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「放課後トラブル5割」の実態。子どもが困難を“学び”に変えるには?【パパママの本音調査】 Vol.335

  • 2019.6.3
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小学生の子を持つ親にとっては、子どもたちが放課後をどう過ごすか、気がかりな人も多いことでしょう。また、これから小学生になる未就学の子を持つ親にとっても気になるところかもしれません。

今回は、放課後にどんなトラブルが起こるのか、またパパママがしている対策について考えてみたいと思います。

■放課後トラブル経験ありは5割

アンケートでは、放課後トラブルを経験したことがあるか聞くと、「よくある」、「たまにある」、そして「以前はあった」と答えた人があわせて49.5%。約半数の親たちが放課後トラブルを経験したことがあることがわかりました。

一方、「ほとんどない」、「全くない」と答えた人も46.9%と、同じく約半数程度という結果でした。

Q.放課後トラブル経験ある?
よくある 5.1%
たまにある 18.5%
以前はあった 25.9%
ほとんどない 29.1%
全くない 17.8%
その他 3.6%"


■親がみていないところで起きる子ども同士トラブル



放課後トラブルとは、具体的にどのような内容なのか、いくつかのテーマに分けて見ていきたいと思います。まずは親が関与していないところで起こる、子ども同士の間でのささいなやり取りからトラブルにつながってしまったケースを紹介します。

「『放課後に遊ぼう!』と約束してきても、(その子は)他の子と遊んでいたり、『誕生日会をやろう!』って約束した日にプレゼントを持って行けば、もう他の日にやってしまっていたり。その度に母は心が折れそうになります」(神奈川県 50代女性)
「息子がブランコの柱に登る友だちを注意したけど、無視されたことに頭に来てブランコをその友達にぶつけてしまったらしい。ケガもなかったので何事もなく済みましたが、『禁止されていることをした友だちが悪いのに、なんで僕が怒られなきゃいけないんだ?』と息子はまったく納得しなかった」(徳島県 40代女性)
「息子が友だちにいきなり雪の塊を頭にガンガンとたたきつけられ、やり返さず我慢したと涙。次の日『謝ってきた』と報告がありました」(北海道 40代女性)

「目の上を傘でたたかれば、あと1センチずれていたら失明していたかもしれない」という親としても気が気ではないトラブルの体験談も寄せられていました。

ほかにも「クラスの男の子二人につけ回されて、『学校に行きたくない』と娘が言い出した」といったトラブルは、学校生活自体に黄信号がともりかねない深刻なトラブルといえそうです。

また低学年であるほど、きちんとした“待ち合わせ”ができないことから起こるトラブルは多いようです。時間、場所をお互いにきちんと把握しているか、親が許可しているかなど、意外に待ち合わせは高度なテクニックが必要といえそうです。



■「勝手に食べる」遊びに来た子が引き起こすトラブル



また、家に招待したり、招待されたりといった自宅への「お呼ばれ」にまつわるトラブルも多いようです。

家に居座って帰らない子、勝手に入ってくる子、勝手にものを食べる子、いろいろいた。私から『ダメだよ』と注意したら家に来なくなった。わが子にはよその家に行ったときのお行儀のしつけだけはかなりしつこく言い続けてる」(神奈川県 40代女性)
「よく遊ぶお友だちが昼食どきに遊びに来る。おなかが空いていたのか、出したドーナツ8個入りを2個食べ、残りを全部ポッケに入れて、『他の子と遊ぶ約束があるから』と、遊ばず帰って行ったそうです。何しに来たのか、どうしたものか、考えさせられる出来事でした」(千葉県 30代女性)
「わが家が長男の友だち達のたまり場に。あるとき部屋で柔道して壁に大穴があいた。その子たちを呼んで叱ったけど、その親に伝えるかどうか迷ったなぁ。全額わが家が修理して、8万円かかった。自分の子や他人の子、ともにいい経験になったと思う」(東京都 40代女性)

ほかにも「毎回夕飯を食べていく子」「毎週土日に遊びに来る」「『家に帰っても1人だから帰りたくない』と泣かれる」などの声が。

パパママにとっても子どもの友だちにどこまで厳しいことを言っていいものか、また大人として放り出せないジレンマもあります。

さらにこれからますます両親ともに働く家庭が増え、大人の目が届きづらくなっていく世の中で、子どもが放課後をどう過ごしているのかが把握しきれないという悩みが増えていくのが現状かもしれません。


■「帰ってこない」放課後の子どもの行方



さらに、放課後に子どもが家になかなか帰ってこないという不安の気持ちを抱える親も多いようです。

「低学年のころ、暗くなっても帰らず探し回ることがあった。一緒にいたお友だちがお家に入れなくて一緒に待っていたようです」(神奈川県 30代女性)
自宅に着く予定時刻から1時間過ぎても帰らず、心配したことがあります。学校の帰りにお友だちと一緒に寄り道をして迷ったり、公園で遊んでしまったり。 携帯を持たせていないのですが、こういう時はやはり持たせる方がいいのか悩みます」(千葉県 40代女性)
「公園で遊んでいたら同じクラスメイトの子が通って『遊びにおいで』とのこと。行ったはいいが帰り道がわからなかったそう」(神奈川県 30代女性)
「小1のころ、学童から来ていないという連絡。友だちと外を歩いているところを、探しに出た学童のスタッフさんによって確保された」(神奈川県 40代女性)

帰宅時間に子どもが帰ってこないと、親としては本当に心配してしまいますよね。もしかしたら事故にあったか事件に巻き込まれたか、迷子かもしれないと、さまざまな可能性を思い浮かべてしまうこともあるでしょう。

