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【私、子ども欲しいかもしれない。 第2話 】子どもを持つかどうか

  • 2019.5.25

「子ども欲しいけど、実際どうなの?」人気コラムニスト犬山紙子が育児体験者の話を聞いて考える「出産・育児」のリアル。
保活、育児分担、二人目問題…母親の本音炸裂! 『私、子ども欲しいかもしれない。』より(全19話 連載)



犬山紙子、 34歳。2014年8月32歳の時に同世代の夫・つるちゃんと結婚した。それからずーーーっと悩んでいることがある。

いまは、非常に楽しい。私は小学生の頃から、「一生働きたいな。私が働いて、旦那さんが家事をやってくれるのがいいな」と夢見ていて、ラッキーなことにつるちゃんは、家事をするのを楽しいと、なんでもやってくれている。

うん。この生活には心の底から満足しているんです。でもずっと、「子どもを持つかどうか」ってことをめちゃくちゃ悩んでいる。周りから「子どもはどうするの」なんて言われることも増えてきて、焦りもある。

でも、自分の本当の気持ちが分からない。だって私、「うおーーー子どもが欲しい 」って思った瞬間が……、一度もないんです。

いままでの人生、「漫画読みたい」「彼氏が欲しい」「美味しいご飯が食べたい」「お金が欲しい」「ちやほやされたい」みたいな欲求があって、そのために行動してきた。

もともとニートだった私が、4年前、ブログをきっかけに『負け美女』という本を出すことになって、ありがたいことに執筆のお仕事も増えて、いまではテレビのコメンテーターもやらせてもらっている。なんとかいままで、自分のことは、辛くて逃げ出したいこともあるけど、とにかく必死に向かい合ってきました。



けど、子どもに関してはそういう感じじゃない。

「あれ? 年も年だし産むのならもう産んだほうがいいんじゃないの?」
「いま、仕事もプライベートもめっちゃ楽しいから変わりたくない、いまのままでいたい」
「でも、健康で仕事が充実してるいまが楽しいのは当たり前で、人生ずっとこのままという保障はない」
「フリーだから、産休で仕事を休むとダイレクトに収入がなくなりそう、不安」
「友達からは保育園に入れるのもすごく大変って言われる……」
「でも、将来子ども産んどきゃ良かったって後悔するのも怖い」
「でもでも、子ども産んだら自分の時間、なくなるんでしょ?」
「でもでもでも、自分が将来、病気になっても、子どもがいてくれたらどれだけ心強いだろう」
「でもでもでもでも、子どもが面倒見てくれるって考え方って、どうなの?」



楽しいことよりも、ネガティブな考えがフワフワと現れてはどこかへ行っての繰り返し。目を閉じて老後を想像しても、孫に囲まれてニコニコしている自分は想像つかない。

むしろじーさんばーさんで集まって、茶を飲みながら、めっちゃモンハンやってる場面ばっかり思い浮かぶ(これは老後の夢の一つ)。

将来のことを考えるのは、実は、ものすごく不安です。だから、分かりもしない未来を想像して、自分勝手な意見で逃げてるだけなのかもしれない。

適当な御託並べて、逃げて、逃げて、逃げて、酒吞んで、寝て、忘れて。そんなふうに毎日を過ごしていたある日、地元に帰った時に二人の子どもを持つ姉がこんなことをボソッと言った。

「もっと早く産めば良かったなあ。そしたらこの子と一緒に過ごせる時間がもっと長 かったのになあ。自分が死ぬまでしかおられへんねんで。短すぎる」

もしかしたらこの姉のセリフは、ドラマや小説なんかで言われていたりして、皆さんは聞いたことがある言葉かもしれない。でも、私にはすごく響いたのです。

つづく

私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました』犬山紙子著(平凡社)

(犬山紙子)

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