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お花見シーズン到来! 思わず誰かに言いたくなる「桜」の豆知識

  • 2015.3.24
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【ママからのご相談】

毎年、子どもたちとお花見をしているとまだ散るには早い桜の花がまるごと落ちています。なぜでしょうか? 鳥の姿が見えますが関係していますか?

●A. さくらの花の蜜を吸う小鳥が来ているからです。

ご相談ありがとうございます。ママライターのSARASAです。

毎年、春はきれいなさくらが咲き、一目見ようと多くの人が外に出てきます。しかし満開のさくらの下には、散るにはまだ早い、かなりの数の花が萼(がく)ごとポトリ……。

その無念そうな姿を見ると、「誰かが木を揺らして遊んだんじゃないか」なんて思ってしまいますが、犯人は相談者様のおっしゃる通り、鳥が関係しています。街中でも良く見かける、小さくてかわいい知恵者です。

●さくらの花をまるごと落とす犯人

実はこれ、スズメのしわざです。スズメは舌が短いため、桜の蜜を吸うために、萼筒(がくとう)で花を切り、蜜を吸っては捨てるを繰り返しているのです。私たちが子どもの頃につつじの花をちぎって、蜜を吸っていたのと同じ要領です。

さくらの花には、他にもヒヨドリ(全長27.5cm。全体が灰色に見える色彩の鳥)や、メジロ(全長11.5cm、目のまわりに白いフチドリ。からだはあざやかな黄緑色)コゲラ(全長15cm。背はこげ茶色に白い点模様)も飛来します。ヒヨドリやメジロは、餌が不足した冬季から、早春にかけ桜や椿、梅にやって来て花の蜜を吸います。こちらはスズメと違い、どちらも舌の先端がブラシ状になっており蜜を吸うのに適しています。また、これらの鳥は花粉媒介者にもなっているのです。

メジロは、その黄緑色の姿からウグイスと間違えられることがあります。実際ウグイスは暗緑茶色。“うぐいす餅”のような小鳥はメジロです。さくらの他に梅の蜜を飲んでいることも多く見られます。

綺麗なまま落ちている花は、針と糸を持って行き、花をつないで、腕輪やネックレスに。いくつか持ち帰って押し花にしても楽しめますよ。

●さくらに込められた思い

桜の語源は諸説いろいろありますが、さくらの“さ”はサガミ(田の神様)のサで穀霊の意があり、“くら”は神様の憑りつくところの意であるクラ(座)。ゆえに、サクラは穀霊のよりつく神座の意とあります。山桜が咲く頃、田の仕事を始める、さくらの咲き具合で収穫の吉凶を占ったなど日本人には切っても切れない関係にあります。

生死、命を桜に例えることも。さくらを“櫻”と書くときがあります。ところが、“櫻”の字は中国では“ユスラウメ(バラ科の落葉高木)”のことです。

生まれたの子ども、3歳ぐらいまでの幼児のことを“嬰児(みどりご)”と書く日本。生まれたばかりの子どもは、新芽や若木のように生命力に満ちあれています。この文字を“櫻”に当てたのは、一体……悠久の時を経た美しいロマンかもしれません。

春、新しい季節の始まりです。桜の花言葉は精神美。新学期からもキリッと引き締めていきたいものです。

【参考文献】

・『桜と日本人ノート』安藤潔・著

●ライター/*SARASA*(ママライター)

母方、父方とも子沢山の家系に恵まれ、現在4児の母。魚類、両生類中心飼のアクアリスト。猫の額ほどの敷地でプランター菜園を勤しむ。趣味は俳句。フリーライター/占い師としても活動中。

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