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つらい時「ひとりにして」と言う彼・・・その男心を解説!【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.9.8

“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「Mさん 43歳」のお悩み〜

男の人は悩んでいる時や、つらい時はひとりでいたいと思うものですか?

私はそういう時こそ好きな人に甘えたいし、一緒にいて楽しくなりたいと思うのですが、私の好きな人は自分の殻に閉じこもってしまいます。

連絡して励ましたり、こちらが普通に接しても「いま気分が落ちてるからうまく話せない」と言って音信不通になります。

自分の存在が無力なんだなぁと悲しくなります。いつ回復するのかわからず不安にもなります。好きな人のことを放置しても平気なのものなのでしょうか?

ちなみに、彼には同棲している彼女がいて、二股の状態です。私のことも彼女のことも好きで離れたくないと言われています。このへんのことも影響してるのでしょうか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

悩んでいる時や、つらい時、「ひとりにしてほしい」と言う男の人って、けっこう多いと思いますよ。なぜなら、男が悩むというのは、今ではなく過去のことを考えている(過去に生きている)ということだからです。

病んでいる女子はなぜ病んでいるのか?

わかりやすく言えば、たとえば、いわゆる病んでいる女子っているでしょ? 女子の中でも極めて悩み上手な人たち。あの人たちは、過去のことをずっと考えていて、今を感じていないんですね。だから、いつまでも病み続けることができるのです。

女子の中でも、さほど悩まないというか、「そんなこと考えてもしかたないから、美味しいものでも食べて寝よっ!」と、ふつうに言える人っているじゃないですか。そういう人は、なぜか過去に固執する脳になっておらず、今を今として感じる五感が優れてるのです。

ぼくはそういう女子を見るたびに、うらやましなあと思います。過去に固執してしまうというのは、なにも固執してしまう本人が固執したくてしていることではないからです。なぜか知らないけれど、脳が勝手に過去にこだわっている、だから、その必然の結果として、今を今として五感で捉えることができない、だから生きていることじたいがしんどい――こういうことなんですね。

彼がひとりで悩みたい理由

病んでいる女子とおなじ精神的なメカニズムをもっているのが、ひとりで悩みたい男です。彼はなにを悩んでいるのか、といえば、過去のことを悩んでいるんですね。

たとえば、仕事がうまくいかないからひとりで悩みたいという彼の「仕事」とは、「今」の仕事じゃないんですよ。今朝、上司に叱られたことを夜に悩む……ほら、過去のことを彼は悩んでいるでしょう?

あるいは、取引先を1つ失って今月の売上が下がることに悩んでいるという場合も、彼は過去に悩んでいますね。取引先を失ったのは、時制でいえば過去です。ほら、ここでも過去のことを彼は悩んでいるのです。

過去のことを悩む人の特徴として、今が見えないというのがあります。だから彼は「今」、彼女をひとりぼっちにさせて申し訳ない! ごめん! 今すぐ会いに行くから! とは思えないのです。なんの悪気もなく思えないのです。過去に生きている人は、過去と対話をするのにいっぱいいっぱいだからです。また、過去と対話している自分を、彼・彼女は隠そうとするんですね。

そういう自分を他人に見られるのは恥ずかしいと、彼・彼女は思っているのです。だから隠す、そしてひとりになる、そしたら彼女が悲しむ、だから彼はさらに罪悪感を抱え、その罪悪感をさらに隠そうとする――こうして悪循環がはじまるのです。

多くの男は「べき」と思っている

多くの男って、病んでいる女子のように過去に生きるクセをもっています。病んでいる女子って、実際には言うほど多くないでしょう?

対して、病んでいる女子みたいに悩み上手な男って、じつは多いんですよ。男のデフォルトが「病み」だから、あえて「病んでいる男子」という言い方をしないのではないかと思うくらいです。「病んでいる男子」って、「馬から落馬」みたいに二重におなじことを言っているからです。

それはさておき、なぜ男子は病むのか? 「頭で」生きているから、ということでしょうね。

つまり、女性で「これはこうすべき」とか「こうあるべき」なんて堅苦しく考える人って、わりと少ないじゃないですか。でも多くの男は「べき」と思っているということです。

就職したら出世すべき……出世したら結婚すべき……とか。その前は予備校に行くべき、であり、いい大学に入るべき、であり、就活に成功すべき、ですよ。

女子だって似たようなことを考えてきたと思うけど、でも女子は不思議と頭で考えるだけの人生にならないんですよね。どこかで感覚的なことがものを言って、理性(頭で考えること)と、感性(感じること)のバランスがとれているのです。だから、過去と現在をバランスよく生きれている。だから「そんなこと考えてもしかたないから、美味しいものでも食べて寝よっ!」とふつうに言えるのです。

沈みゆく夕陽を見て美しいと思うとか!

すべての男は、女性から理性と感性のバランスの良さを学ぶべきだと、ぼくは真剣に思っています。男って頭でしか生きないから、男ばかりの集団ではかならずといっていいほど権力闘争が繰り広げられますよね。アホみたいだなあと思います。

その点、女性はエライ! そんなに出世してどうするのよ? それより家族で毎年旅行に行くほうがしあわせじゃない? たとえば女性は、ごくふつうにこう言いますもんね。すばらしいなあと思います。

というわけで、Mさんは過去に生きている彼氏を、無理矢理にでも「今」に引きずり出してみてはいかがでしょうか?

今という時制は「いま」と言ったそばから過去になるので、感じるしかないことです。今を感じるというのは、五感を元気にさせないと無理です。美味しいものを食べて美味しいと感じるとか、沈みゆく夕陽を見て美しいと思うとか、そういうことを彼と一緒にやってみては?

そういうことを彼と一緒にやっていれば、二股問題なんてどうにかなりますって。二股だって過去に生きているというのが、問題の根本だったりするのです。

お互いがんばっていきましょう!

(ひとみしょう/作家)

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