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好きな人がふたりいます。私はどうすればいいのでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.7.10
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「ぬんさん 21歳」のお悩み〜

好きな人が2人います。

彼氏がいるのですが、好きな人(Aとします)は、小学校から高校までおなじで、卒業してからあるきっかけで遊ぶようになりました。そしてAのことが好きになりましたが、友達としか思われてないのが分かっていたので諦めました。

しばらくして今の彼氏(B)とお付き合いしました。すごく良い人で、私のこともずっとすごく好きでいてくれます。

しかし1度、彼氏への不満(え?と思うところが多い)と、Aへの思いが再燃して、別れようかと距離を置いた時期もありましたが、彼氏の大切さが身にしみて元に戻りました。

そして最近になってAの様子が変わってきて、よく一緒に帰りますが都合が合わなかった時「うわーまじか、すごく一緒に帰りたい気分だった」とか、「めっちゃ可愛い」とか、帰ってる時に手を触ってきたりだとか、映画の約束をしたら、「恋愛映画照れる」とか言ってくるようになりました。(Aはわたしのことが)好きなのかな? と思いました。

Aは、彼氏(B)にはないスマートさがあり、遊ぶと楽しく、自分自身も「あれ? Aのこと好きなのかな?」と思いました。

Aはそのうち1年留学で海外に行きます。もし付き合ったら1年も耐えられるかと思いますし、そんなことで2人を天秤にかけている自分が最低で嫌になります。また、最低なことを言いますが、2人とも好きです。どうしたらいいか分かりません。

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

人生ってホントうまくいかなくてイヤになりますよね。A君と付き合いたいと思えば、A君は海外に行ってしまうし、かといってBと付き合い続けるにはあなたはA君のことが好きすぎるし……同情しますよ、ホント。

まずは現実的な解決策をご紹介

こう書くと怒る人がいるのは承知だけど、AとBの両方と同時に付き合えばいいんじゃないのかなと思います。

なぜなら、相談メールを読むにつけ、ぬんさんがBと別れるべき理由は特にないからです。Aのことを好きになった時点でBと別れるべき、と主張する、倫理観のきわめて強い人がいるのは知っていますが、でもそれは他人の倫理であって、AもBも好きなものは好きだという、およそ倫理を超えている現実には通用しない話でしょう(倫理は愛の前で机上の空論と化すでしょう)。

それに、これはぬんさんがどう感じているのか知りませんが、仮にAとだけ付き合った場合、日常的にセックスをどうするのかという問題がたちまち出てきますね。遠距離恋愛ができない人とか、相手が海外留学しちゃう人の中には、非常に健全な心身の持ち主がいて、日常的にセックスできる前提で彼氏をつくるらしいんですね。Aが海外留学している1年間は、Bとうまくやる――こういう「現実的な」解決策があってもいいように思います。

「胃袋の強さ・弱さ」から自動的に答えが出てきます

と、のっけから下世話なことを書きましたが、ハイブローな(?)話をするなら、いずれ、ぬんさんが自分の気持ちに嘘をつけなくなる時が訪れ、その時に答えが自動的に出てきます。だから、この問題は放置しておくといいです、というのが答えです。AもBも好きな自分を、おそらくはぬんさんは「善くない」と思っていますね。

つまり、もしもふたりともを愛してしまったら、自分で自分の非倫理的態度がイヤになるはずなんです。あなたは善くないことができない、いわば「胃袋が弱い」人なのです。そういう人は、どこかのタイミングで「弱い胃袋を守る」選択をするので、だから、時間が経てば自分の気持ちにしっくりくる答えが自動的に出てくるのです。

放置している間、ぬんさんがBに内緒でAとエッチすることがあるかもしれないですよね。でもそれはそれでいいと思うんです(話がまた下世話な方に戻ったけど)。だって、AもBも好きなんですよね? 好きで「したい」のなら、ヤッテ、そのあと、自分の心の中に罪悪感が芽生えるのか、はたまた隠れてセックスする醍醐味を知った女として生きていくのか、自分の心の動きを、自分でちゃんと見つめ、知るべきだと僕は思います。というのは、若い人の恋愛って、そういうものだと僕が思っているからです。

若い人の中で、わりと美人で(自分で自分のことを美人と思わなくとも、男から見たら美人という女子っていっぱいいます)、わりと知的で、わりと好奇心旺盛な人の中には、いろんな人を好きになる人がいます。そういう女子は、誰がどのような忠告をしようと、自分の好奇心を満たすためにいろんなことをします。

たとえば、付き合っている彼氏に絶対にバレないように、ほかの男とエッチします。あるいは、彼氏に絶対にバレないように「2番目に好きな彼」と仲良くします。こういうのって、もう、誰もその女子のことをつなぎとめておくことができないんですよね。

わりと美人で、わりと知的で、わりと好奇心旺盛な女子は、天下無敵! としか言えないし、無敵な人にはどのような助言も効かない! だから、AとBを天秤にかけて、自分が思うようにおやりなさい、というのが僕の答えです。

この答えに、もしもぬんさんが満足しないのであれば、Bと別れてAの帰国を待ちなさい、というのが答えです。が、でも、Aが留学している間、あなたはきっとBと会ってエッチするでしょう。Bと別れないといけない理由など、どこにもないのだから。

ということは、AとBを天秤にかけて、自分が思うようにおやりなさい、という答えしかないですね。

敗者がより納得できる形をとるべきです。それが気づかいだから。

若さとは残酷さのことです。AかBを(あるいはその両方を)傷つけることになるとわかっていても、結局は自分が生きたいようにしか生きることができないという事実を、あなたの若い心は、無防備なあなたにいやおうなしに見せつけています。

そのとき、あなたにできることは、AにもBにも誠意を尽くすことです。言葉を尽くすことです。

今のところ、この恋の決定権は、あなたが握っています(この相談メールは、そのように読めます)。あなたがAとBのどちらと付き合うのかを決める、つまり、あなたが恋の勝者と敗者を決めなくてはならない。残酷な話だけど、これが今あなたが直面している課題でしょう。

僕は正直、AとBのどちらが敗者でもかまわないと思っています。先に書いたように、人は結局のところ、自分が生きたいようにしか生きることができないのだから。

でも、「敗者がより納得できる形」をとる「義務」があなたにはあります。だから、AにもBにも誠意を、言葉を、尽くしなさい。

若さがもつ残酷さって、究極的には、愛に破れた人の気持ちを理解する心を育むためにあるのだと僕は考えています。

お互いがんばって生きていきましょう。

(ひとみしょう/作家)

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