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何が起きても「とりあえずパブへ!」イギリス人には「パブ」が必須!?

  • 2019.6.14
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View Apart / Shutterstock.com

イギリスのいたるところにあるパブ。日本では「酒場」といったイメージが強いかも知れませんが、イギリスではお酒が飲めない子どもから、地元のおじいちゃんおばあちゃんたちなど様々な人が集う、老若男女に愛されている交流の場としての役割が強い場所です。今回は、そんなイギリスのパブ文化や食文化を現地から徹底解説します! 

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【特徴】何が起きても「とりあえずパブへ!」が基本

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fiphoto / Shutterstock.com

2004年公開、イギリスのゾンビ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、ユーモアたっぷりな描写と、高い完成度から有名になった作品。仕事もプライベートも無気力で恋人からも捨てられた主人公が、ゾンビで溢れかえった街の中、大切な恋人と母親を守るため、仲間たちと戦いながらパブ「ウィンチェスター」を目指す映画です。

そう、どんな事態が起きようがとりあえずパブへ行くのがイギリス人。ゾンビがいない平和な世界では、パブは老若男女でいつも賑わっています。イギリスで飲酒・酒購入は18歳から(大人同伴で食事と一緒の場合は16歳)、国内には約5万軒のパブがあると言われています。ちょっとした軽食などがあり、仕事帰りや週末に、家族や友人とワイワイできる社交場です。なかには、子ども用のスペースまで完備された、子どものいるお母さん、お父さんに優しい設計のものもあるのだとか。開店時間は店舗によって異なりますが、閉店は23時ぐらいが多いようです。そしてイギリスの飲食店は全面禁煙。タバコを吸いたい人は外で吸っています。

【歴史背景】パブの起源は、ローマ時代まで遡る!?

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Jannis Tobias Werner / Shutterstock.com

パブの歴史をたどっていくと、約2000年前のローマ時代にまでたどり着きます。当時、ローマ帝国の支配下にあったイギリスには、他の属州と同じく、軍隊を迅速に動かすための整備された街道がありました。そして道の脇には「タヴェルナ」と呼ばれたワインやごはんが出る休憩場所が。これがパブの起源です。この「タヴェルナ」は宿泊ができる「タバーン」とアルコールを楽しめる「エールハウス」という形態に分かれ、最終的に「パブリックハウス」やその略称の 「パブ」と呼ばれるようになり、お酒が楽しめる場所として発展していったのです。

【注文編】「Round of Drinks」とは?

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Minerva Studio / Shutterstock.com

パブの注文方法は独特。まず、パブに着いたら自分の席を探しましょう(大きい観光客用のパブでは、ドアの横にウェイターが立っており、ごはんを食べるかお酒を飲むのか聞かれることもあります。※お酒を飲むエリアとごはんのエリアが分かれているため)。

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Bikeworldtravel / Shutterstock.com

席についたら、自分でカウンターに行き注文をします。ドリンクの受け取りもカウンターで。一回注文したら、その場でテーブル分支払うことも多くあります。複数人で行った場合は、まずは一人がみんなにおごり、次は別の人が…。といった感じで一人がまとめて全員のドリンク代を支払っていきます。現地では、割り勘はせずこの「Round of Drinks(ラウンド・オブ・ドリンクス)」といった方法でお酒を楽しみます。

【ドリンク編】日本にはない種類のビールも!女性にはりんごから作ったシードルが人気!

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Master1305 / Shutterstock.com

カクテルを楽しむバーとは異なり、パブではビールがよく注文されます。ラガーが主流な日本とは異なり、イギリスには様々なビールがあります。一番人気が高いのは、エール。コクや甘みが強く常温でいただきます。他にはリンゴを発酵させた甘めのシードル。ドライなキレのあるものまでメーカーによって味が異なるので、いろいろ飲み比べてみても楽しそうですね。

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シードルSea Wave / Shutterstock.com

その他にも、エリザベス女王をはじめ、イギリスの首脳陣が愛するジントニックや、ギネスを代表とするスタウト(アイリッシュパブで飲むのがオススメ)、ラガーやシャンディなど様々なドリンクが揃っています。

【おつまみ編】代表的なパブごはんとは…?

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フィッシュ&チップスstudiogi / Shutterstock.com

パブでは、ドリンクの他にも様々なごはんがいただけます。一番代表的な料理は……なんといっても「フィッシュ&チップス」です。衣をつけ黄金色になるまで揚げた白身魚に、お好みで、塩や胡椒、モルト・ビネガーをふりかけ、それをタルタル・ソースに浸して、コッテリといただくのがイギリス流です。

他には伝統的な朝ごはんとしても食べられ、日本でも流行中の「エッグベネディクト」。カリカリのイングリッシュマフィンと、トロ~リとろけるチーズと卵の味わいがクセになります。「ミートパイ」や「ローストビーフ」も人気が高いメニューです。

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エッグベネディクトnuu_jeed / Shutterstock.com
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ミートパイLesya Dolyuk / Shutterstock.com

また、日曜日にパブで見かけるのが多い料理は「サンデー・ロースト」。イギリス伝統料理のひとつで、大きなプレートの上にローストされた肉やジャガイモ、ヨークシャープディング、野菜などが、どーんとのったもの。お店によっては、ビーフ、ポーク、チキン、ラム(羊肉)などの中から、ローストする肉を選ぶことができます。

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サンデー・ローストIgor Dutina / Shutterstock.com

長い歴史の中で、イギリスに根付いたパブ文化。旅行に行った際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。周りの人に気軽に話しかけられるのも、パブならでは。飲み過ぎには注意しながら、現地でしかできない思い出づくりをしてみてください。

次回は、イギリス人はあまり結婚を好まない…!?イギリスの恋愛や文化についてお届けします!お楽しみに!

 

Writer: 立岡美佐子
旅とごはん、猫を愛する、編集者&ライター。大学卒業後、一般企業に勤めるも、旅好きが高じて編集者に転職。旅行やグルメをメインに企画・編集・執筆などを経験してきました。現地でしか体験できない情報や面白ネタを、わかりやすくお届けできればと思っています!

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