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もし親ががんになったら、子どもの教育費は? 「がんと教育費」の実態

  • 2019.5.31
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「がんは今や珍しい病気ではなくなった」とよく言われます。だからこそ「もし自分ががんになってしまったらどうしよう」と、頭を悩ませてしまう人は多いでしょう。とくに、子を持つパパやママの場合、子どもの将来のことが何よりも気になるだろうと思います。

そこで、子育て世代のがん患者を対象にした調査をもとに、親ががんになったときに子どもの教育計画にどう変化が起こったのか見ていきます。

■子育て世代がん患者の教育費への影響は?

「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」報告書(「一般社団法人キャンサーペアレンツ」と「ライフネット生命保険」共同調査)によると、最初のがん告知を受けたときに不安に感じたこととして、「家族への影響」と答えた人が8割以上となりました。

またがんり患による子どもの教育費に影響があると答えた人は、5割強近くとなりました。
Q.がんに罹患したことで、子どもの進路など教育計画に影響はあったか?
影響があった 22.1%
今後影響があると考えている 31.7%
影響はなかった 53.5%

■収入減でも「教育費は抑えたくない」思い



がんにり患したときに、教育費への影響があると答えた人が5割いますが、別の質問では、実際に「教育費を抑えた」と回答したのはわずか2割足らずでした。コメントからも、親たちが教育費を抑えずに、試行錯誤している様子が伝わってきます。
「本当は公立に行ってほしかったが、受験対策や入ってからの役員などフォローが難しいと思い、私立の学校を選びました。教育費は抑えられなかった」(46歳女性)
「教育費、本当は抑えるべきなんだろうけど、中学受験に向けて必死に頑張っている子どもに、塾を辞めてほしいとは言えなかった」(39歳女性)
「子どもたちの教育費用だけは抑えたくなかったので、学費や塾代などは貯蓄から回しました」(45歳女性)

また調査によると、がんのステージによって教育費への影響は異なっており、ステージ1の人の場合では、支出を抑えたのは9.7%。一方、ステージがあがってくると、2割を超えるようになります。

■「進路への影響」に不安を抱える親たち

子どもへの影響を少なくしたいと考える親は多いでしょう。しかし、教育費は子どもを持つ世帯すべてにとって、大きな課題です。

調査によると、がん告知後、平均して2割程度、世帯収入が下がるとあります。がんになったことで「子どもの進路などの教育計画に影響があった」という人たちの具体的な声を紹介します。

「都立高校を受験させ、予備校も行かせず、学費保険を中途解約して治療費に充てた」(52歳女性)
「がんにならなければ、パートから正社員へと考えていた時期でした。手術、抗がん剤治療の期間が長かったため、正社員で働くことは諦めました。子どもの大学進学については、自宅から通える範囲の公立校を目指してもえるようにと話をしました。塾にも通っていません」(41歳女性)

さらに、「今後影響があると考えている」人たちからは、次のようなコメントが寄せられました。
●塾に入れてあげられない
●私立進学は難しい
●進学時期の教育費が貯蓄ではまかなえず、体調がどこまで働ける体に戻れるか不安
●今後のお金がどれくらいかかるかわからず、子どものための貯蓄ができるか不安

「教育費を抑えたくない」という気持ちの一方で、実際には経済的な理由からなかなか思うようにいかないという親の歯がゆさが感じられます。



■もし、がんになったときお金は?


それでは、がんになった場合、どのような支援を受けて、収入の減少を補えばいいのでしょう。
Q.がんにり患したことで、金銭面の支援を受けたものは?

※複数回答あり

1位 民間の保険会社からの給付金 72.6%
2位 親からの金銭的な援助 35.7%
3位 傷病手当金 31.4%
~以下略~

全体の7割の人たちは、民間の保険会社からの給付金を利用し、親(祖父母)からの支援を受けた人も約35%と、2番目に多い結果となりました。

保険の給付金というと、「治療費に使う」というように考えてしまいますが、実際には自身や家族の生活水準を保つために使ってもいいものです。例えば、家事代行を頼むために使うなど、使い道の観点を変えてみてもいいかもしれません。

■子育て世代ががんと教育費に向き合うには


お金、治療法、家庭内の貯蓄など、情報を知っていることで対応が変わってくることもあります。万が一のときについて、家族や夫婦間でも話しあっておくことだけでも違ってくるのではないでしょうか。たとえば、貯蓄、生活費、保険など、さまざまな観点で家計を見直したり、場合によってはファイナンシャルプランナーに相談してみたり。

もし、病気になったときには家族だけで抱え込まずに、祖父母や周りの人たちの力を借りることが大切なのだと、今回の調査結果をみて思いました。もしもがんになって途方に暮れてしまったら、子育て世代のがん患者を支援する団体や仕事面や精神面など、さまざまな支援の窓口があります。

ここまで、子育て世代ががんになった場合に教育費とどのように向き合っていくべきか考えてきました。実際に病気と闘いながら子育てをするのは大きな苦労があるのだと身につまされるとともに、今自分にもきっとできることがあるのだと、気づかされます。「もしそうなったらどうするのか」といった不測の事態への対応を考えながらも、日々子どもたちとの生活を大事にしていきたいですね。

「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」
キャンサーペアレンツの会員(子どもをもつガン患者)398名へのインターネットによる調査(一般社団法人キャンサーペアレンツ×ライフネット生命保険共同調査)
<参考>
キャンサーペアレンツ:こどもをもつがん患者同士でつながるためのSNS
https://cancer-parents.com/

(高村由佳)

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