筆者もこの春小学校に入学した長男が、「友だちと子どもだけで公園に行きたい」と言ってきました。ただ、その公園までの経路は車が多く、子どもの足で10分程度かかるため、「まだもうちょっとしてからね」と我慢させてしまったのですが…。いつから許そうか、もし許可したらきちんと時間どおりに帰ってこれるのか、心配は尽きません。

■「ゲームソフトがない!?」物やお金を巡るトラブル



「ゲーム本体とソフトを持って遊びに行ったら、ソフトを一つなくして帰ってきました。あとで一緒に遊んだ子が返してくれましたが、その子の家に行ってないし、ソフトのネームシールも剥がされていました。お友だちを疑いたくないけど…」(宮城県 30代女性)
「カードゲームのカード、わが家は『あげるのはダメ』と決めているんですが、しょっちゅうもらってきて不安になり、相手の親に把握してるのか確認しました。一応ダブってるやつみたいだったけど、もらいすぎだったのでストップさせました」(神奈川県 30代女性)
「低学年の頃、6年生に『現金を持って来い』と脅されて帰ってきた。すぐ学校に連絡して6年生たちは親子で謝罪に来ましたが、言い訳ばかりでした」(神奈川県 40代女性)

物やお金を巡っては、子どもだけでなく親も巻き込んだトラブルに発展します。子どもたちにとって、もっとも大事なことは「持っているか」「持っていないか」になりがち。だからこそ「持っている」差がトラブルを生んでしまうのかもしれません。



■放課後トラブルは、子どもにとって自立の1歩

それでは、こうした放課後のトラブルを回避するためにはどうすればいいのでしょうか。いくつか、参考になるコメントがありました。

▼親の責任とは



「元気に育っていく上で、何かしらトラブルが起きてしまうのは仕方のないこと。親としてできることは、責任を取ることも含めて、子どもと一緒に最後まで解決に向けて行動することだと思います。
誰かを傷つけたり、何かを壊したり迷惑をかけるようなことがあれば、一緒に頭を下げにいく。逆にわが子が困っているなら本人がどうしたいのか、そのためには何が必要か一緒に考えてやってみる」(北海道 40代女性)
「子ども同士のけんかはあってもいいと思います。けんかした後に逆に仲良くなれること事もあるのは事実。小さいときにいろいろと経験するのがあたり前。大人になるためのプロセスだと思って、子どもと真正面で受け止めてあげるようにすることが、親としての役目だと思いますね」(北海道 50代男性)

▼子どもは信じる。でも本質を見極めるには?



「子どもは自分の都合が悪いことは言わないことがあるので、わが子の言うことだけ信じるのも危険かなと思います。
子どもの言うことを信じるのは基本。だけど、うちでは『あなたの話だけでは決められないから相手の話も聞かないと。もし自分がなにもしていないのに、相手があなたを悪く言っていて、その親がそれを信じて、あなたが悪者にされたらイヤでしょう?』と言っていました」(神奈川県 40代女性)
「自分の子の話だけが正しいと考え、よその子の意見や気持ちをないがしろにする親子には悩まされました。そこで学んだことは、他人を変えることは難しいので、自分の意識を変えるよう努力すること。いまでも子どもに友だちとのいざこざがあったらそのように話してます」(神奈川県 50代女性)

もちろん、仕事で放課後の子どもの様子がわからないという親も多いと思います。でも、帰宅後に話を聞いたり、ちょっとした変化に気づけるようによく子どもを見たりなど、子どものSOSに気づけるような体制づくりは、日ごろから親としては意識したいところですね。

▼家庭で約束事を話し合う


今回寄せていただいたアンケートから、家庭で話しあって決められそうな約束事もありそうです。
●外に遊びにいくときの約束事(一例)
・遊ぶ場所、相手、帰る時間の確認
・移動するときの対応
・約束した時間を守る対策

●家に遊びにくる(遊びに行く)ときの約束事(一例)
・家で遊べる日、時間
・ゲームなどの貸し借り
・おやつなどをどうするか
現代は、学校の連絡網がないこともあって、同じクラスでも親の連絡先がわからないことが多々あります。そうした状況で起こる「すれ違い」も、家庭での話し合うことで少しは防げる部分もあるように思います。また話し合うことで、子どもの意見の食い違いなども見つけることができるのではないでしょうか?

最後にこんな意見をご紹介します。
「小学生の時はいろいろありましたが、それも子どもが成長する過程で仕方ないと思います。親が子どもをほったらかしにしないで見守っていれば、その都度対処できます。今では懐かしい思い出です」(茨城県 40代女性)



ここまで、子どもの放課後トラブルへの対処の仕方について考えてきました。さまざまな体験談と、対処法を紹介してきましたが、最後にご紹介した「親が子どもをほったらかしにしない」というのはとても大切なことに感じます。

子どもが成長する過程において、トラブルがまったくないということはないでしょう。「トラブルをどう解決するか?」は子どもたちが自立していくために大切な力となっていくはず。

もちろん、その内容や程度によっては、親が介入した方がいい可能性もあるでしょう。そして、いつでも相談できるように受け止める体制を親自身が作っておくと、子どもの安心にもつながるかもかもしれません。

放課後は、子どもたちにとっては、初めてひとりで判断して動く時間。そこで起こったトラブルをどう乗り越えるかは、子ども自身の学びにつながるといいですね。

Q.放課後トラブル経験ある?
アンケート回答数:5154件
ウーマンエキサイト×まちcomi調べ

(高村由佳)

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