが多いです。ただ、奨学金返済免除制度とひと口に言っても、実はいくつかの種類があります。

後述する奨学金返済免除制度を把握しやすくするため、まずは奨学金の種類についておさらいしておきましょう。

奨学金の種類

奨学金制度には、日本学生支援機構の奨学金や入学時特別増額付与奨学金、地方自治体の奨学金のほか、民間企業の奨学金などさまざまなものがあります。具体的には以下の内容をご確認ください。

奨学金返済免除制度の条件・基準

奨学金は、学生の時期に借りて、卒業後に返済して行くため、社会人生活がマイナススタートとなります。

たとえば公務員などの安定した職業に就ければ計画的に返済していけるでしょうけれど、零細企業や非正規雇用の場合には生活苦に陥る可能性もありますので、返済免除も視野に入れておくことが無難です。

ここでは、奨学金返済免除制度の条件・基準として、以下の内容について解説します。

  • 本人が死亡した場合
  • 精神・身体障害の場合
  • 返還特別免除
  • 特に優れた学業による返済免除(大学院)
本人が死亡した場合

本人が死亡した場合には、当然のことながら本人が払えなくなるわけですから、返済免除となります。厳密に言うと借金自体が亡くなる訳ではなく、本人の代わりに他の人や機関が支払うことになります。

連帯保証人を付けている場合は連帯保証人が、機関保証を選んでいる場合は保証会社が返済することになります。

ただし、連帯保証人が日本学生支援機構に対して申請すれば、連帯保証人による返済は免除されます。万一気付かずに延滞してしまっていた場合にも、過去に遡って免除申請が可能です。

精神・身体障害の場合

精神・身体障害の場合にも、免除申請が可能です。具体的な基準は公表されていませんので、奨学金返還相談センターに相談しましょう。それぞれのケースごとに奨学金返還相談センターが判断してくれることとなります。

ただし、何の条件もなく返済が免除されることはありません。申請書と返済不能の状況を証明する書類、診断書などが求められます。

返還特別免除

返還特別免除とは、教員や研究職に就くことで返済が免除となる制度です。常勤の先生や、少年院で勉強を教える人、文部科学大臣指定の試験所などで教育や研究を行う人が対象でした。

ただし、2004年3月31日より前に、大学院の第一種奨学生となった場合の制度であり、2005年以降は廃止されています。

特に優れた学業による返済免除(大学院)

大学院で第一種奨学金を受けている場合には、成績優秀者に奨学金免除がなされます。全額免除のケースと半額免除のケースがあり、学内選考によって半額、特に成績優秀な人は全額が免除となります。

ただし、単に機械的に成績だけ見られるわけではなく、教授推薦によって免除が受けられるケースもあるようです。

奨学金を返済免除するための申請方法と手順

奨学金を返済免除してもらうには、具体的にどのような手順を踏めば良いのでしょうか?ここで申請方法と手順として以下の順に紹介します。

  • 大学が申請者を決定
  • 申請書や推薦状を記載する
  • 日本学生支援機構(旧日本育英会)による決定

[adsense_middle]

大学が申請者を決定

大学が申請者を決定します。いきなり自分で奨学金借入元に申請するわけではなく、大学が候補者を決めるのです。大学が学内ポスターなどで募集するため、応募が遅れないようにアンテナを張っておきましょう。

成績優秀者は前提となりますが、具体的な選考基準は大学ごとに異なります。募集を見逃し、応募すらできなければ勿体ないので、こまめに大学の掲示版をチェックする必要があります。

申請書や推薦状を記載する

奨学金免除の申請書には、「大学院における研究課題等」「教育研究活動等の業績」「特に優れた業績の要旨」などの記載が必要です。書き方は書面に例示されていますので、参考にして記載しましょう。

推薦状に関しては教授などが書いてくれることもありますが、自分で下書きをして教授に渡す方が良いでしょう。申請書の内容を踏まえて記載し、推薦者(教授など)に捺印をお願いします。

日本学生支援機構(旧日本育英会)による決定

大学に申請書と教授からの推薦文などを提出すれば、手続きは完了です。結果通知されるまで特にすべきことはありません。免除となる際には大学から連絡が入ります。

大学からの推薦を元に日本学生支援機構が返済免除を行いますが、大学の選考をクリアしている場合には、大半の場合が免除してもられます。そのため、免除申請は大学をターゲットとして準備しなければなりません。

奨学金返済免除制度に関する豆知識

奨学金返済免除を受ける場合には、それにまつわるさまざまな事柄を知っておくと有利です。ここでは、知っておきたい奨学金返済免除制度に関する豆知識として、以下内容を紹介します。

  • いつ申し込めば良いのか
  • 免除される人の割合
  • 都道府県や市町村の制度もある
  • 勤務先が返済してくれる企業返済支援制度
いつ申し込めば良いのか

奨学金返済免除に関する告知は、各大学ごとに年末から年始の時期に行われます。先述のとおりポスターなどで行われた上、応募方法や締め切り日なども明確にされていますので、しっかりと確認しておきましょう。

