1. トップ
  2. 恋愛
  3. 雑談を楽しんでくれない男性と私は「合わない」ということでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

雑談を楽しんでくれない男性と私は「合わない」ということでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.6.8

“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「Mさん 37歳」のお悩み〜

2ヶ月ほど前に婚活パーティーで知り合った6個下の彼氏がいます。

一度は断ったものの他に出会いもなく、相手にすごく押されたこともあり、とりあえず付き合ってみようかなという感じで付き合い始めました。

ただ、2ヶ月たった今も付き合っている気が全然しないのです。心の距離が全然近づく気がしません。

元々あまり人に興味がなさそうな人で、なんだか私っている意味あるのかな?と思えてきてさみしいです。そのことについて相手に何度か明るく話したことがありますが、ちゃんと好きだし考えすぎだよと言われました。

私は気軽に連絡を取り、日常のくだらないことなどを気軽に話したいのですが、私の話したいことって、特に意味のないことが多く、だんだんLINEもしづらくなってきました。

穏やかで優しい彼ですが、興味を持たれていないことが寂しく、なんだか虚しくなってきました。根本的に合わないということでしょうか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

根本的に合わないということかもしれないですね。

日常のくだらない(?)話にあまり興味を示さない男って、まあまあいるので、根本的に合わないかもですね、と言ってしまうと、多くの男性とあなたは合わないという論調になってしまうので、ちょっとばかり具体的にお話したいと思います。

男性が雑談を楽しまない理由

会社にこんな変わった人がいて、とか、昨日お母さんとこんな話を電話でして、みたいな日常のなんでもない話に、男はなぜ興味を示さないのか?

男は女性より生き急いでいるからです。多くの男は、金を稼ぎ、出世するのに忙しいのです。女性のように、ちょっとお喋りでもしながらお茶しましょ♪とは、なかなかならない。

生き急いでいる人というのは、目標達成のために生きているから、どうしても目標を達成するまでの過程を楽しむことができません。目標達成の楽しさを、プロセスの楽しさ込みで味わえる人って、ホントに少ないのです。多くの人は「じぶんが立てた目標を達成できない自分は劣っているヤツだ。俺はもっと頑張って素晴らしい人になれるはずだ」と思いつつ生きています。つまり、今を楽しめない人が、ホント多い。

今この瞬間を楽しむことのできない人とは、恋愛を楽しむことのできない人です。恋愛において大切なこと、すなわち、極論すれば愛において大切なことは、「今」です。過去でも未来でもなく、今です。感じるのはつねに「今」だからです。

今、愛しい人と時間を共にしているよろこびが愛です。そうですよね?だから、最高の愛の形とは、たとえば、ふたりでありふれたものを食べながら「おいしいね」と、いわば当たり前のことを言い合って微笑むことです。食事が終われば、わりとつまらないテレビを見ながら適当なことをお喋りして、適当な時間になれば、「お風呂入る?」なんて聞く――これが、最高の愛の形だと僕は考えています。

彼は受験勉強を熱心にしてきた人ですか?

今この瞬間を楽しむことのできない人、つまり、目標に「毒されている」人、つまり、恋愛を楽しめない人、こういう人は、女性より男性に多いように見受けられます。

水色さんの彼氏って、子どもの頃から、一所懸命受験勉強をしてこなかったですか?

受験勉強慣れしている人って、どうしても今を楽しめない精神構造になっています。平たくいえば、生きていることがすべて何らかの目標達成のための行為だと勘違いしています。そして、そのような精神構造は、よほど本人が自覚的に直そうと思わない限り、決して直ることはありません。

なぜなら、社会の構造が受験勉強チックになっているからです。就職すれば、グレーブラックな手(限りなく違法だけど、でも法解釈によって合法とされている手段)を使ってでも、売上を上げることを会社から指示されます。比較的穏やかな会社であっても、会社というところはなぜか、「前年比〇%増」の売上を作ることを毎年求めてきます。

人口が減っているのだから、前年比マイナス20%の売上でもいいじゃないか、という会社があれば、その会社からは投資家が離れ、株価が暴落し、倒産します。私たちは好むと好まざるとにかかわらず、そのような社会に住んでいます。

あなたに向いている彼氏はこんな人!

水色さんはきっと、そういう社会とある程度距離を置いた男の人と交際するのが向いている女性なのだろうと推察します。そういう男の人、まれにいますよ。平たくいえば、遊ぶのが上手で、人の心の痛みを理解できる男性のことです。遊ぶというのは、なにも浮気するとか、そういうことじゃなくて、友達とサッカーしたり、釣りに行ったり、そういう遊びがうまい男性のことです。

受験勉強や、その後の会社における出世競争から、意識的に(あるいは無意識的に)距離を置いて、「競争」ではなく、他者と「共栄」に生きている男性は、探せばかならずいます。

そういう人と出会って交際できると、水色さんは女性としてもっともっと輝くと思います。

そういう男性と出会おうと思えば、あなた自身が「善く」遊ぶことです。たとえば、近所にスナックバーがあれば、入るのが怖いかもしれないけど、入ってみるといいです。近所のバーって、ドアがガラスじゃないから店内の様子がわからないし、ああいうところはだいたい常連客ばかりいるのが常だけど、でも楽しいことが待っているかもしれないですよ。

勉強が好きなら、社会人向けの大学や大学院などに行ってみては?特定の音楽アーティストが好きなら、オフ会に行ってみては?

恋愛の悲劇も、仕事における悲劇も、生き様に関する悲劇も、たいてい「善く遊ぶことを知らない」から起こると僕は考えています。遊びとはつまり、人を識る(しる)ことです。今の社会は、遊ぶことなく受験勉強してきた人が「うまく」生きていける構造になっています。でも、豊かな恋愛は「よく」生きることを求めてきます。つまり、いい恋愛とか、豊かな愛というものは「うまく」と「よく」のバランスで成り立っているのです。その絶妙なバランスは、「善く遊ぶ」ことでしか体得できないのです。

善く遊んで、ステキな彼氏を見つけてください。きっとあなたにならできると思います。頑張っていきましょう!

(ひとみしょう/作家)

元記事で読む
の記事をもっとみる