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ジャガイモ料理のレシピは1000種類以上!お水よりビールが安い国!ドイツ

  • 2019.5.2
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日本の「一汁三菜」、冷たいメニューがほとんどない中国、イタリアの甘い朝食…。食事には、その国の特徴や国民性がよく現れます。それでは、ヨーロッパの真ん中に位置し、EUの中心国の一つであるドイツでは、普段どんなご飯を食べているのでしょうか?まずは、ドイツ料理の特徴からチェックしてみましょう!

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ジャガイモにはじまって、ジャガイモで終わる!

ドイツ料理を語る上で、外せないのはジャガイモ。「ジャガイモのスープ」「ポテトサラダ」「マッシュドポテト」をはじめ、ジャガイモ料理の種類はなんと1000種類以上もあるのだとか!

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AS Food studio /Shutterstock.com


カルトッフェルザラート(Kartoffelsalat)というゆでたじゃがいもを酢や油で調味したポテトサラダ、カルトッフェルピュレー(Kartoffelpüree)というバターやクリームで味付けしたマッシュポテト。カルトッフェルプッファー(Kartoffelpuffer)と言うジャガイモをすりおろして焼いたパンケーキ風の料理や、ブラートカルトッフェルン(Bratkartoffeln)といういわゆるジャーマンポテトなど、調理方法はたくさん!

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カルトッフェルザラート(Kartoffelsalat)/ポテトサラダ Slawomir Fajer /Shutterstock.com
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カルトッフェルピュレー(Kartoffelpüree) /マッシュポテト Martin Rettenberger /Shutterstock.com
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カルトッフェルプッファー(Kartoffelpuffer)/ジャガイモのパンケーキ風の料理 Timolina/Shutterstock.com
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ブラートカルトッフェルン(Bratkartoffeln)/ジャーマンポテト Food Studio Weymann /Shutterstock.com

コロンブスがインカ帝国から持ち帰ったというジャガイモ。はじめはゴツゴツとした見た目から、庶民に嫌厭されていましたが、戦争や飢饉を経て、ドイツ庶民の食べ物となりました。荒れた土地でも簡単に育ち、長期保存が可能なところに注目した国の指導者たちがキャンペーン活動を行ったところも大きかったようです。今では、主食級の扱いにくわえて、ジャガイモの化粧品や石鹸まで発売されており、ミュンヘンには「ジャガイモ博物館(Das Kartoffelmuseum)」なるものもあるのだとか。日本人にとっての、お米みたいですね!

また、ヴルスト(ソーセージ)やキャベツを乳酸菌で発酵させたザワークラウトといった、保存食が豊かなのもドイツ料理の特徴。寒冷で土地が痩せていたため、食材が不足しがちだったドイツ。こういった長期保存が利く料理は、重宝されてきました。

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Karl Allgaeuer /Shutterstock.com

下記の写真はドイツの首都ミュンヘンで朝に食べられる白ソーセージでヴァイスヴルストとよばれるもの。なんとソーセージの種類は1500以上も存在するそう。

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Massimiliano Gallo /Shutterstock.com

なんとお水より安い!?ビール大国ドイツ

国内には、なんと1500箇所のビールの醸造所があり、5000種類以上のビールがあると言われています。また、1516年にバイエルン公ヴィルヘルム4世によって制定された「ビール純粋令」は、「ビールの原材料は大麦、ホップ、水(後に酵母が追加される)」と定めた、世界で一番古いと言われている食品関連の法律なのだとか。

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r.classen /Shutterstock.com

ドイツや欧州圏では、「酔っ払うこと=ダサい」と考えられるのが、酔っ払うほどしこたま飲むといったことはほとんどありません。ただし、オクトーバーフェストとクリスマスの期間には、いつもと違うドイツ人を見ることができるかもしれませんよ。日本でも最近見ることが多いオクトーバーフェストは、バイエルン州の州都ミュンヘンで開催される世界最大規模の祭りです。広大な場所で9月半ばから10月上旬に開催され、本場ミュンヘンのオクトーバーフェストには毎年約600万人が訪れているそう。

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anandoart /Shutterstock.com

温かい食事は一日に一回!?

