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本命の彼女がいるにもかかわらず私のことを口説く彼のホンネとは?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.8.14
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「AAAさん」のお悩み〜

長く付き合っている彼女と同棲しているにもかかわらず、職場の後輩である私と体の関係を継続させる彼の心理がわかりません。

仕事おわりに食事に行き、キスや触れ合いはありながらも体を繋げることはなく、帰りは車で送ってもらうことが4回。そして5回目の食事のときに、体の関係を持ってしまいました。

彼女がいるからと断っていたものの私は彼が好きだったので、一度だけならと流されてしまいました。正直、彼も一度したら興味を失うと思ったのですが、その日以来、ふたりになるとキスしてきたり抱きしめてきたり、職場でも疲れたと言って抱きついてくるようになりました。

それからしばらく関係を続けてきましたが、彼のことを好きな私としては、もうこれ以上は続けられないと思い「本当に好きだから、もうしない。以前しなかったことはこれからはしないし、他の人を基準にした態度をとる」と伝えました。

彼は「それはいきなりすぎる。ひとりで考えるのはやめよ。どうするか一緒に考えよ」「イヤ、絶対にイヤ。無理、イヤ。ちょっと待って。徐々に、徐々にしよ。一旦、考えよ。今日はとりあえずやめよ、俺もちょっといろいろ考えるから」など、更には「私とするようになってから私としかしていない」と言って、承諾しませんでした。

ただ、それを伝えた翌日は触りたそうな素振りは見せながらも以前までのようには触れてこずに「手のツボ押して」と手を差し出してきたり、車で送ってもらった際に私が寝ていたら(少し意識はありました)そろっと手を握ってきたりする程度になりました。

体だけの関係だとわかってはいるのですが、私が他の男性と食事に行っていると知ると「一緒に飲んだ?何時に帰った?泊まった?いつ遊ぶか決まった?写真見せて」と気にしているような質問をしてきたり、そのわりに「付き合った?あと3回くらい会ったら告白されると思う。話を聞く限りいい人そうやしいいやん」などと応援するようなことを言ってきたり。

仕事から帰るときには「今日は何すんの?」早く帰ろうとすると「どこか行くの?」休みの前日には「明日は何すんの?」などと聞いてきて、私がどこに行くか隠すと食い下がり、最終的には拗ねたような態度をとります。また、自分から休日の過ごし方を細かく伝えてきたり。

思わせぶりな言動をとられるせいで、終わりにしたい気持ちと、このままでいたいと思う気持ちで揺れ動いている自分がいます。

彼女と別れる素振りも見せないくせに、こういった言動をとる彼の心理を男性目線で聞かせてほしいです。彼が彼女と別れる可能性が少しもないのなら、終わりにしたいと思います。

長文で失礼しました。

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

読んでいて楽しい相談メールと、そうじゃないのとがあるんですが、この相談メールはリアルに書かれているという意味で、読んでいて非常に楽しかったです。とくに彼のセリフである「それはいきなりすぎる。ひとりで考えるのはやめよ。うんぬん」のあたりは、もう超リアルで登場人物が僕の心の中で生き生きとしていました。

というのも、僕にはこの彼と似たような経験をしたことがあるからです。男って、いわゆる本命の彼女がいても、ほかの女子のことが好きになったら、本命の彼女がいるにもかかわらず本気になるんですよね。

で、あなたのように、彼女が途中で「もうや~めた。ヤラせてあげない」なんて言おうものなら、必死になって懇願して「それはいきなりすぎる。ひとりで考えるのはやめよ。うんぬん」なんて言い出すのです。そのときの男の気持ちは「土下座してもいい」です。

さて、このような男心を解説しましょう。

彼はなにも「思わせぶりな」態度なんかとっていない

相談メールの最後のほうに「思わせぶりな言動をとられるせいで」とありますが、彼はあなたのことが大好きだから「好き好き、もう1回あの頃のようにふたりでラブラブしようよ」と言っているのです。彼は自分が「思わせぶりな」態度をとっているとはまったく思っていません。「好きだからもう1回エッチしようよ」と言っているだけです。

さて、本命の彼女がいるにもかかわらず、ほかの女性に熱を入れ、その女性がエッチさせてくれたら「ずっと一緒にラブラブしようよ。間違っても途中で気が変わって<もうヤラせてあげないもんね>なんて言わないで!」と思う男心というのは、要するにロマンです。ロマンをもっと限定的に言うなら「中二」です。憧れの人と永遠にラブラブしたい!そうできるはずだ!という、なんの根拠もない夢物語に生きる中二です。彼も、かつての僕も、中二病にかかっている(いた)のです。

男にとっての中二病とは?

