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レトロな魅力いっぱい!山口県萩市でノスタルジックな1日旅さんぽ

  • 2019.5.1
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近代日本のはじまりの地、山口県萩市。日本海へと流れ込むふたつの川がつくった三角州のうえに発展したこの町には、文化の香りが豊かにただよっています。今回は、そんな萩の町を1日旅さんぽ。昔ながらの町並みや全国的に有名な萩焼の窯、地産地消のグルメなど。ノスタルジックで和風レトロな旅さんぽです。

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萩の町を築いた毛利氏の菩提寺「東光寺」
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ことりっぷ

萩城やその城下町を築いたのが毛利家。その奇数代の藩主と夫人が祀られている菩提寺が「東光寺」です。敷地の入り口は、黄土を焼いて作る顔料・ベンガラで赤く塗られた「総門」。萩出身の名僧・慧極のものだと言われる「護国山」と書かれた大きな額が飾られているのが印象的な門です。

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本堂「雄大宝殿」の外観

入り口の総門をくぐって奥のほうへと歩みを進めていきます。正面に見えるのが、中央の大きな門と左右の小さな門をそなえた「三門」。重厚感あふれる、まるで歴史の厚みを体現したようなどっしりとした姿をしています。

その先にあるのが東光寺の本堂「雄大宝殿」。この建物の名前は、「お釈迦さまがいらっしゃる所」という意味を持っているのだとか。昔はここで日々、修行者がお経をよんでいたそう。建物の内部は、畳ではなく土間になっているのも特徴です。

天井から吊り下げられている大きな魚の彫刻もこのお寺の見どころのひとつ。これは「開ばん」という木魚の原型になったもので、これを叩いて食事や法要の時間を知らせていたそうです。

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このお寺で必見なのが、本堂のさらに奥にある約500基のの石灯篭が置かれている毛利氏のお墓。これらの石灯篭は毛利家の家臣たちが寄進したもので、仕えていた藩主とその夫人の法名、寄進者の名前が刻まれています。

毎年8月15日には「万灯会」という催しがここで開催され、すべての石灯篭に灯がともされます。その様子は、この世とは思えないほど幻想的で、萩の夏の風物詩にもなっています。

近代化の重要人物を多数輩出した「松下村塾」
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「松下村塾」の外観

江戸時代末期に活躍した多くの人材を輩出した「松下村塾」。江戸時代末期の精神的な指導者であった吉田松蔭が主宰していた私塾で、松蔭神社の敷地内に今も現存しています。当時、多くの武士や庶民の子弟たちが、ここに教えを請いに集まっていました。

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吉田松蔭の像や肖像画が飾られている講義室

「松下村塾」の建物は瓦ぶきの平家です。そのなかの8畳の部屋が講義室として使われていました。吉田松蔭が主宰していたのはわずか1年くらいだったそう。その短いあいだに日本の近代化を推し進める人物が数多く輩出されたのです。

小さな建物なのですが、その歴史的な重要度から「明治日本の産業革命遺産」のひとつとしてユネスコの世界文化遺産に登録されています。

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「松下村塾」のある松蔭神社の敷地内には、松蔭食堂というレストランがあり、うどんやそば、だんごなどをいただけます。とくにおすすめなのが、名物「松蔭だんご(税込350円)」。炭火で焼き上げた団子に甘辛いゆず味噌だれをつけて食べます。とてもやわらかくて香り豊かなだんごです。

萩のレトロで新しい観光起点「萩・明倫学舎」
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「萩・明倫学舎」の外観

かつて萩藩の人材育成の中心地だった藩校明倫館の跡地で開校されていた明倫小学校。平成26年3月までここで授業を行っていましたが、現在は「萩・明倫学舎」として重要な観光起点に生まれ変わっています。本館は無料のエリア、2号館は有料の展示エリアとなっています。

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復元された小学校時代の教室

本館には、インフォメーションセンターやレストラン・カフェといった飲食スペース、小学校として使用していた当時の様子を復元した教室などがあります。2号館は、萩市内の世界遺産を紹介する「世界遺産ビジターセンター」と幕末期の貴重な資料などを展示する「幕末ミュージアム」。

