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【女子のばんそうこう】色恋ブーメランは鋭く確実に返ってくるというお話。

  • 2019.7.12

遥か昔の話の懺悔になってしまうけど、20代の一時期、私は遊んでいた。
長く付き合っている彼がいるにも関わらず、色んな男とこっそり浮気をしていたわけだけど、そのすべてが彼女や奥さんなど、「既に相手のいる男」だった。
もちろんその人たちのことは男性として好ましいと思っていたけど、独り占めしたいとは思っていなかった。時々会って遊んだりお酒飲んだり(もちろん身体の関係がメイン)するだけで、向こうがさらに関係を一歩進めようとした場合には重たくてぶった切った。
その頃の私は、それが「女としてのハク」だと勘違いしていた。求められなくなることを極端に恐れる人間だったので、男性からのアプローチはとても直截的な「求められている証」だったし、それを集めるのは勲章を増やしていくような気分昂ぶりがあった。相手がいる男なら「別の女と誠実な関係を誓っている男を(つかの間)ぶん取る」ということになるので優越感この上なく、自分の女としての価値がぐいぐい上がっているような気がしていた。「この人の彼女(奥さん)、かわいそうに…きっとあなたの前ではこんなふうな顔を彼は見せないでしょう。私だからこうなってんのよ彼は」
ああ、いま当時の自分が目の前にいたらバールのようなもので後頭部をぶん殴ってテトラポット密集地帯のど真ん中に投げ込みたい。

そんな、世界は己を中心に回ってるクソバカ時期を過ぎて何年も経った頃、すっかり落ち着いた私は結婚の約束をした同棲中の彼(クソバカ期とは別の彼)に唐突に出ていかれることになる。彼は2人の間の問題を理由にして別れようとしていたけど、問題はそれだけじゃなく、結局別に好きな女がいたのであった。
呆然とした。あまりに酷いと思った。彼自身と、知らぬ間に彼を横取りした相手の女を、激しく憎んだ。
無駄に広くなった部屋で泣き続ける中、素性が一切分からない相手の女の顔が、あの時の自分の顔になった。そして気づいたのだ。

「うわ…あの時の悪行のツケ、今ごろ返ってきた…」

人の彼氏や夫をつまみ食いして勝ち誇ってた泥棒猫は、よりによって結婚を約束した相手との未来の途中で、そのツケをキッチリ払うはめになったのである。

その時から私は「ブーメランの法則」を胸に刻むことになる。自分が恋人を裏切ったならば、いつか恋人に裏切られる…と。

やっと己の失恋の痛手が癒えた頃だろうか。さんざん悪さをしてきた男友達が皆、同じセリフを吐く時期があった。リアルタイムで落ち込んでいたり、過去の自分を振り返っての発言だったりしたけど、あまりに立て続けなので「これって何かのキャンペーン…?」と思うくらいだった。それがこの言葉だ。

「自分のしたことが全部返ってきた」

どっかで聞いたことあるーーーーー!
彼らの言う「したこと」は、女性に対してのおのれの不誠実。「返ってきた」ものとは、同じ女性からだったり全く違う女性からだったり、はたまた女と全く関係ないことだったり色々だった。ひとりの友達はこう言った。

「いまは昔みたいに遊ぶ気ないよ。理由は面倒くさくなったとか色々あるけど、そういうことしてると、返ってくるんだよね。オネーちゃん関係で返ってくるんじゃなくて、仕事で返ってきたりするんだよね…それが」

うおお…と私は唸った。
私自身はモテ女でも何でもなくただのにわかヤリマンだったゆえに悪事がきっちり返ってきたけど、百戦錬磨のモテ男たちはブーメランの法則などに絡め取られることなく、うまいこと生きていけるはずだと思ってたのだ。でもどうやら違ってたらしい。そして「色恋の罰は色恋で返ってくる」とは限らないことが分かり、因果応報コワイ…とぶるぶる震えた。

別に道徳的なことを説く気は全くない。色恋なんていつだって道理の外にはみ出ちゃうし、若気の至り的なこともたくさんあるだろう。だから「いつでも誠実であれ」なんて、(特に私には)言えない。
でも、誰かの気持ちを無視したり軽んじたり、嘘をつき続けたりして、それを「チョイ悪な自分…でもしょーがねーな♪」みたいに思ってたりすると、そのひずみは必ずどこかでテメー自身が埋め合わせする羽目になるんだな…と思うのだ。「したこと返却システム」は、男女の区別なく、何年後であっても、わりときちんと発動される。あの時の誰かのかなしみを、いまの自分が体感するようなシステム。

うまいこと埋めたはずのそれは、忘れた頃に土から蘇って自分に牙をむいてくる。だから「罪なワタシ(オレ)」を気取るならそれを覚悟の上でやろうぜ、ということなんだろう。

今日のおたより

★「他者からもらうご褒美は、意外と日持ちがしない。」女子という年齢ではありませんが笑、非常に興味深く読ませていただきました。タイトルから記事の内容まで、本当にその通りだと思います。心の中でモヤモヤしていたものを言葉にしてくださりありがとうございました。(ココナツ 40歳)

◎ココナツさんお便りありがとうございます!こちらこそうれしい言葉をありがとうございます…うう。お互い自分で自分に褒美をふんだんにあげられるようにいきたいですよね。ちなみに私は「女子」という言葉を多分に同志的な意味で使っているので、いわゆる「女の子」とは違うから全年齢オッケーでございますよー!

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