中二の頃の男子って、女子を「俺が欲しいものをすべて持っている女神」みたいに神格化して捉えていたりします。ようするに異性に対して憧れているわけです。

だから、あなたからすればなんでもない(毎晩お風呂で見ている)自分のおっぱいとかお尻とかを、ことさらありがたがるのです。ありがたがるだけならまだしも、どうにかして見たい、触りたいと思うのです。

で、ふつうは中二で好きになった女子のおっぱいやお尻を見たり触ったりできないから、昔であれば、なけなしの銭をはたいてエロ本を買うのです。また、恥を忍んで親の身分証を拝借してレンタルビデオ屋の会員カードをつくり、エロビデオを借りまくるのです。憧れの人と生まれたままのかっこうで会いたいという願望を、疑似的にであれ満たしたいがために!今なら無料でネットのエロ動画が見れるので、好きな女子に似ている女子が出ているエロ動画を探して自分でやるのです。

こういった中二病を、ほとんどの男は完治させないままオトナになります。完治させるには、たとえば中二のころ好きだった女子と、中二に戻って付き合って寝る必要がありますが、それは誰にとっても不可能なことです。

だから、多くの男は、憧れを憧れのまま胸に抱き続け、自分が中二病におかされていることを忘れたふりをしてオトナになります。忘れたふりをしてしれっとした顔で就活で面接を受け、忘れたふりをして、まるっとオトナになったつもりで本命の彼女と付き合います。

男における「それとこれは別」という問題

しかし、完治していないその病は、ひょんなことをきっかけに顔をのぞかせます。彼にとっては、それがあなたとの出会いでした。あなたに出会って5回目の食事のあとエッチさせてくれた彼は「やった!これで俺も男になった!」とかなり喜悦したはずです。

本命の彼女とエッチしたときも、彼は同じように喜悦したのかもしれませんが、男にとって、それとこれとはまた別なんです。本命の彼女はあくまでも本命の彼女だし、あなたはあくまでもあなたです。

ここで大切なことは、本命が1番であなたが2番という見方を、彼はしていないということです。自分の中二の頃の憧れを満たしてくれる存在は、どれも1番なのです。あなたも、彼の本命の彼女も、彼にしてみれば「世界にたった1つの花」なのです。世界にたった1つの花が複数あっても、なんら矛盾はないから(当たり前のことだから)、彼は自分のまわりに世界にたった1つの花が2つもあってかなり嬉しいはずです。

というわけで、「彼女と別れる素振りも見せないくせに、こういった言動をとる彼の心理を男性目線で聞かせてほしいです」に対する答えは、彼はあなたのことが好きだから、という答えが1つ。なぜ好きなのかといえば、彼のハートは中学二年生だから、です。また、本命の彼女は本命の彼女、あなたのことはあなたのこと、と彼は考えています。どちらのことも「世界でたったひとつの花」と彼は思っています。遊びでもなんでもなく、彼はあなたのことが心の底から大好きなのです。

男としてあなたに質問があります

さて、僕からあなたに1つ質問をしていいですか?ちょっと相談文から引用しますね。「彼のことを好きな私としては、もうこれ以上は続けられないと思い『本当に好きだから、もうしない。以前しなかったことはこれからはしないし、他の人を基準にした態度をとる』と伝えました」

ここですが、なぜ本当に好き「だから」もうエッチしないと言うのですか?好きならヤラせてよ、と男は思います。彼も絶対そう思っているはずです。男は、好きならヤろうよ、です。

それに、なぜ急にそんなことを言うのですか?あなたにしてみれば、自分なりによくよく考えた末に言ったと思うんですが、でも男は「急すぎる」と思うのです。だって、昨日までずっとラブラブだったし、エッチもしていたわけでしょう?昨日までヤラせてくれたのに、なぜ今日になるとヤラせてくれないの?と彼は思っているはずです。

多くの男がマジで理解できないのは、女子のこういうところなんです。「昨日まで胸を触らせてくれたじゃない、それなのに今日になると、触ったらなぜ怒るの?」というような歌詞が、桑田佳祐さんの歌にありますが(たぶん『本当は怖い愛とロマンス』という歌だったと思います)、男って、ホントそういうふうに考える生き物なんです。

彼はロマンあふれるいい男です。あなたは男と付き合うのなら、いわゆるセカンドではイヤだと思うかもしれない。でも、彼の考えの中にはファーストもセカンドもないのです。彼がやっているのは野球じゃなくて恋愛なのだから、俺が好きになった女子はみなファースト。これが頭の中が中二の彼のホンネです。

彼が彼女と別れる可能性が少しもないとしても、終わりにしないでください、というのが、男としての僕からのお願いです(が、あなたも頭がよくて気が強いところがあるから、まあ、終わりにすると思うけど)。

……という解説でしたが、納得していただけましたでしょうか?

(ひとみしょう/作家)

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