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エッチがメインの関係…これってセフレ?本命になれる可能性は?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.6.25
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「なちさん 27歳」のお悩み〜

男性って付き合ってなくても性欲が満たされれば満足なんでしょうか?

ある時期から仕事や研修で2人になる機会が増えた先輩がいます。最初の何回かは、私もやんわり拒否していたので胸を触る、や、ほっぺにキス程度でしたが、何度か会ったのち、今まで相手に対して気持ちが曖昧だったのに、いつのまにか先輩を好きになってしまっていて、体の関係を許してしまいました。

その後、何ヶ月か後に告白して気持ちを伝えましたが「今は誰とも付き合う気はない」とか「俺よりもっと良いやつがいる」と言って遠回しに断られてしまいました。

でも職場で会うためなかなか諦めきれず、クリスマスやバレンタインも一緒に過ごしています。そのたびにやっぱり関係を持ってしまいます。

最中も気遣ってくれたり、朝までずっと抱きしめて眠ったり、生理の時はキスとハグだけでずっと過ごしたり……性欲のためだけなら優しくしないでほしいのに、色々な行動に期待してしまいます。

私自身、恋愛も久しぶりで、そういう男女の経験も少ないので、勘違いしてるだけなのかなと思ったりもします。

脈なしだと割り切って、さっさと次に向いた方が良いのでしょうか?

彼はやっぱり私のことをセフレと思っているだけなのでしょうか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

ウソを書くのは僕のポリシーに反するので、正直に告白しましょう。相談メールを読んだ直後の僕の感想は「この彼、ええなあ」でした。だって、会社でお気に入りの女子の胸を触ったりキスしたりして、最終的にヤレたわけだから、うらやましくないはずがない。

という話はさておき、さて、ご質問にお答えしましょう。

セフレとは

これ、男女逆パターンも存在しますよね。つまり、女子が男子にちょっかいを出して、やがて彼が「この子、俺のこと好きなのかな」と思って、あれこれあった後にエッチして、何回かエッチした後に、「俺、君のことが好きだから付き合ってよ」と言うと、「え?わたし今、誰かと付き合いたいとか、そういうのないから。あなたには他にもっといい人がいるって!」なんて言われて!でも彼は彼女のことをあきらめきれず、ことあるたびにエッチに誘って、彼女は彼の申し出を受け入れてくれてエッチするものの、やっぱり付き合えない、みたいな関係って、よくありますよね。

そういうのを、今の時代は、単純にセフレと呼んだりしているみたいだけど、でもそれは間違いというものです。

セフレとは、本来、嫉妬も独占欲もなく、シンプルにエッチを楽しむ相手のことをいいます。今の多くの人は、相手に嫉妬したり独占欲を持ったりしながらセックスしてるでしょ?それ、一番事故る確率が高い「よくないセックス」なんだけど、そういう「ちゃんとしたこと」を言うオトナが減りましたね。セフレに関して「ちゃんとしたこと」を述べる「ちゃんとしたオトナ」という言い方も、なんか変だけど、でも昔はきれいに遊ぶオトナがちゃんといたのです。

脈なしだけど、セフレではない

<脈なしだと割り切って、さっさと次に向いた方が良いのでしょうか?>という問いの答えは、YESです。<彼にとってはやっぱりわたしのことをセフレと思っているだけなのでしょうか?>という問いの答えはNOです。

まず最初の問いから見ていきましょう。彼はきっと脈なしです。彼が言う「今は誰とも付き合う気はない」は、ホントにそのまま文字通りの意味だと僕は感じます。「俺よりもっと良いやつがいる」という彼の言葉も、そのまま文字通りのことだと僕には聞こえます。だから脈なしでしょう。

2つ目の問いについて。彼はなちさんのことをセフレとは思っていないでしょうね。ではなんと思っているのかといえば、「かわいい女子」であり「ヤラせてくれてありがとう」と思っているのであり、「ヤラせてくれたなちさんの幸せを祈る」と思っています。

通常、男で「この子は1発ヤッて捨てればいいや」と思っている人っていないから。好きだからヤル。かわいいからヤル。でも、ヤルのとちゃんと付き合うのは、世間的に見ても「また別の話」でしょ?と、彼は思っています。

彼はなちさんに「ヤラせてくれてありがとう」と思っています。「俺を男にしてくれてありがとう」と思っています。でも「ちゃんと付き合えないです」と思っています。「俺となちさんとは、別の人間を歩く別の人間だから、俺が付き合えないという結論を出すのは、<どうしようもないこと>なのだ」と思っています。でも、彼にとってなちさんは、かわいくて、自分のことを温かく、また、やわらかく迎え入れてくれた女性なのだから、彼はなちさんの成功と幸せを祈っています。

うまく遊べる人と、不器用にしか遊べない人の感覚の違い

と、ここまで読んで、怒る女性はきっと怒ると思います。男の中にだって、怒る人がいると思います。好きでかわいくて、ヤラせてくれた相手の幸せを祈るくらいなら、付き合ってあげればいいじゃないか、と。

でも、このへんが、わりとうまく遊べる人と、不器用にしか遊べない人の感覚の違いだと僕は思います。自分で散々痛い思いをしてきたからそう思うし、人の恋愛をたくさん見聞きしてきたからそう思います。

うまく遊べる人は、そのへんの「匙加減」がわかるんですよね。だから、同じ遊ぶにしても、もっとライトにさらっと遊びます。クリスマスやバレンタインに会っても、さらっと遊んで、お互いに「別の人生」を歩く者として、自分の人生から相手の人生を眺め、応援します。

不器用な人は、それができないから、「エッチした=あなたのすべてをくれなきゃイヤだ」と思います。女性が「うまく」遊ぶ人で、男が不器用にしか遊べないケースの場合、その男は、わりと簡単にストーカーになります。女性が不器用で男が「うまく」遊ぶケースの場合は、なちさんのように、誰かに恋愛相談する女性が散見されます。

きっとふたりは遠くからお互いの成功と幸せを祈りあうでしょう

お互いになんとなく惹かれあってエッチして、その後、付き合えないというのは、ホントにつらいことだと僕は思います。付き合えないと知ってため息をつくのが男であれ、女性であれ、そんな性差に関係なく、付き合えないという結論はつらいものです。

でも世間は、女性がつらそうにしていたら「相手の男はホントに悪いヤツだ」と怒るし、男がつらそうにしていたら「もうあきらめて次に行きなよ。彼女にしがみついていたら彼女がかわいそうじゃないか」と言います。ホント、世間の男女差別ってイヤだなあと僕はわりと真剣に思うのは、たとえばこういうことを思う時です。

付き合える可能性は今のところないし、彼はなちさんのことをセフレとは思っていない。ただ「遊び」の悦びと痛みを、ふたりで身銭を切って学んだ――これが答えだろうと思います。

「遊び」というと、世間の人は決していい顔をしないけれど、でもそれも違うと僕は思うんですよね。

遊びを通して、悦びと痛みを身に染みるほど教えてくれた相手のことを、ふつう、人はいつまでも覚えています。忘れていても、ふとした時に思い出します。

彼の心の中にも、なちさんの心の中にも、ふたりの出会いのシーンから、肌を重ねたシーンまで、もれなく残り続けます。その記憶がグレイの点になる頃、きっとふたりは遠くからお互いの成功と幸せを祈りあうのだろうと思います。

それが、人として真に成熟するということだと僕は思います。遊びを「よくないこと」と決めつけ、女性を傷つけた男をことさら責め続ける人には、一生かかっても、この「人としての成熟」が理解できないはずです。

お互い頑張っていきましょう!

(ひとみしょう/作家)

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