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ひふみ投信が不調の理由をFPが解説!解約前に成績を把握して損しない運用をしよう

  • 2019.9.22
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今回は話題のひふみ投信について解説していきますが、ネットで検索すると「不調」というキーワードも関連付けてヒットするようになってきました。今、ひふみ投信で何が起きているのでしょうか?その理由を探ると共に、解約すべきなのかどうなのか、損をしない為のアドバイスを添えて解説していきます。

ひふみ投信の成績は?

まず始めに、ひふみ投信について簡単に解説しておきます。ひふみ投信はレオスキャピタルワークスという運用会社から販売されている投資信託です。数多く存在する投資信託の中でもひと際目立つ存在でもあります。

その理由は2017年にTVメディアに取り上げられた事があり、口コミが広がり評判となり、爆発的なヒットとなりました。

かれこれ10年は運用を続けた結果このようになっています。最近の不調は赤丸で囲った部分に敏感に反応した結果ではないでしょうか?確かにこれまでは大きな波も無く、順調に右肩上がりを続けてきました。図で見ると大きなヘコミにも見えますね。一体何があったのでしょうか?

暴落して損しない?現在の不調の原因は?

先程の赤丸の部分ですが、大きなヘコミではあります。これを暴落と呼べるかと言うと、否定的です。著しく下落しているとは思えません。しかし、「下がった、下落した」という表現は当てはまります。その理由をこれから深堀していきます。

不調の理由①投資先組み入れ銘柄変更による煽りを受けた事

不調の理由1つ目は、タイトルの通り組み入れ銘柄を変更した事に起因します。元々ひふみ投信は日本の成長産業株を対象に構成されていました。また将来性のある中小企業等に投資していまして、株を割安で買う事も出来ていました。その企業が大きく飛躍し株価も上がるといった事がこれまであった訳です。

そして先述しましたメディアに2017年取り上げられ「ひふみ投信」を購入するお客さんが増えました。結果、投資信託の人気のバロメーターでもある純資産総額が大きく膨れ、現在では(2019.9月13日現在)1,296億円もの資産となっています。実はこの純資産総額が大きくなると、ひふみ投信のこれまでの投資スタイルにデメリットが生じる事になります。

ひふみ投信運用スタイルに生じるデメリットと対抗策

これまでひふみ投信は割安な株を買って運用するというスタイルでしたが、純資産総額が大きくなると、割安株だけでは運用しきれなくってしまうというデメリットが生じます。つまり投資家に対し還元が鈍化してしまう恐れも出てくる事になります。

そこで投資銘柄をいわゆる「大型株(株価が大きい株式)」を組み込む事にシフトします。そうする事によって現在の純資産総額でも運用出来るようにしました。その対象銘柄は一変し外国株式を組み込むようになりました。

代表的な銘柄は、マイクロソフト、アマゾン、フェィスブック、VISA等に及びます。このように安定した運用を試みましたが、2018年に米国株式市場が大きく下落する事になり、その煽りを受けてしまったという事が不調の原因の1つとなっています。

大きな下落理由としては、メディアでも連日話題になっていますが、米中貿易によるものです。ここまでとはレオスキャピタルワークスも思っていなかったのではないでしょうか。

不調の理由②タイミングが悪かった

上記のように外国株式を組み込みだしたのは2017年6月になります。これはひふみ投信の運用レポートに記載がありますが、このタイミングから徐々に外国株式を組み込み始めます。純資産総額が大きくなりはじめたのもこのタイミングに近いですね。

つまり大きな運用を行う為の手段を取り、組み込まれた上位の銘柄は大型株で占められていましたが、結果翌年には米中貿易に関する話題が出てしまい、結果米国株式市場の下落に至ってしまったという事になります。

これは誰しも予期する事は出来なかったと言わざるを得ません。このように将来が分かっていれば、別の手段を講じる事は可能ですが、明日の事は誰もが分かり得ない事ではありますので、タイミングが悪かったとしか言いようが無いのも事実でしょう。

不調の理由③AIやIoT関連株が伸び悩んでしまった事

これは、レオスキャピタルワークス代表の藤野さんが雑誌のインタビューで答えていました。国内での成長産業である電機や半導体等に積極的に投資を行っていたようですが、AIやIoT関連株が今後の業績に不透明感が出てきたと答えています。

世界景気の影響を受けた半導体メーカーの業界団体は本年の予測を前年比12%減と下方修正しており、この事から投資先の株価下落の影響を受けたと言えます。

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ひふみ投信は解約しなくて良い

データは1965年から2005年と少し古いですが、40年間における日本の上場株式の運用の成果をグラフにしたものです。毎月月末に上場株に対し投資を行うとしたら、480回ものスタート地点が存在します。

480回のスタート地点から始めて1年間保有したとした場合がグラフ左の図になります。運よく投資を行えた方は最大で72.1%のリターンとなっています。反対に運悪く投資を始めた方はマイナス24.8%となってしまいました。

ここで鉄則に従い、長期の運用を心掛けるという事です。先程の大きなマイナスのリターンを被った方が鉄則を守って5年間保有していた場合、マイナスが7.3%まで減少しています。反対にプラスリターンも32.9%となっています。では同じ理由でグッと我慢して10年保有した場合の最低リターンはマイナス3.5%まで減りました。

