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怒りや落ち込みが長引いてつらい…負の感情が消える3つのステップ

  • 2019.10.6
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「ベビーカーを押していたら『邪魔だな』と知らない人に怒鳴られた」
「夫に『専業主婦は楽でいいよな』と言われた」
「義母が予告なく訪問してきて、子どもが昼寝できなかった」

そんな日々の「あるある」で怒ったり落ち込んだりした時、皆さんはどう感情をコントロールしていますか?

そういった負の感情にとらわれて、なかなか気持ちを切り替えられない場合、周りに嫌な空気を巻き散らしたり、ついつい子どもや夫に八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。

怒りや落ち込みを引きずらないためには、どうすればいいのでしょうか。

■怒りや落ち込みなど負の感情はどこから生まれる?

実は、怒りや落ち込みという感情は、誰かに怒られるといった「自分以外の何かが引き起こす」ために生まれるものではありません。

怒りという感情は突きつめていくと、「相手が自分のことをわかってくれない」という失望が引き起こすものです。

一方、落ち込むという感情は「自分はダメでデキない人間だ。価値がない」という思い込みが強くなり、自己肯定感の低下や自己無力感が引き起こすもの。

「理解してほしい」という希望や「自分はダメだ」という思い込みなど、自分の中から生まれる感情が怒りや落ち込みを引き起こしているのです。

負の感情は、ほかからの働きかけではなく、自分の中から生まれてくるものだと早く気づければ、ダラダラと長く引きずることはなくなります。

しかし、怒りや落ち込みの感情にとらわれている最中は、冷静な判断ができず、なかなか自分で気づくのは難しいでしょう。そんな時に活用してほしい怒りの鎮め方、アンガーマネジメントの方法をご紹介しましょう。



■ステップ1:怒りや落ち込みの感情を2つの方法でコントロールする
まず、自分が怒りや落ち込みの感情にとらわれ、冷静さを失っていると感じたら、次の2つをやってみましょう。

1.ひとりになる。

2.深呼吸する。


まずは、自分自身に向き合うために、別部屋に移動する、トイレに入るなどしてひとりになりましょう。それから、大きく深呼吸をするのです。

怒りや落ち込みを感じている時は、自律神経のうち交感神経が優勢になりノルアドレナリン(激しい感情などで出る交感神経の情報伝達物質)が放出されます。

それを抑えて体を回復させる状態、つまり心を平静に保つ副交感神経を優勢にするためには、深呼吸をしたり、トリプトファン(心の安定を保つ情報伝達物質セロトニンを増加する効果がある必須アミノ酸)が含まれる大豆製品や乳製品を食べるといいでしょう。

中でも、すぐできるのが深呼吸。何度もやることで、心のバランスを保ち冷静さを取り戻せます。ほかの人の目がある場所では緊張を感じて副交感神経が優勢にはならないので、必ずひとりになることが条件です(*)。

もし、子どもを感情的に怒ってしまいそうな時などにもおすすめ。子どもとはいったん離れ、別の部屋に移動してひとりになることで、怒りをコントロールできるようになるでしょう。





■ステップ2:どうして怒ったのか、落ち込んだのかを自分に問いかける



ひとりになり深呼吸をすることで落ち着いてきたら、次のステップへ進みましょう。

自分の怒りや落ち込みという感情に意識を向け、「どう思ったから怒ったのか、落ち込んだのか」を自分自身に問いかけてみてください。

例えば、上司に理不尽なことで怒られて落ち込んだ、せっかく作ったごはんを子どもがすべてこぼしてしまい怒っているなど、自分の嫌な気持ちが「誰に対してなのか、どんなことなのか」を、自分自身との会話でひもといていきます。

嫌な気持ちの対象がはっきりしたら、次は「自分はどう思ってほしかったのか、どう伝えたかったのか、どうしてほしかったのか」を明確にしましょう。

例えば、子どもにごはんをおいしく食べて欲しくて一生懸命に用意したけれど、それがかなわなかった。そのがっかりした気持ちが怒りへと変わったことが理解できます。



そうやって冷静に分析していくと、嫌な気持ちは不思議と薄まってくるでしょう。

ただし、自分に責任があると思い込みやすい人、自責タイプの人は、怒りが自分への強い失望へ変わることがあります。そうすると、「私はダメな人間だ」とさらに落ち込む場合も。

そうならないために、自分を責めてつらくなったら、「私だけが悪いんじゃない」とあえて他責、自分以外に責任があると言いきかせるんです。私だけが悪かったのではなく、怒った上司もちょっと機嫌が悪かったし、子どものあの態度もないよねってつぶやいてみるんです。

そう言っているうちに、どう思って欲しかったか、どうして欲しかったか、どう伝えたかったのか、どうしてそう思われてしまったのかがだんだんとわかってきます。

■ステップ3:「他人は他人、自分は自分」価値観や感情に流されない
自分が怒りや落ち込みを感じた原因や、それによる負の感情を解き明かしていくうちに、次のことがはっきりしてきます。

今起こった嫌なことは「その時点での相手の価値観からくだされた判断」であり、たまたま相手がその時、そう感じただけのことだと気づくでしょう。

それは、本来の自分に対しての評価ではなく、一過性のもの。自分はダメだ、わかってもらえない存在だと思い込んでいたことが、真実ではないとわかってくるのです。

大抵、嫌な気持ちを引きずる原因は、相手の言っていることや態度が「真実」だと思い込んでいるから。そうすると、長くいやな気持ちを引きずり、立ち直れなくなるのです。



寝る前などは副交感神経が優勢になって冷静になります。そういった時、何に怒っているのかに焦点を見定めて、自責傾向が強く出てきたなと感じたら「自分だけが悪いわけじゃない」と言い聞かせましょう。

自分を責める気持ちが薄まったら、「どうして欲しかったのかな」「どうわかって欲しかったんだろう」と自分を見つめます。そうすることで、嫌な気持ちを周りにまき散らすことが少なくなり、八つ当たりも減るでしょう。





■あなたは自責? それとも他責タイプ?



ただし、他責の多用には注意を。他責傾向が強くなってしまうと、落ち込んだ気持ちから復活するのも早く後に引きずらないメリットがありますが、反省の気持ちが薄まり、失敗は周りのせいだと攻めたてて迷惑をかける存在になる場合も。

ですので、「自分の責任ではない」と言い聞かせて気持ちを浮上させるテクニックは、もともと自責傾向が強く、一つつまづくとずっと引きずって周りに八つ当たりをして落ち込むタイプの人におすすめです。

自分が自責タイプか他責タイプかがわからない時は、「何かトラブルが起こった時、とっさに自分がどう思うか」を思い出してみましょう。

自分が悪いと感じる人は自責タイプ、自分以外の人やものが悪いと思う人は他責タイプに分けられるでしょう。

ただし、それは程度の差があり、混在していることもあるため、どちらかに白黒はっきり分けられるものではありません。

どれくらい負の感情が続くかによって自責傾向が強いかどうかが分かります。落ち込みや怒りが3日続くなら自責タイプでしょう。

自責タイプの中でも、すぐ「悪かった、ごめん」と言えるのは「プラスに働く自責」で負の感情をあとに引きずりません。何も言わずにうつうつとずーっと怒っているのは「マイナスに働く自責」なので注意しましょう。

自責、他責、それぞれに良いところもあれば悪いところもあります。要はバランスです。この機会に、自分の怒りや落ち込みの感情を見つめなおしてみましょう。

*参考書籍:小林弘幸著「怒らなければすべて健康」(祥伝社黄金文庫)

(佐藤栄子)

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