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身体ナビゲーションVol.43「月経と女性ホルモン」

  • 2015.3.20
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

女性ホルモンと言えば、どちらかというとアンチエイジングに作用するなどとしてエストロゲンの方が認知度が高い と思いますが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(卵黄ホルモン)の2種類の女性ホルモンによって月経のコントロールがされています。今回はその2種類の女性ホルモンについて解説したいと思います。

●女性ホルモンはどのように分泌されている?

多くの女性が経験する生理前の吹き出物やイライラ、わけもないのに悲しくなったり涙が出たりという体だけでなく心の変化も起こしてしまうのが女性ホルモンです。

エストロゲンもプロゲステロンも脳の視床下部が下垂体に指令を出し、下垂体がFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)という2種類のホルモンを分泌し、この2つのホルモンが卵巣に働きかけてエストロゲンとプロゲステロンも分泌されるのです。

視床下部では血液中に含まれるホルモンの量を常にチェックして、ホルモンの分泌量を調整しています。

●排卵と月経のサイクル5つ

女性の体は約1か月のサイクルでエストロゲンとプロゲステロンの作用によって排卵と月経を繰り返しています。

●(1)卵胞の成長

女性は生まれるときに原子卵胞と呼ばれる卵子を育てる袋(卵胞)を卵巣に約500万個蓄えていて、思春期になると毎月数個が卵巣の中で成長し卵胞となります。卵胞は生れてから作られることはないため、近年、卵子の老化が話題となっているのです。

●(2)着床の準備

着床とは受精卵が子宮内に定着し発育の準備を始めることをいいます。エストロゲンが分泌されると子宮内膜に厚みがでて、子宮の中で育つ赤ちゃんのための柔らかいベッドを用意します。

●(3)排卵

ベッドが完成すると卵巣の中で育った卵胞の中で最も大きい卵胞から卵子が飛び出します。

●(4)卵胞から黄体へ

卵子が飛び出した後は卵胞は黄体と呼ばれる組織に変わり、そこからプロゲステロンが分泌されるようになります。卵子は受精に備えて卵管采を通って卵管に入ります。

●(5)月経

卵子が精子と出会わず、受精しなければ赤ちゃんのために準備したベッドが不要となるので、剥がれ落ちて血液と一緒に排泄されます。これが月経の出血です。

●PMSとは

冒頭で紹介したように女性ホルモンは視床下部にコントロールされてはいるのですが、プロゲステロンが急激に増加すると視床下部が対応しきれなくなり、体のムクミややる気が起きない、食欲が止まらなくなり過食してしまうなどの症状が現れます。

視床下部でホルモンなどの情報を読み取る力が低下すると、自律神経にまで影響がおよび、血流の低下やイライラ、不安になるなどの症状が強く出ることがあります。これをPMS(月経前症候群)と呼び、睡眠不足やストレスを多く抱える女性や食生活に偏りがある女性の多くがPMSに悩まされています。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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