更に我慢を重ね20年間の保有を行った結果、1年目であれだけあったマイナスリターンがプラス4.4%にまで回復している事が見て取れます。30年間の保有となれば良くて12.8%、悪くても6.8%という好成績に転換しています。

過去の統計からですので、必ずしも将来を確約させるものではありませんが、このように長期に渡って投資、保有し続ける事で、プラスも、マイナスも収束していく事が分かります。

更にはマイナスが解消されているという事にもなります。つまり投資信託を始める場合は1年で結果を出そうとしてはいけないという事です。少なくとも10年~15年以上は投資を続けなければいけないと私は考えます。

鉄則その②資産分散

投資の世界の格言に次のような言葉があります。

  • ひとつのカゴに卵を盛るな

例え話ですが、卵を買って、カゴ一つに全部入れていたら、落としました。すると買った卵が全て割れてしまいました。ではカゴ2つに分けてみます。1つのカゴは落としてしまい、もう1つのカゴは大丈夫でした。このように卵を守る事が出来ます。

投資信託でも同じことが言えますが、ひふみ投信は主に日本株が主体となっており、また私たち投資家が運用に口を挟むことはできません。では大切な資産を運用するに当たってどのようにするのかと言いますと、別のファンドにも投資してリスクをコントロールするという事です。

例えば債券をメインとしたファンドや外国株が主体のファンド等様々ですね。投資信託の良い所は、色んなファンドに投資できる点が強みでもあります。

株は攻めの運用、債券は守りの運用と言われるように、今回のひふみ投信が不調となってしまう事があれば気になってしまうといった方は特に別のファンドに投資しておく事がベストでしょう。これが資産分散という事です。

なにも一つのファンドだけで運用しなければならないルールはありませんので、バランスを考えて、また増やし過ぎないのもポイントですね。こうする事で利回りを安定させる事も可能ですので、先程の長期投資と合わせて行って頂ければと思います。

鉄則その③時間分散

まず始めに投資の成果はどのようにして表されるのかですが、口数×価格で表されます。これを踏まえた上で時間分散について解説します。時間分散とは一言で言えば毎月の積立投資とお考え下さい。

分かり易くする為に1年間の値動きで解説します。スタート1万円だったものが値下がりし、最終的には5,000円まで回復しています。ここでAさんBさんに登場して貰います。Aさんは12万円を一括で投資しました。Bさんは毎月1万円を12カ月間に渡って上図のファンドに投資したとします。

まず口数の結果ですが、Aさんはスタートの段階で12万円を投じていますので、12万円で買える口数は12口という事になります。

ではBさんはどうでしょう。毎月1万円ずつ買付しました。結果12カ月間で30.01口もの口数を買う事が出来ました(詳細は後述します)。値が高い時には少ない口数しか買えませんが、値下がりの時は沢山の口数を買う事が出来ていますよね。

最終的な成果は

Aさんは12口買えました。12カ月目の価格は5,000円ですので、12口×5,000円=60,000円の成果となります。損失が出てしまいました。ではBさんも同じ様に30.01口×5,000円ですので約150,000円の成果になりました。30,000円のプラスが出ましたね。

この様に買付のタイミングをずらす事を時間分散、またはドルコスト平均法と言います。特に値下がりの時ほど多くの口数を買う事が出来る点はメリットです。しかも平均購入単価を抑える効果もあります。

逆にAさんの場合は一括投資の為、値下がり相場の場合は高値掴みになってしまう事もありますので、投資信託を考える場合は毎月の積立投資が非常に効果的だと言えます。

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鉄則を守れる商品はつみたてNISAがおすすめ

先程の3つの鉄則を守れる商品はつみたてNISAが良いでしょう。まず非課税である事に加え、国が厳選したファンド(手数料が低い)ラインナップを完備。そして20年間の非課税期間はある為、長期投資に向いています。また積立投資できますので時間分散も出来ますし、ファンドを複数組み合わせる事で資産分散も可能です。

年金が気になるという方は、同じく非課税運用可能なiDeCoを利用しても良いでしょう。投資額が全額所得控除の対象にもなりますし、60歳までは引き出す事はできませんので、嫌でも長期投資になります。

2019年からの投資は楽天証券がベスト

私がおすすめする開設口座は楽天証券です。理由はシンプルですが、ネット証券なので手数料が低く、また商品ラインナップも豊富です。今回のひふみ投信はつみたてNISAを介して購入する場合は、ひふみプラスという商品名に変わりますが、中身は同じです。また、マネーブリッジを利用する事によって、普通預金の金利も0.1%にする事が出来ます。

つみたてNISAは2018年からスタートした制度ですが、20年間の非課税期間を考えても残り約18年間は投資する事が可能です。長期投資には期間的にもまだまだ十分確保できます。これらの理由から一番おすすめではないかと思います。

ひふみ投信の不調に関するまとめ

これまでの鉄則をご覧頂いてもお分かりの通り、長期投資するにしても、まだ年数は掛かります。(つみたてNISAで始める前提です)そして、株価は波を打ちますので、下がれば上がる事だってある訳です。下がったからこそ口数は多く買えます。今すぐに解約しなければならないという結論に至るのは早いですし、返って解約する事の方がデメリットになります。

もし下落が気になるという事であれば、ひふみ投信に加えて別ファンドを追加してみるのも一つですね。そして最後に大きな理由を言いますが、投資を行う際は一喜一憂しない事です。多少の波が来たところで慌てずに腰を据える事が何より重要です。

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