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フェイシャルにヘアサロン…全て銀座から始まった!美容文化の歴史を紐解く6つのキーワード。

  • 2019.10.17
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西洋文化の影響を受け発展する近代日本において、美容もまためざましい進化を遂げました。その牽引役になったのは、銀座に集まる女性たち。昭和30年創刊のタウン誌『銀座百点』の過去記事や銀座に縁のある老舗ブランドのエピソードから、華やかなりし銀座美容文化の歴史を紐解きました!

1.かつら&おしろい 役者から一般女性へ和髪のかつらが普及。

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Hanako 編集部

歌舞伎や新派の役者が集まる銀座には、昔から舞台用のかつらを作る職人が多かったという。「大正に創業した〈かつら岡米〉さんは、役者の髪型に憧れる芸者さんのために一般人用のかつらを作り始めたと、昭和44年の『銀座百点』に載っています。小誌が創刊した昭和30年代でも、銀座ではまだ半分くらいの女性が和装だったとか。

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Hanako 編集部

岡米さんのかつらは、役者さんや芸者さん、花嫁さん用に重宝されていたのでしょう」(『銀座百点』編集長 田辺夕子さん)

2.欧米式の美顔術 フェイシャルエステも銀座から全国へ。

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Hanako 編集部

今でこそ常識になっている「素肌を美しく」という概念も、銀座の街から広まったという。「明治38年、現在の銀座7丁目に、初代遠藤波津子が日本初の総合美容室〈理容館〉を開きました。アメリカ人医師から西洋式美容法を学んでいた遠藤は、理容館で“美顔術”を提供します。肌そのものを健康にして美を高めようというこの美顔術こそ、今のフェイシャルエステの先駆けといわれています」(Hatsuko Endo グループ本社 広報 渡辺京子さん)

3.大正時代の三大美容室 ライバルかつ同志でもある3人の女性が銀座に集結。

まだ美容室が一般的でなかった大正時代、銀座エリアには当時の三大美容室ともいうべき先端のお店がオープンする。「遠藤波津子による日本初の総合美容室、アメリカ製パーマネント機を輸入した山野千枝子の〈丸の内美容院〉、 洋髪を広めたマリー・ルイズが日比谷に開いた〈巴里院〉。当時人気を集めた美容家3人が銀座近辺に集まり、切磋琢磨しながら共に“東京婦人美容協会”を設立。日本女性の美の向上に貢献したのです」(渡辺さん)

4.男性の美容 銀座のメンズエステは明治時代まで遡る。

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Hanako 編集部

最近話題のメンズビューティも、銀座では昔からの常識!?「遠藤波津子の理容館では、男性も美顔術を受けることができました。その後も要望があれば男性にもトリートメントを行っていて、現在は男性専用のエステルームも完備しています」(渡辺さん)。「大正7年に創業した〈理容米倉〉も、男性美容のパイオニア。弊誌でもルポを掲載しましたが、髪やヒゲはもちろん、フェイシャルメニューまである素敵なお店です」(田辺さん)

5.婚礼美容 日本のウェディングサロンも銀座から。

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Hanako 編集部

明治や大正の時代、花嫁は実家で衣装を誂え、着付けや髪結いも家で行うのが一般的だった。

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Hanako 編集部

「初代遠藤波津子は、理容館に婚礼の着付けと髪結い部門を設けました。花嫁のために考案した着付けや帯結び、化粧法は、雑誌ラジオなどを通じて日本全国に広まったといいます。四代目遠藤波津子は戦後の物資不足からニーズが高まった、花嫁衣装の製作も始めます。これが、ハツコ エンドウ ウェディングスの成り立ちです」(渡辺さん)

6.資生堂の国産化粧品 日本人の美意識を変える革新的コスメを次々発売。

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Hanako 編集部

日本を代表する化粧品メーカー資生堂も、銀座が発祥。「資生堂は明治5年、洋風調剤薬局として創業しました。その後明治30年に化粧品業界へ進出し、100年以上のロングセラーとなる化粧水『オイデルミン』を発売します。大正6年には、それまでの真っ白なおしろいから、肌色に合わせて使える『七色粉白粉』を発売。ひとりひとりの美しさを生かそうという美意識を、昔も今も発信し続けています」(資生堂ジャパン PR 山口夏苗さん)

Navigator

田辺夕子/『銀座百点』編集長。誌面に掲載するお店の取材やインタビューのために自ら銀座を駆け巡る。老舗の旦那衆との交流から、様々なことを学んでいるそう。

渡辺京子/Hatsuko Endoグループ本社 広報担当。歴代の遠藤波津子氏の功績、日本の美容の歴史に詳しい。遠藤氏の美顔術のたまものか、ふっくら美肌の持ち主。

山口夏苗/資生堂ジャパン ブランドPRグループ。仕事帰りには、大好きな中華料理のレストラン〈天香回味 銀座中央通り店〉で、銀座の美食を楽しむことも。

(Hanako1177号掲載/photo : MEGUMI illustration : Maori Sakai text : Yumiko Kazama)

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