1. トップ
  2. 恋愛
  3. 7歳年下の彼に「若くない女性はイヤだ」と捨てられるかも…【ひとみしょうのお悩み解決】

7歳年下の彼に「若くない女性はイヤだ」と捨てられるかも…【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.6.22

“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「Tさん 50歳」のお悩み〜

ひとみしょうさんのわかりやすくて鋭いコラム、毎回拝読しております。

いきなりですが、ひとみさんは53歳の女性ってどうも思われますか。

私は半年くらい7歳年下の男性と付き合っています。お互いに既婚で、夫婦仲も悪くなく、彼には子どもがいます。その彼がこの春から地方へ異動することになりました。戻るのは3年後の予定です。

会社の同僚で、前から知っていて、彼から誘われて付き合うようになったのですが、今はおそらく私の方が彼に夢中です。

離れて、今までのようなペースで会えなくなるのかと思うとおかしくなりそうです。出張などでこちらに戻ることがあっても、他の仕事のお付き合いもあるので、私にはそれほど時間を割いてもらえないでしょう。

私が異動先に会いに行くのも難しく、そうすると再会は3年後、私は53歳です。きっと更年期も終わって、すっかり老けているかもしれません。そのとき彼は47歳で男ざかりだし、仕事でいろんな経験を積んでいることでしょう。

ひとみさんは女性に忖度しないアドバイスをされるし、彼と同世代なので伺いたいのですが、率直に言って、53歳の女性ってどう思われますか。逆に私はこの3年間をどう過ごしていけば、彼に「変わってないな。悪くないな」と思ってもらえるような女性でいられる

でしょうか。

相談者、読者の平均年齢を激しく上げてしまって申し訳ありません。でも切実な悩みなのでご相談させていただきます。よろしくお願いします。

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

僕は53歳の女性をステキなお友達だと思っています。実際、近所や大学で知り合った53歳くらいの女性に、僕はわりと(なぜか)好かれ、よく一緒に飲んでいます。望んでも手に入らない素晴らしい人生の先輩たちに、日々感謝しています。

というのが、僕にとっての53歳ですが、さて、ちびこさんの場合は……。

年上好きという傾向は死ぬまで変わらない

今、ちびこさんは50歳で、彼が7歳年下ということは、彼は43歳、僕と同い年ですよね。7歳年上の女性を選ぶ43歳の男性は、もともと年上好きだから、53歳と47歳だろうと、60歳と53歳だろうと、そう年齢を気にすることはないと僕は思います。

きっと彼は、30歳の時に37歳の女性と付き合ったことがあったとか、20歳のときに27歳のおねえさんに手取足取りモノを教わった経験があったように思うのですが、いかがでしょうか?

年上好きの男性の年上好きという傾向は死ぬまで変わることはないので、大丈夫。ちびこさんが53歳になろうと、55歳になろうと、ちびこさんは彼と変わらず付き合い続けられるでしょう、年齢が原因となって別れることはないでしょう、ということが1つ言えます。

問いの本質は「変化」にあると思います

さて、この相談メールにある問いの本質を、時の流れ、つまり「変化」と捉えたら、向こう3年の、ちびこさんの人としての変化と、彼のそれとが、同じスピードでおなじ方向を向いているものであれば、「まあセーフ」だけれど、どちらかが思いもよらない方向に変化してしまえば、「アウト」になる可能性があると言えると思います。

「変化」は、人の意思を超えるものであることが多いですよね(自分が3年後にどのような人になっているのかなど、ふつう人は想像もつかない)。したがって、変化を軸に考えたら、3年後どうなるのかはよくわからない(ゆえに対策のしようがない)、というのが答えになろうかと思います。

ちびこさんが日々彼のことを思い続け、彼のことを3年間待っても、彼かちびこさんのいずれかが(あるいは双方が)あらぬ方向に変化してしまえば、もうそれは誰のせいでもなく、哀しい結末にならざるをえないということです。

「わからなさ」と向き合うこと

3年後、自分がどのような人に変化しているかなんて、今の時点ではわからない、ましてや彼がどう変化しているかなんて、わかりっこない、だからこそ僕は思うのですが、その「わからなさ」と向き合うことが、「よく」生きることなのではないでしょうか。

若い人から同じような相談があれば、きっと僕はこういう答え方をしないと思います。ちびこさんの年齢だからこそ、また相談メールから聡明な女性だろうと類推したのですが(文章に無駄がない)、聡明なちびこさんだからこそ、「わからなさ」と向き合うことが、「よく」生きることなのではないかと思う、というのを答えにしたいと思うのです。

きっと彼もそれを望んでいるはずです

なぜかわからないけど、今、偶然にも奇跡的にも、ちびこさんは彼と付き合っている。なぜかわからないけど彼は会社から異動を命じられ3年間も遠くに行ってしまう。わたしたちの恋愛は、さまざまな「わからなさ」が複雑に絡み合って、偶然にも奇跡的にも成立していますね。

この事実に謙虚に向き合ったとき、人は今の何倍も強くなれると思うのです。その強さは、極論すれば宇宙につながるかのような、寛容さを備えた強さだと僕は思います。

力強く彼を送り出してあげてください。そして3年後、さらに強くなって彼を迎え入れてあげてください。きっと彼もそれを望んでいるはずです。

40代50代の「恋人」は、恋愛を超えて、「同志」みたいな存在だと僕は思います。とくに、夫婦仲が悪くない者どうしの不倫の根本は「同志」だと僕は思います。だから、人としての強さが「効く」のだと思うのです。

素直でいること

最後に、ちびこさんは「女として」彼に愛想を尽かされないようにするにはどうすればいいのかを質問なさっていると思うので、それについてコメントするなら、素直でいることです。

男って、遠く離れてなかなか会えなくなった彼女が、いわゆるリア充みたいに人生を楽しんでいるのを知ると、「ああ、この女性は俺がいなくても生きていけるんだ」と思って、哀しくなり、彼女のことをあきらめてしまうのです。

女性は、彼に会えない淋しさの裏返しとして、へんに充実している生活ぶりを彼にアピールしてみたり、強がってみたりなんてことをしますよね。そういうことをせず、淋しいときは淋しいと素直に彼に言う。会いたい時は会いたいと言う。でも会えないから我慢してるんだ、と素直に言う。こんなふうに、3年間、彼と心で文通しあえたなら、きっと3年後、彼はちびこさんに対して、「変わってないな。悪くないな」と思うどころか、「ますますいい女になったなあ」と思うのではないかと思います。

お互い頑張っていきましょう!

(ひとみしょう/作家)

元記事で読む
の記事をもっとみる