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中尾明慶【怒りの伝え方問題】僕が変われた理由。男性は言われないと一生気づかない?(第13回)

  • 2019.6.30
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妻とぶつかっていたのは完全に僕のせい

皆さんこんにちは!

僕はときどきバラエティ番組にも出演させていただくのですが、わりとサービス精神の強い性格でして。つい皆さんに楽しんでもらいたくて夫婦のことをオーバーに話してしまうところがあります。よくそういうことがネットニュースに載りますが、0を1にすることはなくても、テレビなので、多少おもしろおかしく話すのはなんというか、昔からの性なんです(笑)。最近では僕のそういうところを理解してくれているので、特にそれで怒られるということはなくなりました。

とはいえ、ここでもたくさんお話させて頂いているように、夫婦喧嘩がないわけでは全くありません。たとえば家に帰ってきたとき、今日はあんまり機嫌がよくないかなみたいなときは誰にでもありますよね。そんなとき僕は、ちゃんと汲み取って対応する力量がないようで、ぶつかることもしばしばです。

なぜかというと、多分そういうときの妻って忙しくて疲れているんだと思うのです。それなのに僕は手伝うこともせず、ボケーッとお菓子を食べ始めたりする。そうすると妻から「ねえねえ、ちょっとは手伝おうとか思わないの?」となるわけです。

ですから振り返ってみると、妻から怒られるときは僕がサボっている&気づいていないから、というのが大前提にあると思っていて、それに対しても僕が調子がいい場合だと、上手に返せるのですが、僕自身も撮影が重なっていたり、朝が早かったりすると、それにかみついてしまうことがあるんです。わかっていてもそれをやってしまう。精神的にはまだまだ子供と変わらないんだなと反省します。

でもリアルなテンションで言うと、全然本気ではありません。腹が立ちすぎて言葉が出ただけで、誰が見ても「いや、今だけでしょ」というもの。本気で「別れましょう」という話し合いになったことは、付き合っているときも、結婚してからも、一度もないんです。

男性は言われないと一生気づかない

また、以前にもお話しましたが、僕は妻が妊娠中でいろいろ不安を抱えていた時期も、そのことに気づかず「じゃ!」と平気で遊びに行っていました。息子が0歳1歳の頃も、ちょっと大変になるとすぐ妻に押しつけようとするところもありました。

まわりの男友達を見ていても、女性ってそういう男性の態度を優しく受け入れてあげていることが多い気がします。

でも我が身を振り返ってあえてお伝えしますと、女性が受け入れすぎてしまったら、多分男性はずっと気がつかないままです。そこはもう、子供を叱るつもりというか、子供を一人育てるつもりで言わないと、ずっと治らないかもしれません。

それも1回や2回じゃ男性は分からないので、言い続けることが必要です。そうすると、ようやくある瞬間、ふと気づくと思うんです。
(はい、本当に都合のいいことばかり言って申し訳ございません……)

息子が赤ちゃんの頃、妻は子育てのほとんどをやってくれていて、今考えると本当に負担をかけすぎていたなと思います。逆にいうと、僕がそういうことに積極的でないことに対して、すごく我慢してたと思うんです。

ただ、それをずっと我慢し続けてしまって、妻がいつまでも「いいよいいよ、無理しなくて。私がやるから」と僕に言っていたら、今も多分、僕は父親の自覚がないままだったと思います。でも妻は、あるときを境に僕のことを否定はしないけれど、言うべきことはきちんと言ってくれていました。

おかげで今では、休みの日だけで言うと、息子と一緒にいる時間は僕のほうが多いんじゃないかと感じているくらいです。それは子育てを手伝ってあげているということではなく、意外と携わってみたらすごく面白いことがたくさんで、僕の子育てに関しての向き合い方がだいぶ変わってきたということも大きく関係していると思いますが。

そうやって妻に、夫として、父としてのドアを一つずつ開けてもらっている気がします。

作ってくれた料理を黙って食べていたら……

もう一つ僕にとって、「妻が言うべきことを言ってくれる人で本当に良かった」と感謝している出来事があります。

今の僕は、妻の作ってくれた食事に関して必ず感想を言うようにしています。感想といっても、僕の好みを理解してくれているのか、口に合わないということはまずないので、「いや〜、今日も美味しいなあ」ということばかり言っている感じなのですが。

でも実は結婚してすぐの頃、この料理に対する感想に関して、妻に激怒されたことがあるんです。

ある晩、妻がカレーを作って出してくれたのですが、僕はそれを、ケータイをいじりながら何も言わずに食べていたんです。そうしたら、妻は、僕のその態度を「あり得ない!」と思ってカレーを取り上げたんです。そしてその日は、どんなに謝ってももう食べさせてくれませんでした。

そこで僕は、ハッと我に返って深く反省しました。

もちろんカレーはとても美味しかったんです。でもそれをきちんと言葉にして伝えなかったから、妻は寂しかったのでしょうね。それ以来、必ず言葉にして感想を伝えるようになりました。

考えてみたら、当然ですよね。飲食店に行ったら、お店の人に必ず「ごちそうさまでした」とか「美味しかったです」とか言っているのに。一番身近な妻に対してその態度は失礼だと、今ならわかります。それって作ってくれた人に対する最低限のマナーですから、そんな当たり前のことも僕はいつの間にか忘れていたんです。

男性も、妻や彼女に我慢はしてほしくない

その時に、本当に妻の思っていることを僕にぶつけてくれたからこそ、僕の心にも届いたと思うんです。しかもそのカレーって、僕が辛いカレーは苦手だとかああだこうだ言っていたので、本格的にルーから作って、僕の好みに合わせてくれたものだったんです。

さらに僕は、「付け合わせにこんなサラダが欲しい」という注文までつけていました。妻は僕のうるさい要求を聞いて一生懸命作ってくれたのに、それをケータイをいじりながらひと言も発さずに食べたわけですから、それは食べる資格なんてないですよね。

この後僕は、「そういえば母親にもちゃんと感想や感謝を伝えていなかったなあ」と反省しました。小さい頃は「美味しー!」とか言っていたのに、だんだんとご飯が出てくることを当たり前に思うようになって、当たり前のように黙って食べていた。

このとき妻がきちんと言ってくれたことで、本当に学ばされました。

男性だって本音は、妻や彼女に辛い気持ちや寂しい気持ちを我慢してほしくないと思っています。そういう小さい我慢が大きなことに繋がっていくという話は僕もたくさん聞きます。

だから皆さんも、男性が自分勝手な行動をとったり、感謝の言葉を伝えなかったりしたら、我慢しすぎずにときには?ったり怒ったりしてみてください。エネルギーはいるけれど、きっと気づいた彼はそのときは、多少気まずい雰囲気になったとしても、後々、感謝すると思います。

僕の妻は、今も多少は我慢していると思うのですが、昔に比べたら、そんなには我慢していないはず……と思いたいです!

中尾流ハッピールール
 (504403)
-PROFILE-【中尾 明慶(なかお・あきよし)】 ...

取材・文/山本奈緒子

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