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【医師監修】熱性けいれん「パニックになる前に」正しい対処法2つ<パパ小児科医の子ども健康事典 第23話>

  • 2019.8.3
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子どもに多い病気として熱性けいれんがあり、100人中約8人くらいの頻度で起こります。眼の前で子どもが白目を向いてガクガクとしだしたら、びっくりしてパニックになってしまうでしょう。

そういった時、親はどのようにすればよいでしょうか?

■熱性けいれん「どうする?」正しい対処法

まず、熱性けいれんは5歳以下の乳幼児によく起こります。

38℃以上に発熱して、最初の数時間でけいれんすることが多く、突然白目を向いて体が突っ張ったり、手足がガクガク震えたりします。多くは数分程度でおさまりますが、それ以上に長く続くこともあります。

一般的に、けいれんの時は以下のように対応するよう指導されます。

「熱性けいれんを起こしたら、子どもを横に向けて誤えんを防ぎ、けいれんが何分続くか、左右対称かどうかを確認します。けいれんが5分以上続く場合は救急車を呼びましょう」

これはこれで正しい対応ですが、はじめてけいれんを見た人にとってはハードルが高いかもしれません。

そこで、まずは「子どもを横に向けて誤えんを防ぐ」。これができればOKです。もし、ソファの上やお風呂場などでけいれんを起こした場合などは、安全な場所に移動させましょう。

けいれんが起こった時点では何分続くかわかりませんし、様子を観察するのは何度か子どものけいれんを見たことがある人ではないとなかなか難しいものです。

救急車をよんでも構いませんし、もし小児科が近ければそのまま受診しましょう。

けいれんというと、舌をかまないようにと口にタオルを入れたり、割り箸をはさんだりすると覚えている人がいるかもしれませんが、これは避けたほうがいい行動です。

なぜなら口の中にものを入れますと、のどが刺激されておう吐、窒息してしまうおそれがあります。もし、舌をかんだとしても、その出血がもとで窒息することはありません。口の中には何も入れないと覚えておいてください。

■けいれんを繰り返す「複雑型熱性けいれん」

一般的な対応として、けいれんの時間をはかる、左右対称かどうかを見ることをご紹介しました。

なぜ、その対応が必要なのでしょうか。これは診断にとても重要だからです。

熱性けいれんは、以下の2種類に分類されます。

1.単純型熱性けいれん

2.複雑型熱性けいれん

単純型熱性けいれんは、けいれんが左右対称で、その時間が15分以内におさまり、24時間以内に反復しないことが条件です。

これにあてはまらないものは複雑型熱性けいれんにあたり、けいれんが反復します。そのため、反復しやすさなどを予測するために、左右対称かどうかと持続時間の確認が必要なのです。

両親いずれかの熱性けいれん家族歴、または1歳未満の発症の場合は再発率が50%ですので、これらに該当する場合は再発に注意を払ったほうがいいでしょう(日本小児神経学会「熱性けいれん診療ガイドライン2015」)。

ただし、熱性けいれん全体の再発率は約30%ほどですので、再発しないことのほうが多いです。

熱を下げたらけいれんしなくなるのでは? と考えるかもしれませんが、解熱剤で熱を下げてもけいれんの発症リスクを下げることはできません。

とはいえ、解熱剤でけいれんが起こりやすくなることもないので、高熱でつらそうな時は解熱剤を使っても構いません。





■「抗けいれん薬が効かない」熱性けいれん以外の可能性



診断が熱性けいれんであれば、後遺症を残すことはほとんどないものです。

けいれんをしている最中、有効な呼吸はできていないので脳は酸素不足になりますが、数分であれば脳への影響はないでしょう。

数分の熱性けいれんは自然に止まりますが、けいれんが5分以上になれば、自然に改善する可能性は低く抗けいれん薬の投与が必要になります(救急受診の目安が5分と指導されているのもそのためです)。

けいれんを起こした時点では何分続くかわかりませんし、初めての時は熱性けいれんかどうかもまだわからないでしょう。診察を受けて、全体をふりかえった結果、診断されます。

例えばインフルエンザにかかっている場合、インフルエンザ脳症ということもあるかもしれません。けいれんを起こしたら原則、受診してほしいと思います。

ひとつ、小児に多いけいれんで、熱性けいれん以外のものを紹介しておきましょう。

これはノロやロタウイルスなど胃腸炎にかかったときに起こす軽症胃腸炎関連けいれんです。発熱はなくてもけいれんを起こすもので、数分間の短いけいれんがあり、短時間のうちに反復します。

抗けいれん薬を使うと改善しますが、熱性けいれんとは治療薬が異なるため区別が大切です。熱性けいれんの治療をしても改善しないため、けいれんの時は下痢やおう吐があるかという情報も大事になります。

初めてけいれんをしている我が子を見たら、気が動転するのは当然です。救急車の中で涙を流しているお母さんもしばしばいらっしゃいます。

正直言って、私も医者になって初めてけいれんを見た時は焦りました。何度か経験しないと冷静になることは難しいでしょう。突然やってくるその時に備えて、やるべきことを決めておくことが大切です。

まずは、誤えんしないように子どもを横向きに寝かせる、救急車を呼ぶ(小児科を受診する)の2つができれば大丈夫です。


(パパ小児科医)

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