免除される人の割合

奨学金が免除されるのはどれくらいの割合の人なのでしょうか?日本学生支援機構(平成30年度 特に優れた業績による大学院第一種奨学生返還免除の認定)によると、平成30年度に大学院第1種奨学金貸与が修了したのは25,107人で、推薦は7,632人だったとのことです。

その中から7,568人が全額もしくは半額免除となったとのことですので、貸与修了者のうち3割程度が免除されています。また、推薦者の大半が免除されているという実態も見て取れます。具体的には以下の表をご確認ください。

都道府県や市町村の制度もある

都道府県や市町村が、奨学金返済に対して支援してくれる制度もあります。以下にて具体例を紹介しますので、お住まいの都道府県の制度を確認してみましょう。

勤務先が返済してくれる企業返済支援制度

優秀な人材確保や早期離職防止などを目的に、企業が奨学金返済を肩代わりしてくれるケースも増えています。奨学金返済分を給料に上乗せして支給する企業や、規定勤続年数に達した段階で一定金額をまとめて支給するなど、企業ごとにさまざまなケースがあります。

これら制度を魅力に感じて就職する人も多く、人手不足が進む日本企業の新たな取り組みとして注目を集めています。

奨学金の返済免除のコツ

奨学金は数百万円ほど借りるケースが多いため、もし免除されればその後の生活費の負担がとても軽くなります。何とか奨学金の免除を勝ち取りたいものですよね。

奨学金の返済を免除してもらうためには、いくつかのコツがあります。知っていると有利になるコツについて以下の内容を紹介します。

  • 申請書の内容を充実させる
  • 学校以外の実績を作る
  • 奨学金が免除されない場合は債務整理もあり

[adsense_middle]

申請書の内容を充実させる

申請書の内容のうち、「大学院における研究課題等」については、修士論文があるためマル印を付けることができますが、「教育研究活動等の業績」「特に優れた業績の要旨」については、なるべく多くのマル印を付けたいところです。

「教育研究活動等の業績」について、優(大学によって表記が異なる場合あり)が60%を超えている場合にはマル印を付けることができます。

「特に優れた業績の要旨」に関しては、ボランティアや著作物、研究、発明、スポーツ、芸術などで実績があればマル印が付けられます。なるべく多くのマル印を付けることができれば有利となりますので、マル印を付けられる取組を充実化させましょう。

学校以外の実績を作る

「特に優れた業績の要旨」のマル印を増やすというのは、学校以外の実績作りをするという意味です。奨学金の免除は学校の成績が優秀であることが前提となるので、逆に言うとそれだけでは他者との差別化が図れません。

先述のボランティアや著作物、研究、発明、スポーツ、芸術などに取り組んだ実績が分かるものが必要です。たとえばテレビや新聞などのメディアに取り上げられたとか、成果物となる資料があるなど、証拠となる資料があると有利となるでしょう。

推薦してくれる人にアピールする

奨学金の免除は学内選考がメインターゲットとなりますので、学業に励むことは当然です。とはいえ、学業の成績が芳しくなかったとしても、それだけで諦める必要はありません。

教授などから推薦されれば免除となる可能性があるからです。もちろんこれは原則ではありませんので一概に言えない部分もあるのですが、将来社会に貢献するポテンシャルが認められれば、推薦してくれることもあるでしょう。

日頃から教授や担任とコミュニケーションを図り、人間関係を作ることも大切です。

奨学金が免除されない場合は債務整理もあり

どうしても奨学金が免除されない場合は、債務整理をして自分で奨学金の負担を軽減する方法もあります。

債務整理とは法律に乗っ取って借金の負担を軽くする方法で、債権者との話し合いで借金を軽くする任意整理、簡易裁判所で調停をする特定調停、裁判所に申し立てて借金を軽くする個人再生、借金を帳消しにしてもらう自己破産などがあります。

借金の程度によって選択すべき方法は異なりますので、司法書士や弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。ただし、特定調停に関しては自分で手続きするため、素人にはハードルが高いです。ほかの3つのいずれかを選択することとなるでしょう。

ただし、借金が軽くなったり借金が帳消しとなるメリットがある反面、10年ほどローンが組めなくなったり、クレジットカードの発行ができなくなるというデメリットがあります。

ETCカードやスマホ本体料金の分割払いも行えないため、生活が不便となることも想定しておきましょう。

奨学金の返済免除に関するまとめ

奨学金は本人死亡や障害、学業が優れている場合など、一定基準を満たせば免除されます。対象者のうち3割が全額か半額免除となっているため、利用しない手はありません。

奨学金の申請は大学による推薦・決定のあと、日本学生支援機構で決済がなされます。とはいえ、大学で認められればほぼ免除となりますので、大学での認定がターゲットとなります。

奨学金返済免除をするには、学業で成績を伸ばすことだけでなく、ボランティアやスポーツ・芸術活動など、学業以外の実績を作ることも大切です。これら取組で他者との差別化を図りましょう。

元記事で読む