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離婚リスクを回避! 夫婦が“産後クライシス”になる原因と克服法

  • 2015.3.27
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【ママからのご相談】

子どもが生まれてからどうも夫婦仲がしっくりきません。あんなに仲が良かったのにどういうわけか夫のすること全てに不満が沸いてきます。 近寄ってもらいたくない気持ちと仲良くしたい気持ちが入り乱れている感じで……正直、どうすればいいのかわかりません。

●A. お互いが正直な気持ちを話し合い、思いやりを持つことが解決の糸口です。

ご相談ありがとうございます。さまざまな夫婦を取材しているフリーライターの桜井涼です。

最近、タレントさんの離婚の原因が“産後クライシス”ではないかというような報道があったばかりで、相談者様も不安になっていることでしょう。以前は仲が良かったとのことですから、育児の大変さや、「あれもこれもやらなくてはいけない」といったさまざまな思いが交差して、不安な気持ちになっておられることと思います。

出産後に多少の気持ちの変化があるのは、どこの夫婦にもみられることです。しかし、何を大事にして、これから先どうしていきたいかを決めるためには、お互いが思いやりを持って本音で話し合うことが一番大事なことになります。

●産後クライシスとは

産後クライシスという言葉は、NHKの朝の情報番組が作った造語です。以前は育児ノイローゼや産後ブルーといった言葉で表現されていました。意味は、「産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状況」です。それが原因で離婚に至ってしまう夫婦は少なくありません。

5年に1度の割合で行われている厚生労働省の調べで次のようなことがわかっています。

【一人親世帯になった理由別の世帯構成割合(平成23年度)】

・母子世帯の理由の1位は離婚(80.8%)

・父子世帯の理由の1位は離婚(74.3%)

年々、増加傾向にあるということです。

【母子世帯になった時の末子の年齢階級別状況】

・0~2歳(35.1%)

・3~5歳(20.9%)

【父子世帯になった時の末子の年齢階級別状況】

・0~2歳(24.2%)

・3~5歳(23.8%)

それ以降は大きく下回っている結果となっています。

●原因はどこからやってくる?

原因の大きな理由として、“夫婦の気持ちがお互いに向いていないと感じられること”が引き金になっているようです。結婚当初は、2人の時間が多くあるのでお互いのことを話し合ったり慰めたりと、お互いを思いやる時間があったはずです。それが、出産を機にパートナーから子どもに気持ちが移ってしまうことが原因ではないかと思います。

ここで取材した既婚者の方たちの話を紹介しますね。

・『子どもが生まれた途端、自分はほっとかれっぱなし。何か手伝おうとしても怒られる』(30代既婚者/男性)

・『子ども中心の生活をしていると、夫にまで手が回らない。そのせいで夫婦別室になってしまった』(40代既婚/女性)

・『出産したら妻というより子どもの母に変わった』(20代既婚/男性)

このことから、寂しさを抱える夫と忙しさを抱える妻の姿が見えてきたのは確かです。相談者様にも思い当たることがあるのではないでしょうか。

忙しさが原因で、(手間がかかるから)近寄ってほしくないという気持ちや、前みたいに仲良くしたい(が疲れがたまってしまう)といった気持ちが交差しているのだと、相談の内容から私は感じました。

●産後クライシスを乗り切るためには

子どもがいるだけでかなりの忙しさが妻にのしかかってきます。仕事・育児・家事これら全てを抱えている状態を解決する糸口が、夫との話し合いにあることは確かです。家事の分担や育児のことだけではありません。互いの気持ちをきちんと話し合うのです。

東京大学名誉教授の汐見稔幸氏は、著書の中でこう言っています。

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『夫婦やカップルが、いつもあれこれ話し合って、相手のことをよく知って支え合う子育て生活を送られるか否かがもっとも大切らしいということが分かった』

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お子さんが生まれる前は、さまざまな話し合いをしていたのではないでしょうか。産後クライシスは、夫が悪いだけでなく、双方に原因があります。それを話し合ってコミュニケーションをたくさん取って乗り切ることが解決につながります。

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相談者様は、お子さんを抱え家事をしていろいろなことに努力をしておられるのでしょう。ご主人も仕事をして家族を養うために日々奮闘していることと思います。お互いが歩み寄ってコミュニケーションをたくさん取らなければ、不安や気持ちの揺らぎが落ち着いてきません。それくらい話し合うことは大切なんです。

「話し合いをしなくては!」なんて意気込む必要はありません。1日の終わりに一緒に過ごして、晩酌を楽しんだり話をわかち合ったり、楽しく休みの予定を一緒に考えたりすることからでいいんです。きっと今、心の中にあるモヤモヤが晴れてくると思います。

私は、相談者様ならうまくいくと信じています。

【参考リンク】

・厚生労働省:平成23年度全国母子世帯等調査結果報告

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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