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「3つのキャリアとNEO時短で、幸せに効率よくゴールにたどり着く」27歳女社長の自分らしい働き方とは

  • 2019.8.20

世間の常識に囚われず、自分らしい働き方をされている方にお話を聞いているこの企画。今回は大企業で正社員として働きながら、学生時代に企業した会社の社長も務め、さらに政界とも繋がっている!? 一見、スーパーキャリア志向と思いきや、「一番大切なのは、家族と友達」と語る、正能茉優さんの新しい働き方について取材しました。

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正能茉優さんの「私らしい働き方」とは?

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Qご自分の会社の社長を務めつつ、それ以外に正社員としても働いていらっしゃいますが、本業と副業という概念はあるのでしょうか?

私には本業と副業という概念はあまりないんです。今は大体会社員2:ハピキラ2:大学助教1っていうバランスですね。3つの仕事をしているのは、全て自分のやりたいことだから。“ビュッフェキャリア”と私は呼んでいるんですが、“好きなことを、好きなバランスで、好きなだけやる”ということが、人生の幸せの基本だと思うんです。そのビュッフェの項目には、仕事だけではなくて、家族や友人との時間も同列に入ってくるので、家族や友人との時間も、大切にしたいと思っています。

−−では、ご自身でやられている、ハピキラのお仕事はどのようなことをされていますか?

「かわいい」を入り口に、地方の商材に女性・若者目線を加え、認知拡大や購買につなげるプロデュースや、その過程をクライアントさんの社員さんと一緒に行うプロデュースプログラムなどをしています。
商品のプロデュースだけだと、どうしても、その商品で成果が完結してしまうんですよね。ですので、継続的にそういった目線で商品が作れるように、社員さんに向けた研修プログラムを始めました。
打ち合わせは、リアルとオンラインのミックスでしています。
全てリアルでないからこそ、リアルで会う時間もつくれるし、効率的に時間が使えるんです。

ーー3つのお仕事をされている正能さんですが、現実として、一つの会社に縛られていたり、正社員として働きたいと思っている人が多数いると思います。同時に2つの仕事をこなすということに、なかなか一歩踏み出せないというか…

踏み出すことに戸惑いを感じる人は、世の中のしくみがもっと整ってから踏み出すという選択肢もあるのではないでしょうか。「働き方改革」と聞くと、このままじゃいけないと思ってしまうかもしれない。でも向き不向きだってあるし、ストレス耐性も人それぞれ。だから、一つの会社で働いていて、それなりに満足している自分を無理に奮い立たせて、新しい働き方を勝ち取る必要があるのかというと、必ずしもそうではないと私は思います。

−−と言いますと?

働き方に関して、今の世の中はまだ過渡期。ムード感こそあるものの、会社とか個人にまだそれが実体として落とし込まれていない時期なんですよね。今後、過渡期が過ぎて、頑張らなくてもそれがスタンダードとなる時代がもし来たら、その時に動く人がいてもいいかなと。
今はまだ、会社に対して、勇気を持って何かを主張しないと、好きな働き方を勝ち取れない人が多いはず。そこまでは頑張れないと思うなら、“待つ”ということもひとつの戦略かと思います。

−−なるほど。最近はさらに、パラレルキャリアについて、注目されている視点があるとお伺いしましたが。

そうですね。これまでのパラレルキャリアって、「好きなことを仕事に」といった自己実現の目線での、働くことにスーパーアクティブでスーパーポジティブな視点で語られてきがちでした。つまり、働くことに対して、アクティブでポジティブな人にとってのパラレルキャリア。
でも、昨今、終身雇用の限界に関するニュースを見るようになって。そう考えると、実は、安定して働きたい人ほど、次の会社、次の組織といったの第2のキャリアへの伏線みたいなものを持っておく必要がある。だから、守りとか、保険といったう意味でのパラレルキャリアでもあるんじゃないかと思うようになりました。

−−保険としてのパラレルキャリアですか。でもやはり、守りの姿勢だとほかの仕事を始めるのはかなりハードル高いと思うんです。

そうなんです。だから、「~~“を”したい」ではなくて、「~~“も”したい」というパラレルキャリアなんです。
何かを始める時、何かを手放すのって怖いですよね。私は「だったら手放さなくていいじゃん」と考えています。例えば、正社員の仕事はそのままに、何かも始めるということであれば、怖さや戸惑いも減るんじゃないかなと。
いわゆるライスワークと呼ばれる、日々ご飯を食べて生きていくためのる仕事をキープしたまま、次の選択肢としての何かも仕込んでいくという意識です。
そんな守りの文脈でのパラレルキャリアという視点も、これからは可能性があるんじゃないかなと考えました。

−−3つの仕事を持っていると、時間がなくなったり、詰まったりなどはしませんか?

