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あんなに親を嫌っていたのに、恋愛ではファザコンだった【トイアンナのしくじり恋愛】

  • 2019.9.21
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こんにちは、トイアンナです。女性からの恋愛相談で「パパみたいな人と結婚したい」と聞くたびに、なんて素敵なんだろうと羨ましく思っていました。私はあまり健全な家庭で育っておらず、つい最近まで両親とは絶縁に近い状態だったからです。

離婚して、ファザコンを知る

思春期は心もボロボロな典型的メンヘラをやっていたわけですが、さすがにこれはあかんと一念発起してカウンセリングを受けたのが23歳。私が死ぬか親が殺されるか、一触即発の関係にあった親とも冷静に向き合えるようになりました。そして恋をし、結婚。おおなんという順風満帆な人生。・・・・・・というわけにはまいりませんでした。結婚から3年ののち、離婚。


離婚後、私は友達を訪ねてまわりました。
「私が次の結婚に生かすべき反省点って、何があると思う?」
友人はみな私に似て、こういうときに手加減しません。
結婚してから如実にデブったのは手を抜きすぎでは?
喧嘩するとき結論ありきで話してコントロールしてなかった?
自分が男女平等論者のくせに、リードしてくれる男を選びすぎでは?
と、ダイレクトな指摘が刺さる刺さる。はい、すべてその通りです・・・・・・。

父親の父親、祖父になりたかった

中でも激烈に刺さった友人からのフィードバックが、こちらでした。
「アンナちゃんって、賢くて傲慢な人しか好きにならないよね」


確かにそうです。これまでに付き合ってきた男性はおおむね「バカは嫌い」と口に出せてしまうような傲慢パーソン。とはいえ本人が実際に賢いため誰も否定できない・・・・・・という方ばかりでした。


思えば偏った好みだな。はて何でこんな相手ばかり好きになるんだろう? と考えて数時間。唐突に答えが天から降りてきました。
「傲慢な賢い人って、まんま私の祖父じゃん・・・・・・」


私は親へ反発していた代わりに、猛烈なおじいちゃん子でした。祖父はロシア語から漢文までスラスラ読み解くインテリで、一族の中でも浮いた存在。そしてなぜか、孫である私を溺愛してくれました。私は祖父と一緒に朝から晩まで本を読むのが楽しくて勉強したようなものです。


カウンセリングで「どうやって生きていきたい?」と聞かれて「死んだあと、おじいちゃんから『よく頑張ったね』と褒めてもらいたい」と答えたほど、祖父は私の人生の根っこにいました。


一方、祖父は傲慢な人でもありました。祖母を文字通り支配し、ATMすら使わせませんでした。子どもの勉強時間から進路まで事細かに口を出したので、父は祖父が嫌いでした。わざわざ地方で就活して東京を離れ、祖父が嫌いそうな女性を伴侶に選び。まさかそうして産まれた子が、今度は自分の嫌う父親を志すなんて、なんて運命の皮肉でしょうか。

ファザコンを認めて、幸せになる

父はなるべく自らの父から離れようとして破天荒な妻を迎えたのに、結局私のような傲慢な子を持ってしまった。そして私もまた父に反発し、祖父のような伴侶を求めている。なんと結婚相手の好みは、3世代で行ったり来たりしていただけでした。


親の言うままに従うのがファザー・コンプレックスなら、反発し続けるのも「コンプレックス」でしょう。結局、私はあれだけ嫌っていたはずの父から逃れられなかったのです。


自分のファザコン観を否定しても、解決策は出てきません。これから胸がキュンとするたびに「私は父に反発して、祖父に似た男性を求めているんだ」と自覚し続けるしかない。選択肢は2つ。好みを変えるか、「傲慢で賢い男性」の中でもベターな人を探すか。大変に偏った好みのツボではありますが、それでも自覚できただけ前に進めた気がしています。祖父はもうこの世にいません。そして私は誰を愛するか、自分で選べるのですから。(トイアンナ/ライター)


【トイアンナのしくじり恋愛】
(ハウコレ編集部)

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