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『伊藤家の晩酌』~第六夜1本目/キレと旨味が同居するクラシックなお酒「鷹来屋 SOBOKU」~

  • 2019.12.2
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弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第六夜のテーマはこの季節ならではの「鍋と合わせる日本酒」。1本目は日本酒らしい余韻が味わえる究極の食中酒から。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第六夜の1本目は、米の甘味と旨味が感じられる「鷹来屋 SOBOKU」。

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Hanako 編集部

娘・ひいな(以下、ひいな)「急に寒くなったねぇ。今回は、あったかいお鍋に合わせるひんやり冷酒3本だよ」
父・徹也(以下、テツヤ)「あったかい鍋に冷たい日本酒! 最高の組み合わせだねぇ」
ひいな「1本目は『鷹来屋(たかきや)』の『SOBOKU』っていう名前のお酒。このお酒は大分のお酒なんだけど、大分で『鷹来屋』ってメジャーで、店頭に並んじゃうとすぐに完売しちゃう銘柄なんだって。〈住吉酒販〉っていう日比谷の東京ミッドタウンに入ってるお店とコラボしてるの」
テツヤ「〈住吉酒販〉の限定ラベルなの?」
ひいな「そう。この蔵の良さはシンプルさが売りだっていうことで、それを全面に出したのが『SOBOKU』なんだって」
テツヤ「ラベル、おしゃれ〜!」
ひいな「『鷹来屋』が目指す酒質が、キレと旨味を兼ね備えた酒。うますぎてもダメだし、キレすぎてもだめ。究極の食中酒でなきやダメっていうのを大切にしていて」
テツヤ「なるほど。どんな味かますます気になる!」
ひいな「今回はライターさんが持ってきてくれた、こけしの徳利を使っちゃお」

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Hanako 編集部

テツヤ「めっちゃ面白い顔してんな、コイツ(笑)」
ひいな増田光さんっていう作家さんで、ひとつとして同じ顔はないんだって。とぼけた顔してかわいい」

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Hanako 編集部

テツヤ「じゃ、まずは日本酒だけ、いただきますか」

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Hanako 編集部
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Hanako 編集部

テツヤ&ひいな「乾杯!」

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Hanako 編集部

テツヤ「ザ・日本酒だね」
ひいな「そんな感じ?」
テツヤ「いわゆる日本酒って感じ。甘味と柔らかい感じがするね」
ひいな「そう? 私はミネラル感たっぷりで、澄んだ感じがするって感じた」
テツヤ「なるほど」
ひいな「名前の通り、素朴さもあって。5日前に開けたものも飲んでみようか」

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Hanako 編集部

テツヤ「うんうん、水みたいな透明感あるね。余韻は日本酒って感じで、どっしりさも感じる」
ひいな「しばらく置くと全然違うね。米の甘みをすごく感じる。入り口は開けたてのほうが飲みやすいかな」
テツヤ「清酒っぽさもある」
ひいな「そもそも清酒って何? 22歳の私と51歳の父親の清酒の概念が違うと思う」
テツヤ「そこをすり合わせていくのがこの連載だからさ〜。そんなこと言わないでさ、教えてよ(笑)」
ひいな「これを清酒感っていうのね、ふ〜ん」
テツヤ「居酒屋でさ『日本酒ください』って頼んだら出てくるやつ。大衆酒っぽさを少し感じだっていうか」
ひいな「ふ〜ん。これ純米酒だよ」
テツヤ「なるほど、鍋と合わせてみたらまた違うのかも」

「鷹来屋 SOBOKU」に合わせるのは、鍋の定番!「湯どうふ」

ひいな「お鍋、できたよ〜」

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Hanako 編集部

テツヤ「いいね、いいね! 待ってました!」

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Hanako 編集部

テツヤ「湯豆腐ですか?」
ひいな「真ん中にお醤油のたれをあっためて」
テツヤ「家だとこの食べ方だよね。真ん中にたれを入れないっていう人もいるしね。みんな何で食べるのかな?」
ひいな「ポン酢かな?」
テツヤ「タラのほかにも春菊入れてもいいよね」
ひいな「今日はシンプルに、お豆腐とタラで。醤油だれの中にぽちゃんと入れて、好き好きにどうぞ」

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Hanako 編集部

テツヤ「いただきます! あぁ〜、クラシックな湯豆腐とクラシックなお燗が合うねぇ。これは口内調味したほうがいい?
ひいな「これは何にでも合うお酒だから、気にしなくても大丈夫」
テツヤ「なんで豆腐なの?
ひいな「繊細なお酒の味を引き立たせるためには、すごく味のあるものでも合うし、塩気のないものでも合うと思って。でも今回は、無難に豆腐を合わせて、お酒の味の変化を楽しむっていうのがいいかなと思って」
テツヤ「醤油だれの中には何が入ってるの?」
ひいな「みりんとお酒とネギ」
テツヤ「いつもはかつおぶしは入ってるけど、やめたの?」
ひいな「うん。今回はあえてやめたの。舌触りを良くしたくて。かつおぶしが少し絡んじゃうから」
テツヤ「確かに」
ひいな「できるだけクリアにしたくて」
テツヤ「あのね、清酒っぽくなくなってきた。懐かしいうまさっていうのかな。この醤油だれと抜群に合う」
ひいな「濃いけど、しつこすぎない感じにしたから、このお酒に合うと思う」
テツヤ「あったかいお豆腐を冷たいお酒で流す! いくらでもいっちゃうやつ」
ひいな「おいしいねぇ」

冷酒とあったかいお鍋の組み合わせの王道がまさにこれ!

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Hanako 編集部

ひいな「ラベルにも自家栽培米って書いてあるとおり、その土地の米と水を使って醸してこそ、真の地酒なんじゃないかって『鷹来屋』は定義していて」
テツヤ「“地酒”ってことに誇りを持ってるんだね」
ひいな「そういう日本酒が増えてるよね」
テツヤ「そもそもさ、キレと旨味って同居するのって難しいんじゃない?」
ひいな「うん、難しいと思うな」
テツヤ「キレっていうとさ、さらっと飲みやすいイメージだし、旨味重視するとちょっと重ためだったりしない? 一口目と、飲んだ後の印象が違う気がしたのはそういうことなのかな?」
ひいな「うんうん、そういうことかも。一口目はキレを感じて、飲んだ後の余韻は旨味が後引くっていうか」

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Hanako 編集部

テツヤ「これはね、最初にもってくるには危険なくらい食っちゃうし飲んじゃうな(笑)」
ひいな「ゆっくりいかないと、酔っ払っちゃう(笑)」
テツヤ「やっぱりね、酒だけで飲むよりも、これは料理と合わせたほうがいいかもしれない」
ひいな「蔵のコンセプト通りのお酒だね」
テツヤ「うん、究極の食中酒」
ひいな「みんな、そこを目指すひとつの方向性だもんね」

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Hanako 編集部

テツヤ「やっぱり湯豆腐と日本酒、合うね〜。まだ一品目なのに、すごい食って飲んでる」
ひいな「鍋はいいね、いい季節になったね」
テツヤ「うちは年がら年中、鍋やってるけどさ」
ひいな「うん、一年中食べてる(笑)」
テツヤ「これは、俺が想像する鍋と冷酒の組みせの王道がこれだから、これ以外想像つかないぞ」
ひいな「大丈夫、次回から崩していくから!」

(次回は12月8日更新予定です)

第五夜3本目「ゆり 純米大吟醸」はこちらから
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