吉田松陰などが登場するVR作品を体験できるスペースもあり、人気コンテンツのひとつになっています。

旬の味覚を少しずつ楽しめる「萩暦」
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ランチタイムは、明倫学舎の本館1階にあるレストラン・カフェ「萩暦」へ。白を基調とした清潔感あふれる店内で、萩の旬の食材を使用した創作和食が食べられます。おすすめメニューは「萩暦ランチセット(税込1,436円)」。大きなカゴのなかに色とりどりの7種の小鉢が並んでいる華やかなセットです。

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萩沖でとれた新鮮な魚を使用した刺身盛りの小鉢やご飯、汁物も。萩の旬の味覚をちょっとずつ、バラエティ豊かに食べられるのがうれしいですね。彩りも豊かで分量もそれほど多くないので、とくに女性に人気があるメニューなのだとか。

豊かな自然に囲まれた萩焼の窯元「大屋窯」
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萩の町を訪れたなら、ぜひ足を運んでおきたいのが萩焼の窯元です。この地を治めていた毛利氏の御用窯として発展した歴史を持つ陶器・萩焼。その伝統は現在でも、この地で受け継がれ息づいています。

街中を少し離れて向かうのは、山のふもと、近くに小川が流れる豊かな自然のなかで営まれている窯元「大屋窯」。1969年、日本だけでなく国際的にも著名な作家・濵中月村氏によって開かれました。

道路沿いにあるショップでは、多くの普段使いの器たちが展示・販売されています。

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萩の土と天然の釉薬を使用した、シンプルかつ表情豊かな萩焼。空間の和洋を問わず、それぞれの場に馴染みながらもやさしくその存在感を主張しています。これらの陶器にどんな料理を盛り付けるのか。そんなことを想像しているだけで楽しくなってきますね。

焼き物だけでなく、敷地内の空間自体がひとつの作品世界を構成しているのも大屋窯の魅力。ぜひ旅のルートに加えてみてほしい窯元です。

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濱中孝子氏のハンドメイドジュエリー

大屋窯では、開窯した濵中月村氏の作品だけでなく、モダンでスタイリッシュな濱中史朗氏の作品や、ハンドメイド・ジュエリー作家・濱中孝子氏の作品も展示・販売されています。それぞれの作家の共通点や違いなどが垣間見られるのも、この窯元を訪れる楽しみのひとつ。

繊細な感性で丁寧に手作りされたジュエリーは、萩焼の持っている美学とも共鳴しているようにも感じられます。ここでお気に入りの作品と出会えたら嬉しいですね。萩のアーティスト作品を、手元に残る旅の思い出にしてみてもよいかもしれません。

日本庭園がある古民家カフェ「庭園カフェ 畔亭」
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萩城の城下町を散策したあとは、古民家をリノベーションした「庭園カフェ 畔亭」へ。約800坪の美しい日本庭園がある古民家カフェです。2018年春にリニューアルされ、和風レトロにスタイリッシュなモダンさが加わりました。

お店の名前は、旧萩畳の外堀沿い、つまり畔にあることに由来しているのだとか。

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枯山水の日本庭園

この古民家カフェの特徴は、どの部屋からも枯山水の日本庭園が楽しめること。もともとは地元の網元が建てた民家だったそうで、庭園を建物が取り囲むように建てられています。広々とした日本庭園はいつも美しく剪定されていて、四季折々の風景を楽しめる贅沢な古民家カフェです。

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カフェラテと抹茶テリーヌ

メニューには、こだわりのコーヒーやラテアートが楽しいカフェラテ、自家製のスイーツなど。ランチも営業もしていて、萩沖でとれた魚など、地産地消のメニューが魅力です。

写真のスイーツは「抹茶テリーヌ」。滑らかな舌触りで抹茶のおいしさがダイレクトに楽しめます。もちろん、コーヒーとの相性もばっちり。さりげなく萩焼きの器が使われているのもポイントです。

和風レトロが今に息づく山口県萩市で1日旅さんぽ♪
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ことりっぷ

日本近代はじまりの地・山口県萩市。ユネスコの世界遺産や地産地消のご当地グルメ、由緒ある伝統を受け継いでいる萩焼の窯元など。ノスタルジックな雰囲気を今に残しながらも、現在についての思いも巡るような、和風レトロな1日旅さんぽしてみませんか。ちょっとタイムスリップしたような、そんな気分になれますよ。

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