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『伊藤家の晩酌』~第四夜2本目/まろやか微発泡の秋の味わい「富久長 ひやおろし 純米吟醸 秋櫻」~

  • 2019.10.21
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弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第二夜の2本目は、ほんのり微発泡。繊細な味わいのひやおろし。ひいなちゃんの小学校時代の恩師・本間先生も前回から引き続き、一緒に乾杯!
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第四夜の2本目は、フルーティでほのかな発泡も感じる「富久長 ひやおろし 純米吟醸 秋櫻」。

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Hanako 編集部

娘・ひいな(以下、ひいな)「以前紹介した「Shell Lovers」と同じ蔵のひやおろし。女性杜氏さんが作った、その名も『秋櫻』だよ」
父・徹也(以下、テツヤ)「『秋桜』といえば名曲だよな。誰の歌だっけ?」
本間先生(以下、先生)「さだまさし」
テツヤ「山口百恵じゃないの?」
先生「さだまさしの曲を山口百恵が歌ってるんです」
テツヤ「へぇ、知らなかった!」
ひいな「昔の話はもういいから(笑)! 次のお酒はキンキンに冷やして飲んで欲しいから、錫で飲んでね」

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先生「なんかいい色だね。お酒らしい色」
ひいな「ひやおろしって、割と色がついてるものが多いんだよ」

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テツヤ&ひいな&先生「じゃ、さっそく乾杯!」
先生「わ〜い! 二本目いただきます!

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Hanako 編集部

テツヤ「うん!? これはまた全然違う味だね」
ひいな「同じひやおろしでも全然味が違うでしょう?」
先生「ちょっとシュワってしなかった?」
ひいな「そう! 微発泡なんです」
テツヤ「ひやおろしなのに? おもしろいねぇ」
先生「おいしい〜!」

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Hanako 編集部

テツヤ「酒器によって味、違うでしょう? 先生」
先生「すごくひんやりしてて、錫で飲むのいいですね」

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Hanako 編集部

テツヤ「ひやおろしで秋だから『秋櫻』って名前が入ってるんだね」
先生「ひやおろしが出回るのはいつなの?」
ひいな「一番早いと9月の頭くらいから出始めるんでだけど、年々早くなっていて。早く出るひやおろしといえば『秋櫻』って有名なの。10月になると種類も増えて充実してくるよ」
先生「さっきの外気温の話は関係ないの?」
ひいな「うん、今は関係なくなってきてるかな。2回目の火入れをしないで瓶詰めした後、そのまま出すものをひやおろしって言ってることが多くて」
テツヤ「今は簡単に温度管理できちゃうからな。昔とは違うもんね」

「富久長 ひやおろし 純米吟醸 秋櫻」に合わせるおつまみは、「軟骨入りのつくね」

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Hanako 編集部

先生「わぁ、つくね、おいしそう! これ、ひいなが作ったの?」
ひいな「そう、どんなおつまみが合うかなって毎回すごく考えてる」
先生「そういえば、パイナップルの回が衝撃だったな(笑)」
テツヤ「俺も衝撃でした(笑)」
ひいな「このお酒は万能なお酒だと思っていて。酸を予感させる香り、飲んだ時の微発泡からの酸、米の旨味ももちろんあって。これは何にでも合うなと。今回は、ねっとりとした卵の黄身を合わせてみたくて、つくねにしてみたよ」
テツヤ「卵の黄身をどう見せるかで悩んだんだよな」
ひいな「本当はオニオンスライスに、かつおぶしと醤油をかけて、その上に黄身を落としただけのおつまみを考えてたんだけど『映えない』ってお父さんに止められて(笑)」
先生「さすが、カメラマン」
テツヤ「一応ね」
テツヤ「器は、角田淳さんっていう人気の作家のもの」

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Hanako 編集部

先生「すごく素敵です。卵、崩しちゃっていいかな?」
ひいな「黄身をたっぷりとつけて召し上がれ!」
テツヤ「おれ、生のピーマン好きなんだよね」
ひいな「おいしいよね。ピーマンのシャキシャキ感と合わせて食べててみて」
先生「おいしい!」
テツヤ「うんまい! 軟骨も入ってる?」
ひいな「うん、入ってる。お酒と合わせてみて」

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Hanako 編集部

テツヤ「うわ、合うね〜」
ひいな「うん、やっぱり合うね。我ながら卵の黄身とバッチリだな」
先生「合う合う。めっちゃ合う! 卵と日本酒の組み合わせって初めてだし、日本酒の微発泡も初めて!」

日本酒好きな先生との再会で、娘・ひいなの日本酒探求の旅はさらに広がる!?

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Hanako 編集部

ひいな「先生は、どんな日本酒を飲むの?」
先生「純米のお酒が多いかな。米の味がしっかりしている感じ。『上善如水(じょうぜんみずのごとし)』ってお酒が大好きなの。去年、初めて『上善如水』の夏のお酒を飲んだのね。かわいいペンギンのラベルのお酒は氷を入れて飲める日本酒だっていうのでびっくりしたの」
ひいな「え? 日本酒のオンザロック?」
先生「そう、日本酒に氷?って驚いたんだけど、『上善如水』の酒蔵見学に行って全種類飲んだんだけど、夏限定のお酒はワインみたいで。度数も高くなくてビギナーや女性向けに飲みやすいお酒をってことだったんだけど、飲んでみたらすごくおいしくて。ガブガブ飲んじゃう感じ」
テツヤ「まさに、水の如し!」
先生「ラベルやボトルもすごくかわいくて。毎月新しいものがあって。飲んだ瓶、部屋に全部飾ってあるよ(笑)」

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テツヤ「先生、飲みますねぇ」
先生「いやいや。伊藤家ほどでは」
テツヤ「蔵見学にも行ってるなんて」
先生「だって、いくらでも飲んでいいんですよ! そりゃ、行きますよねぇ。白瀧酒造、ひいなにもぜひ行ってほしいな」
ひいな「うん、行ってみたい!」
先生「ひいながこんなにお酒飲むようになるなんて思わなかった! でも、遺伝的には、そりゃそうか(笑)」
ひいな「先生が日本酒好きで、私もうれしい! 小学5年生か6年生の時、担任だった中村先生の『究極の食プロジェクト』っていうのがあって。が、小麦や米とかのチームを作っていろいろ調べるんだけど、私、小麦チームだったの。生産者さんに手紙を書いて、その人が作った小麦を使ってパンを作った。ほかのチームピザで石窯を作って焼いたりして、私はそこで初めて発酵に触れたの」
テツヤ「自由研究で天然酵母でパンを作ったりしてたもんな」
先生「わぁ、そこが原点なんだねぇ」
ひいな「日本酒も発酵だから。発酵に対する興味はその時に芽生えた」
先生「その時の経験が今に続く“種”になってたんだね」
テツヤ「ひいなはさ、唎酒師になったけど、イタリアに行ってピザ職人になりたいっていう子もいたかもしれないしね」
ひいな「そうだね。これをきっかけにね」
先生「小学校の時の教育って、今日、明日ではなくて、何年後かに活きてくるんだね。あの頃、教えてたことは間違ってなかったんだなって今わかる。こうやって教え子に会うのって大事ですね」

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Hanako 編集部

テツヤ「これからもちょくちょく遊びに来てくださいよ」
先生「はい! 伊藤家の晩酌に私もお邪魔させてください」
ひいな「大歓迎です!」

(次回も先生と一緒にお届け!10月27日更新予定です)

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Hanako 編集部

第四夜1本目「喜楽長 特別純米 ひやおろし」
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