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DIOR 女性のボディにフォーカスした幻想的なショーに。

  • 2019.7.4
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DIOR 女性のボディにフォーカスした幻想的なショーに。
2019.07.03 10:00
ディオール(DIOR)を皮切りに開幕した2019-20年秋冬オートクチュールコレクション。フェミニストのマリア・グラツィア・キウリは、今回女性の身体に着目。ストッキングとシューズが融合した足もとにも注目して。

【全66カット】ディオール 2019-20年秋冬オートクチュールコレクションをすべて見る。


今回ショー会場に選ばれたのはメゾン創業の地であり、クリスチャン・ディオール(DIOR)にもゆかりのあるモンテーニュ通り30番地。建物内では大木がゲストを迎え、女性の身体を表現した詩的な彫像に囲まれた非現実的な空間が完成していた。これは女性アーティストのペニー・スリンガーによるもの。さらに、シュールな建物内とは相反した生命力が溢れるガーデンも見事だ。


カリアティード(女像柱)に着想を得たマリア・グラツィア・キウリ。女性の身体を表現した彫像は流れる服を纏っている。オープニングを飾ったルース・ベルは古代ローマの衣服をイメージさせるホワイトのロングドレスにカジュアルなサンダルで登場した。フロントには「are clothes modern?(服はモダンか?)」という、建築家バーナード・ルドフスキーがキュレーションした1944年の展覧会のタイトルが刺繍されていて、今回のテーマを象徴しているようだ。


その後、次々と登場したのはオールブラックのクラシカルなフォーマルウェア。カクテルドレスやテイラードはメゾンが生んだ伝統的なシルエットを採用しているが、どれもモダンでエフォートレス。ふわりとボリュームをもたせたカクテルドレスや構築的なワンピースにはネットのトップを加えたり、メッシュ素材をレイヤードしている。ネットのストッキングも、異なる目の荒さをミックスしていたり、フェザーを加えたり。なかにはシューズと一体化したデザインもあった。


今回ドレープに着目したキウリは、大胆な生地使いのカフタン、シルクベルベットのエレガントなペプロをはじめ、さまざまなドレスにドレープを加え、シェイプをアレンジしていった。フェミニストでありモダニティを追求する彼女ならではの視点で、身体、衣服、ライフスタイルという概念に問いかける奥深いショーだった。


ラストを飾ったモナ・トゥーガードはディオール本社を服に見立てたルックで闊歩しゲストの視線を集めた。

Photos: Gorunway Text: Aya Tsuchii

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