そうですね、そういう時ももちろんありますが、私は、常に“自分の1時間あたりの価値を最大化したい”と考えています。
というのも、先ほどもお話しした通り、私は、家族や友人との時間がすごく大事なタイプなので、自分の人生を働く時間にだけ使うというのは避けたいんです。でも、働く時間を短くした分、仕事の内容がつまらなくなったり、お金に困ったりすることも避けたい。そのためには、自分の「1時間あたりの価値を最大化」して、限られた時間でもしっかり仕事で価値を出さなくてはいけません。そんな、価値を下げずに、でも時間は減らす「NEO時短な働き方」を目指しています。

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−−今後、正能さんが力を入れてやっていきたいことはなんですか?

うーん、「自分を幸せにすること」と「社会を幸せにすること」の両立です。
内容としては、やはり、”地域を元気にする“ことに注力していきたいと思います。と言っても、自分の人生を犠牲にして、そういうことを頑張るのではなくて、自分の好きな「物を可愛くする」という行為を通して、世の中がちょっぴり前向きに転がったらいいなと思っています。自分の好きなことや得意なことが、をやってそれが、結果として、地域を元気にすることに結び付けばいいなという考え方なんです。

そして、もう1点。”地域で異質な存在は、どう活躍していくか。それは地域にどんないい影響をもたらしていくか“についても、考えていきたいと思っています。地方自治体において異質な存在をどう活かしていくかというところについては、極めていきたいですね。
例えば、慶應の学生が地方のまちに入ったとき、異質な存在である若者がどう地域に影響をもたらすか。本当はその組織や環境にいるはずのない人間が、外部から入ってくると、環境はどう変わっていくのかということを考えてみようとしています。

Q正能さんの、そのパワフルな働くモチベーションってどこからくるんでしょうか?

モチベーションというか、心配性なんです。「このまま30代突入して私は大丈夫なのか?」とか「今の人生の延長線上に、5年後もいられるのかな?」とか考えちゃう。不満は一つもないんですがよ、不安なんです。
でも、そんな自分を知っているからこそ、そのネガティブなもしもという感情を、意識的に「ポジティブもしも」に変えるようにしています。

−−ポジティブもしも派?

そう、「もしも、うまくいかなくなったらどうしよう」というネガティブなもしもではなくて、「もしも、やりたいことが見つかったら」とポジティブなもしもです。
そうすることで、漠然とした心配をしなくてもいいようにしています。
そういった心配がなくなると、ゴールが明確になり、常にゴールに対して、的確に行動していけるようになる。
この意識を持たないと、永遠に頑張らなくちゃいけなくなって、それこそ、家族や友達との時間がとれなくなる。だから自分のやりたいことのために、さくっと言いたいことは言うし、さくっと必要な行動は起こします。

−−合理化、時短ですね?

そうですね。でも、これまでの時短って、時短だから犠牲にすることもある、という発想だったと思うんです。でも私が目指したいのは、“ネオ時短”。“時短なんだけども通常の目的以上のゴールを目指したいんです。
例えば、食事で手を抜くとなると、これまではレトルトカレーとなっていたところを、どうしたら「手は抜くけど、おいしくて、栄養もとれて、見た目も素敵なごはんがつくれるんだろう?」という発想。

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出典:首相官邸ホームページを加工して作成/左手前から2番目が正能さん

Q最近、地域のことで、また新たなお仕事を始めたとお伺いしました。

はい実は内閣官房の「まち・ひと・しごと創成本部」の有識者委員になりました!地域を元気にする基本方針となる「まち・ひと・しごと創成総合戦略」について考えています。やっぱり、自分の軸となる地域の仕事に時間を使いたいなと思いまして。

−−正能さんは、このプロジェクトを通して、自身はこういう風になりたいとか、こういうことを伝えていきたいみたいなものはありますか?

そこに関しては、明確です。ほかの委員の先生方は、年も経験もかなり先輩の方々ばかりなので、「若者」や「まだ経験の浅い人」がどう地域とかかわっていくかということを、リアルな目線で考えていきたいと思っています。だから私は、当事者の目線、実際に活動している目線として、リアルに感じていることや、もっとこうなってほしいと思うことを発言しています。

−−でも、その有識者委員、すごく緊張しそうですね。

それはもう、緊張しますね。私はラーメンが大好きなので、いつも行く場所にあるラーメン屋さんを楽しみにその地に行くのですが、緊張で食欲がなくなるので、まだ官邸の近くのラーメンを食べられていません。(笑)
でも、せっかくそのような場で意見を言う機会をいただいているので、同世代の仲間や後輩たちが、もっと地域とかかわりやすくなるようにしていく責任も感じています。

Q最後に、お伺いしたいんですが、3つのお仕事をされていて、正能さんが思う、仕事を成功に導くまでに必要なことは?

うまくいくまでやめないこと。成功だと思えるまでは「調整」の繰り返しですね(笑)。
新しいことを始めるとかイリノベーションとかって聞くと、もっとかっこいいことを想像すると思うのですが、実はそうじゃないんです。だいたいの物事は、調整なしでは進まないので、粘ってひたすら調整をして、やっと楽しいことや新しいことができる。だから私は毎日、ペコリしています。それは無理だよって言われても、「そこをなんとかお願いします」とお願いし続ける毎日です。

 

Special Thanks
正能茉優
Edit:TRILL編集部

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