1. トップ
  2. 悲劇を乗り越える、少女の生命力に希望を感じる。『アマンダと僕』【今月のプロ押し映画!】

悲劇を乗り越える、少女の生命力に希望を感じる。『アマンダと僕』【今月のプロ押し映画!】

  • 2019.6.21
  • 587 views


悲劇を乗り越える、少女の生命力に希望を感じる。『アマンダと僕』【今月のプロ押し映画!】
2019.06.21 17:30
パリで便利屋業を営む青年ダヴィッドは、近所に暮らすシングルマザーの姉やその娘アマンダと交流しつつ、穏やかな生活を送っていた。が、そんな平穏な日々は突然襲いかかった理不尽な悲劇によって一変する。大切な姉と母を失ったふたりの葛藤と再生を(お涙頂戴的にではなく)描く今作は、谷川俊太郎氏も唸らせた秀作!

(c)2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

【さらに写真を見る】悲劇を乗り越える、少女の生命力に希望を感じる。『アマンダと僕』【今月のプロ押し映画!】



パリ。シングルマザーの姉をテロ事件で亡くした青年ダヴィッドは、7歳の姪アマンダの面倒をみることになる。付き合って恋人のレナは、テロのショックから実家に戻ってしまう。未婚で、しかもやりたいこともみつからず将来も見えない24歳の青年が、果たして、親代わりが務まるのか。


大きな喪失を抱えた青年と少女が、それぞれの気持ちにけじめをつけ、新しい人生を受け入れる様子を描いた感動のヒューマン・ドラマ。ダヴィッドを演じるヴァンサン・ラコストは、コメディ映画でブレイクしたフランス期待の若手。彼の繊細な演技も素晴らしいが、オーディションで100人の少女の中から大抜擢されたアマンダ役のイゾール・ミュルトリエの存在感に心を打たれる。顔をくしゃくしゃにした泣いたり、ケーキを夢中で頬張るアマンダは、現実を乗り越えて、今を生きる人間のたくましさを体現しているといえるだろう。初夏のパリのきらめきの中で、育まれるふたりの絆は掛け値なしに美しい。


東京国際映画祭で東京グランプリと脚本賞を受賞した本作。監督のミカエル・アースはこれが長編第3作目の新進監督。ほぼ同時に公開される第2作目の『サマーフィーリング』も合わせて観たい。

『アマンダと僕』
6月22日公開
http://www.bitters.co.jp/amanda/
配給:ビターズ・エンド

元記事で読む
の記事をもっとみる