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ノーベル化学賞受賞! 科学を好きになったきっかけは1冊の本 − 子どもと読みたい科学雑誌を紹介

  • 2019.10.21

先日ノーベル賞が発表され、日本人の吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞しました。昨年の医学・生理学賞に続き、近年は日本人の受賞ラッシュが続いています。しかしノーベル賞受賞者は高齢化の傾向があり、今後この状況が続いていく可能性は低いという声もあります。

最近は子どもの理科離れも懸念されていますが、若い世代を育てていくことがとても重要です。吉野氏も、小学生の時に先生に勧められた本をきっかけに化学に興味を持ったと話しています。近年の科学教育の傾向や、子どもが理科を好きになる雑誌をご紹介します。

日本人がノーベル化学賞を受賞、その幼少期とは

ノーベル賞受賞の知らせを受け、吉野氏は喜びの会見を行いました。そこでは化学に興味を持つきっかけとなった事柄や、若い世代や子ども達へのメッセージがありました。

まずきっかけとなったのは、小学3~4年生の時に化学を専攻していた先生に薦められた、科学者ファラデーの「ロウソクの科学」という本でした。「ロウソクはなぜ燃えるのか、炎はなぜ黄色いのかという内容で、子ども心に化学(ばけがく)はおもしろそうだと思った」と語っています。子どもは「好き」からどんどん「得意」になるもので、その後身の回りの素材で行う実験に熱が入ります。トイレの洗浄用に置いてある塩酸を鉄の塊にかけて泡がボコボコでるのを面白がったと言います。

セミやサワガニなどは夏が過ぎると何故いなくなるのかを不思議に思い、水たまりの石垣の奥に隠れたサワガニを発見して「冬を過ごす準備をしている」と気付いたこともあったと言います。好奇心から調べたり考えたりするのが原点であり、素朴な疑問を面倒くさがらずに突き詰めていくことが大切だと話しています。

また成功の秘訣については柔軟性と執着心を挙げ、「研究者は基本的に頭が柔らかくないといけない。もう一つが真逆の執着心。しつこくしつこく最後まで諦めない。この2つが必要」と語っています。

世界で注目されるSTEM教育

現在の小学校では、理科の授業がスタートするのは3年生からです。以前よりもスタートが遅いのに、小学校6年間で学ぶ内容はほとんど変わっていませんので、授業の濃度が高くなってしまうのは当然です。それにより理科が暗記科目と認識し、苦手と感じる子どもが増えています。また、必修化するプログラミング教育と理科はつながりが強い科目なので、理科が苦手だとプログラミングの授業も苦労するかもしれません。

こういった状況を踏まえ、日本ではSTEM教育が注目を集めています。STEMはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字です。STEM教育とはこれらの4つの学問教育に力を注ぎ、IT社会とグローバル社会に適応した国際競争力を持った人材を生み出すための、21世紀型の教育システムと呼ばれ世界各国で導入され始めています。

アメリカではSTEM教育が本格化しており、小さい頃からパソコンやタブレットを使う、研究用のロボットを組み立てる、プログラミング授業を導入するなど、ITや先端技術に触れることが可能な環境や施設が整っています。こういった教育を受けた子どもが社会の表舞台で活躍することが国際競争力を維持することにつながる為、より多く育成しようという国家的戦略が薦められています。

アジア新興国でもSTEM教育が盛んです。シンガポールには国営のSTEM教育施設があり、インドでは6歳~18歳の子どもを対象にした科学技術を学べるプロジェクトを2015年にスタートしました。

STEM分野の勉強が得意であれば将来有望な人材として活躍出来る時代であり、逆に小学生の内から苦手とすると今後様々なチャンスを逃してしまう可能性が高くなってしまうのです。

子ども向け、オススメの科学雑誌

小学生の内に科学を好きになることは得意につながるきっかけとなります。その手助けとなるのが科学の雑誌や本です。「勉強している」と感じずに楽しく読むことで、知らず知らずのうちに知識が増えていきます。人気の科学雑誌をご紹介します。

・子供の科学

創刊95周年を迎えた科学雑誌で、対象年齢は小学校高学年から中学生向けです。人類誕生の秘密や電気のしくみ、発明など幅広い科学の知識が載っていて、将来役に立つ科学知識を身につけることが出来ます。子ども向けの絵などを使い解説されているので読みやすいです。毎月発行なので、興味があるなら定期購読にするのもオススメです。定期購読中はデジタル版も読むことが出来ます。創刊から長い為バックナンバーも豊富です。気になる内容のものは取り寄せてみるのもいいですね。

https://www.kodomonokagaku.com/magazine/

・小学8年生

全ての小学生が楽しく学べる「小学〇年生」の総合版と言える雑誌です。ユニークな付録が話題となり大人もハマる人が多く、売り切れてしまうことも珍しくありません。2019年8・9月号では本物のアンモナイトが付録となっておりSNSでも評判を呼びました。雑誌の中身も漫画などで読みやすくなっており、子どもが楽しく読める工夫が満載です。

https://sho.jp/sho8

・ドラえもん もっと!ふしぎのサイエンス

2012年から2015年にかけて発行された、漫画と付録でふしぎが分かる本です。大人もはまるほど豪華な付録がついています。値段は2千円前後と高めですが、タケコプターやタイムマシンなどドラえもんファンが喜ぶものやその可愛らしさにハマる子どもが続出しています。大好きなキャラクターをきっかけに科学を好きになってくれたらいいですよね。

https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/29391

・たくさんのふしぎ

自然や環境、人間の歴史・文化から数学まであらゆる不思議を届ける科学雑誌です。第一線で活躍する研究者や専門家が、世界の不思議について子どもたちが自ら考え、理解出来る様に書いています。付録はないので体験などは出来ませんが、多いイラストで読み始めると興味を持つ子どもが多いようです。

https://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_fushigi/

子ども向けの科学雑誌は現在休刊となっているものもいくつかありますが、バックナンバーとして入手できるものもあるので気になる内容があれば選んで購入するのもいいですね。

雑誌以外では、通信教育でも付録がついてくるものがあります。筆者の息子は進研ゼミを受講しています。通常のコースでは国語と算数のみですが、オプションでは理科と社会もプラスされていて、理科では毎月実験出来る付録がついておりいつも楽しみにしています。

「なんでだろう?」「こうしたらどうなるだろう?」という疑問や好奇心を持つ事で知識となり、将来的に授業などで同じことを学ぶ際にはスムーズに理解することが出来ます。

身近なことで不思議に思っていることがあれば、親子で話したり調べたりしてみましょう。今回のノーベル賞受賞をきっかけに、リチウム電池やその用途についてなどを話してみるのもいいですね。

吉野氏が幼少時代に読んだという本の子ども向けに書き直されたものを、私も購入してみました。科学を苦手ではなく楽しく身近なものであると思えるように、子ども向け雑誌などを活用して興味を持たせてあげてください。

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