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のろくてイライラ! 「動作の遅い子ども」にひそむ4つの原因と対処法

  • 2015.4.1
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【ママからのご相談】

4月から小3になる息子の相談です。小さい頃から動作が遅く、何をさせても時間がかかってしまいます。普通学級にいるため知能とかには問題ないと思うのですが……とにかく行動がのろいので、せかしてしまうんです。 早く行動できるように言い聞かせとかありますか?

●A. 親子で協力しながら、子どもに自信をつけることがカギになります。

ご相談ありがとうございます。フリーライターの桜井涼です。

お子さんをせかしてしまうお気持ち、本当によく分かります! 私も同じようなことを考えて毎日イライラしていましたから。でも、大事なことが何かを小学校の教員をしている友人に教えてもらったことで、気がつくことができました。

大事なのは、お子さんに自信をつけさせることなんです。相談者様は、お子さんの動きが遅いからと手伝ってしまうようなことはされていませんか? 私はしていました。それが自信喪失や自己評価の低下につながることとは知らずに。だから、親子で協力することが必要なのです。

●動作がのろくなってしまう原因4つ

動作の遅さには、いくつかの原因があります。

●(1)お子さんの動作が遅いことにイライラしてしまい、手を貸してしまい過ぎること

口癖として、「早くしなさい!」と言ってしまいがちではないでしょうか。私も子どもに同じことを言ってしまうことがありますので、お気持ちはよく分かります。その後に、子どもから奪い取って、自分が代わりに物事を進めてしまうことだってあると思います。その方が格段に早いですからね。

これではお子さん自身に力がつかなくなってしまうことがあります。手先の器用さなどが身につかなくなってしまう状態に陥ります。

●(2)精神的なストレスが動作を遅くさせている

大人でも子どもでも“やりたくないこと”をしなくてはいけないとき、動作が遅くなりますよね。それを無理にスピードアップさせようとしても、できないものはできないんです。この場合、本人はあまり自覚していないことが多いと言われています。

●(3)性格的なものが要因で動作が遅くなっている

のんびりした性格の持ち主は、動作がのんびりしていると親は捉えがちです。アニメ、ドラえもんののび太がいい例ではないでしょうか。

●(4)発達の遅れが原因となっている場合

発達の遅れがある場合は、それなりのトレーニングなどの働きかけが必要になります。

今回の場合は、3年生になる段階で普通学級にいらっしゃることと、それまでに担任の先生からお話がないようなので、この原因は除外できるのではないかと思います。

●親の我慢が必要です

相談内容から“せかしてしまう”という言葉が出てきていますので、手をかけ過ぎているのではないかと思われます。このような場合、相談者様の我慢が少し必要になります。時間はかかっても自分でできることを自分でさせて、できることを増やしていくという方法を取った方が早いのではないでしょうか。

大人が何でも手を貸していたら、自分で何もできない子になってしまいます。現代の子どもは、一人で靴ヒモを結べなかったり、ボタンをとめることができなかったりする、といった話をよく聞きます。

実際に小学校に入学すると、担任から

「何でも自分でさせることが自信につながるのでさせてください」

と話があるでしょう。小学校教員をしている友人も同じようなことを話していました。

●親子で解決するための方法

知っておいて欲しい点が1つあります。それは、一朝一夕で治るものではないということです。あせらず、ちょっとずつ時間をかけていく必要があります。そのために、親からのアプローチがとても大切です。

まずはせかさないこと! 仕事や家事に忙しいのはわかっていますが、自分でできることを増やしてあげるためと、自分でできたことによる自信をつけさせてあげるために、親がせかさずに待っていてあげることが一番の方法です。何か1つでもできたらほめやすくなりますよね。

ただし、「できない」と助けを求めてきたときには、お手本を見せ、やり方を教えて、実際にさせてみましょう。そして、できたらすかさずほめる! それの繰り返しです。

「自分でできる」→「ほめる」→「自信がつく」→「動作において改善が見られる」

これの繰り返しはいつからでも始められます。しかし、中学に入ってからだと更に時間がかかりますので、今からスタートさせてみてはいかがでしょうか。年齢が低いほど早い段階で改善することができるようになります。

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このような問題を良い方向へ持っていく場合、家族での話し合いと協力がとても重要な役割を果たします。スクールカウンセラー事例ファイルを書き上げた編著の田上教授は、こう述べています。

『児童・生徒に個性があるように、くわしくみれば児童・生徒の問題にもそれぞれの特徴があり、対応の仕方もまたそれに応じて異なったものにならなければならない』

相談者様もご家族での話し合いを通じ、お子さんの良いところを見てあげるだけでなく、良くない点を良い点に変えるために何が大事かを考えて手助けしてあげて欲しいと思います。

私も日々動作がのろい娘に何とか自信をつけさせてあげたいと、「早くしなさい!」と喉まで出かかった言葉を飲み込んで、自分でできることは自分でさせて褒めるようにしています。子どもに自信を持たせることが、怒ってさせるよりも心に良い影響をもたらします。ぜひ、一緒にがんばってみませんか!

【参考文献】

・『スクールカウンセラー 実例ファイル② 生活態度と習慣』田上不二夫・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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