どこからが浮気になるの？【ひとみしょうの恋愛論もどき】

エッチしたら浮気になるという人もいれば、好きになった時点ですでに浮気だという人もいますよね。今回は、どこからが浮気なのかについて、一緒に考えてみたいと思います。

まずは・・・浮気の2つの側面

浮気って、1つは社会制度の面から、もう1つは自分の気持ちの面から捉えることができますよね。

日本の社会は1：1の制度をとっていますね。女性（男性）ひとりにつき、付き合える相手は（結婚できる相手は）ひとりだと。むろん、結婚と、結婚を抜きにした交際って、また別だと思うけど、関係だけを取り出していえば、日本の社会制度はあくまでも1：1の関係を前提としてつくられていますね。

なので、社会制度から浮気を見たら、2人以上の人を好きになればそれがすなわち浮気、と言えなくもないのでしょう。手もつないでいないし、キスもしていない、ましてやエッチもしていない、でも相手のことが好き、という時点ですでに「2人以上の人を独占する兆候」が生まれているわけだから、社会制度から見た浮気とは、好きになった時点ですでに浮気、という解釈になるのではないかと思います。

自分の気持ちから浮気を捉えたら、あなたが浮気だと思ったら浮気、つまり、正式な相手に申し訳ないと思った時点が浮気だと言えるのではないかと思います。

たとえば、本命の彼氏以外の男性のことを好きになった。この気持ちを本命の彼氏には言えない、申し訳ない――こう思ったなら、それは浮気でしょう。

反対に「エッチしてないから浮気じゃないし、好きになった男性と食事に行ったり飲みに行ったりすることの何がダメなの？」と、心底思っている人にとっては、浮気ではない。

本命の彼氏の立場から見たときは？

本命の彼氏の立場から、つまり相手からあなたの浮気を見たとき、これは、相手が浮気と判定すれば、それが浮気でしょう。

反対の立場を思えばわかりやすいでしょう？あなたの彼氏が、会社の女子と頻繁にLINEしている「だけ」であっても、その現場を目撃したあなたは「彼氏は浮気している！」となって怒るわけでしょ？

浮気の明確な定義がそんざいしない理由

つまり、浮気って、3つの見方ができます。社会制度から見た浮気、あなたから見た浮気、あなたの彼氏から見た浮気、の3つです。

すなわち、あなたと社会との関係、あなたから見たあなたと彼氏との関係、彼氏から見たあなたと彼氏との関係、この3つの関係が、微妙に複雑に絡み合っているのが浮気です。だから、浮気にこれといった絶対的な定義が存在しないのです。浮気はあくまでも、相手との関係によって規定されるからです。

関係に対する関係もあるから、話がややこしいのです

さらに言えば、「関係の中身」も「どこからが浮気なのか」を決める、重要な要素です。

つまり、たとえば、彼氏とあなたとの関係が、旧知の友のような（濃い親友のような）関係の場合、その関係から、あなたの浮気（彼氏以外の誰かのことが好きなだけ）を見ると、彼氏をおおいに裏切る行為に思えてきたりしますよね。

それが、彼氏との関係が「合コンで知り合っただけの遠い関係」であれば、あなたが彼氏以外の男子とエッチしても「まあ、1回くらいなかったことにすればいい」と思って、罪悪感もなにも抱かなかったりしますよね。

隠したいと思ったらそれが浮気

関係に対する関係があり、それらに対して、たとえば社会との関係も微妙に絡んできて、という具合に、浮気にはどこまでも自分以外のものとの関係がついてまわります。

つまり、要するに、浮気が表面化して問題になれば、ややこしい関係から、ややこしい問題が生まれるということです（当たり前だけど）。だから、あなたが「これは本命の彼氏に＜絶対に＞隠し通したほうがいいだろう」と思える行為（心の動きも含む）――これが浮気。

「隠したいと思ったらそれが浮気」なのです。

（ひとみしょう／作家）