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仲良しの姉妹の猫ちゃん♡妹猫の反抗期に姉はタジタジ…!?

  • 2019.6.9
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猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。小説家・深緑野分(ふかみどりのわき)さんもその一人。深緑さんの飼っている姉妹猫、「しおり」と「こぐち」はとってもおしゃべり。二匹のおしゃべりの内容とその理由に迫りました。

しおりが参る、こぐちの反抗期?

社交的でしっかり者、妹を溺愛する姉の「しおり」(キジ柄)。マイペースな気まぐれ屋さん、過保護な姉にうんざり気味の「こぐち」(白黒・ハチワレ)。二匹の姉妹をこう形容するのは、飼い主であり、最新刊『ベルリンは晴れているか』が話題の小説家・深緑野分(ふかみどりのわき)さんです。

「子猫の頃は二匹とも引っ付いて離れないほど仲良しだったんですけど、思春期以降は、妹が大好きなしおりに対して、こぐちが『お姉ちゃん、ウザい』と距離を取るように…。しおりはこぐちの反抗期に、かなり参っていると思います(笑)」

「それでも姉妹の絆が垣間見れる瞬間もあります。しおりが夫のパソコンのキーボードの上に乗って『コラ!』と怒られようものなら、別の部屋にいたはずのこぐちが飛んできて、『私のお姉ちゃんに何すんの!』と夫をガブリ。

そんな姉思いの妹に気を良くして、しおりがこぐちに毛づくろいをしてやっていると、最初はいいんですけど、そのうち『もういい加減、お姉ちゃん、しつこい!』とこぐちがしおりに手を出してバトルに発展。でも、しおりの方がこぐちよりも体がひと回り大きいから、好戦的なこぐちの方が負けて終わるのが常です」

おしゃべりな姉妹

しおりとこぐち姉妹はとってもおしゃべり。その声音も独特で、しおりは「アワワワ」「アウアウ」とまるで日本語を話すように鳴き、こぐちは「ハッハ」と短く笑うように鳴きます。こぐちの鳴き声は、深緑さんがこぐちを「こっちゃん」と呼ぶ時のイントネーションにそっくりです。

「しおりはだいたい何かしらの訴えであったり、意思表示のために鳴いています。『早く起きて』とか『ごはんがおいしくない』とか『私、今、トイレ行きたいの』とか。トイレくらい黙ってスッと行けないものかなって思いますけど(笑)」

「こぐちは質問攻めの鳴きです。特に電話している時なんか、私の口元まで顔を近づけて、『ハッハ、ハッハ』って、『誰と電話してるの?誰?』と間髪入れずに鳴き続けて。電話相手の方もしばらくは無視してくれるんですけど、あんまりにも鳴き続けるものだから、堪えきれずに笑ってしまわれて、先が続けられなくなることも。

こぐちの質問攻めは、私が英語の勉強をしている時にも発揮されます。『なんでいつもと話し方違うの?なんで?なんて言ってるの?』と、私の口の中にこぐちの顔が入ってしまうんじゃないかと思うくらい前のめりで聞いてくるんです」

二匹がおしゃべりになったのは、きっと深緑さんのせい。いや、深緑さんのおかげでしょう。鳴いている理由を、こんなにも深く汲み取ってもらえたら、自然とおしゃべりにもなります。深緑さんの話を聞いているこちらが、二匹を羨ましく思うほどです。

かもしれない行動

深緑さんは、猫と暮らすようになってから、一挙手一投足が慎重になったと言います。

「猫は物音を立てずに近づいてきて、気づくと足元にいたりしますよね。急に立ち上がったり、急に歩き出したりすると、踏んづけてしまったり、蹴ってしまう可能性が高い。だから、常に猫が近くにいるかもしれないと思って、ゆっくり立ち上がったり、そろそろ歩いたり、ドアを勢いよく閉めたりすることもなくなりました。

しかも、このかもしれない行動が習慣化したせいで、取材先のホテルで夜中トイレに行く時、足元にいるはずのない猫の存在を気遣って歩いたり。途中で気づいて笑っちゃいました」

交通事故を防ぐための「かもしれない運転」が、猫を飼っている方にもあるなんて!いや、これは結構、猫飼いあるあるかもしれません。猫に限った話ではなく、他者を思いやる気持ちは、立ち居振る舞いを変える力があるようです。さて、次回は、小説家の深緑さんが考える、猫が哲学的といわれる理由についてです。お楽しみに!

writer / 宇佐見明日香 photo/筒井聖子

取材協力

小説家・深緑野分
https://note.mu/fukamidorinowaki

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