「質実剛健」や「倹約家」といったイメージがあるドイツ。普段のご飯はどんなものを食べているのでしょうか?ここからは、一般的なドイツのごはんをチェックしていきしょう!+

<朝食>

黒パンやプレッツェルに、ソーセージ、バター、チーズだけという家庭が多いです。家庭によってはシリアルだけ、というこころも。いかに手間と時間をかけず、済ませるかがポイントです。

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Todd Taulman Photography /Shutterstock.com

<昼食>

ドイツでいちばんウェイトが大きいのがランチ!がっつり食べます。家庭にもよりますが、お昼に温かい食事をとる家庭が多いようです。メニューは肉料理のメインと、スープ、ジャガイモ料理などが多いですが、平日の場合は、冷凍食品などで済ますこともしばしば。お皿は一人一皿で、いろんな料理をそこに盛り付けます。

休日は、家庭にもよりますが、父親が肉料理を作っている間に、母親がサラダを作るなど、家族で時間をかけてしっかり調理をし、食事を楽しみます。そう、ドイツでは男性が料理するのは当たり前。ケーキを作ってくれたり、後片付けをしてくれたりする人が多いようです。子どもたちも小さいときからそんな父親を見て育っているので、普通に料理を覚えるのですね。

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Shebeko /Shutterstock.com

 

<夜食>

「カルトエッセン=冷たい食事」とも言われるドイツの夕食。「調理しない」の意味でも使われ、作り置きのゆで卵や、市販のチーズやハムをパンに挟んで食べます。日本では、昼は適当で夜はしっかり食べる派が多いかも知れませんが、ドイツでは逆。「夜はもう寝るだけだから、少しでよくない?」と考える人が多いようです。
ドイツでは美味しいハムやチーズがとってもお手頃なのも理由の一つ。準備は、これらをテーブルに並べるだけ!5〜10分あれば済んでしまいます。買い物や下ごしらえの手間もありません。

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HETIZIA /Shutterstock.com

いかにキッチン(住まい)がキレイかが重要!?

ソーセージやパン自体は美味しいものの、シンプルでレパートリーが少ないため、グルメな人なら、途中から飽きてしまうかもしれないドイツ料理。しかし、メリットもたくさんあるのです!ドイツの平均的な独身労働者(子どもなし)の税負担は賃金の52%で世界第3位。なので、一般家庭では、節約は必須。普段は質素な食事で、バカンスやクリスマスなど使うときに使う、といったパターンが多いようです。また、簡単な食事をすることで、家事の負担も減ります。余った時間は、家族での団らんや、自分のために使うこともできるのです。

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Kzenon /Shutterstock.com

そして最後に、台所が汚れない!ドイツのお家は、雑誌から抜け出して来たかのような素敵なインテリアがたくさんあります。食事に掛ける情熱を、すべてこちらに注いだのではないかと思いたくなるような美しさ。そこには、おそらく長い冬や、プライベートを重んじる文化があるのでしょう。もちろんキッチンだって同じ。ドイツ式の料理だと、驚くほどゴミや不要になった食材が出にくいんです。

シンプルながらも、奥深いドイツ料理。現地で一度はトライしてみたいものですね!

次回はさっぱりしたドイツ人の恋愛などドイツの文化についてお届けします!お楽しみに!

 

Writer: 立岡美佐子
旅とごはん、猫を愛する、編集者&ライター。大学卒業後、一般企業に勤めるも、旅好きが高じて編集者に転職。旅行やグルメをメインに企画・編集・執筆などを経験してきました。現地でしか体験できない情報や面白ネタを、わかりやすくお届けできればと思っています!

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