1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 小学校入学準備「時間通りに行動できない…」できるといい3つの生活習慣【新一年生にママパパが「やっていいこと、いけないこと」 第1回】

小学校入学準備「時間通りに行動できない…」できるといい3つの生活習慣【新一年生にママパパが「やっていいこと、いけないこと」 第1回】

  • 2019.3.29
  • 89914 views



もうすぐ4月。年長組さんもいよいよ小学生の仲間入り。今からソワソワしているお子さんも多いのではないでしょうか? 一方の親御さんはいかがでしょう。

今回は、入学前に身につけておくべきこと・やってはいけない日常習慣について、子育て本の著者であり講演家の立石美津子さんにお話をうかがいました。




お話をうかがったのは…
立石美津子(たていし・みつこ)さん


聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後、20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。『一人でできる子が育つテキトー母さんのすすめ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など著書多数。『発達障害に生まれて(ノンフィクション)』のモデルでもある。
オフィシャルブログ
http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/



■小学校という未知の世界「子どももママも不安がいっぱい」

――立石さんは学習塾の経営をはじめ、保育園・幼稚園での講演活動、教育本の執筆など、長年にわたり教育の現場で活躍されていますね。

立石美津子さん(以下、立石さん):おかげさまで、さまざまなお子さんやその親御さんと関わらせていただいています。子どもたちはみんなエネルギーにあふれていて、お母さん方も子育てや教育に熱心に取り組んでいられる方が多く、私の方も教わることがたくさんあります。

その一方で、周囲に情報がありすぎるせいなのか、どのように我が子を育てていけばいいのか、漠然と不安を抱えている母さんが多いのも事実です。

さまざまな心配事の中でも、小学校入学前までに何を身につけさせておくべきなのか、質問を受けることがよくあります。とくにワーキングママは子育てと仕事の両立で手一杯になりがちで、「気づいたらあと数カ月で保育園・幼稚園を卒園だった!」と、入学前に焦ってしまうことがあるようです。

確かに、保育園・幼稚園では保護者と先生方が密にコミュニケーションをとり、子どもの成長を一緒に見守っていくので、親御さんも安心です。

しかし、小学校に上がったら集団生活を送りつつ、同時に勉強も始まります。「友だちができなかったらどうしよう」「授業についていけなかったらどうしよう」と、お母さん方が不安になるのも無理ありませんよね。

――保育園・幼稚園での生活と、小学校での生活はまったく別物なのですね。環境がガラリと変わることで子どもたちも戸惑ってしまいそうです。

立石さん:その通り。3月31日までは“幼児”だったのが、4月の入学以降は“小学生”扱いされ、それまでは下の名前で「○○くん、〇〇ちゃん」と呼ばれていたのが、「○○さん」と苗字で呼ばれるようにもなります。まだまだ幼児の延長なのに。

つまり、一番ストレスを感じるのがお子さんたちなのです。だからこそ、入学前までにある程度自分で考え、行動できるように習慣づけておく必要があるのです。

小学校入学まであと少し。働いているお母さん方は「そんな余裕はない!」となげいてしまうかもしれませんが安心して。保育園・幼稚園卒園後からでも大丈夫。小学校が始まる前までの数週間を使って、ぜひ日常で下記の習慣を心がけてみてください。





■入学前にできるといい生活習慣その1:時計を読めるようにする

立石さん:保育園・幼稚園では先生が「今のうちにトイレに行ってらっしゃい」などと優しく声をかけてくれますが、小学校ではほとんど指示してくれません。チャイムは鳴りますが、基本的には自分で時計を見て、判断しなくてはいけません。

時計が読めれば、「あと5分で授業が始まるから、今のうちにトイレに行っておこう」と余裕をもって行動できるようになります。学校生活を楽しむためにも、入学前までに「何時何分」くらいは読めるようにしておきましょう。




時計を読める=時刻を言えること、ではありません。時間の経過を理解することです。ですからデジタル時計ではなく、文字盤に数字が書いてあり、針のある時計を用意してください。

時計を用意しておしまい、ではありません。日常生活でお子さんにかける言葉を変えるのがポイントです。「早く○○しなさい」と連呼していたところを、時計を組み入れた会話に変えるのがコツです。

「早く起きなさい」→「おはよう。もう6時だから起きようね」

「早く準備しなさい」→「あと10分で8時だね。それまでに準備を済ませてね」

「早く食べなさい」→「7時30分までに食べ終えてね」

時計がわかるようになると、お母さんも楽になります。「あれしなさい」「これしなさい」と指示しなくても、子どもたちは時計を見ながら自分で行動するようになりますから。

自ら時間管理ができるようになることは、自立のために必要なこと。そういった意味では、入学前に目覚まし時計をプレゼントしてあげて、自分で起きる習慣を身につけさせるのもおすすめです。





■入学前にできるといい生活習慣その2:持ち物管理を自分でさせる

立石さん:保育園・幼稚園の持ち物は誰が用意していますか? 働いていると朝はとくにあわただしいので、ついお母さんが用意してしまいがち。でも、4月からは時間割を見て、自分で用意しなくてはならなくなります。

明日から、保育園・幼稚園の準備は自分でする練習をさせてみましょう。戸惑ったら少し手伝ってあげればいいのです。今から自分のものを管理する習慣をつけておけば、小学生になっても抵抗なく準備できるようになるはずです。




また、日常でも食べたら食器は下げる、遊んだおもちゃは元あった場所に戻すなど、片づけの習慣をつけておくのもおすすめ。完璧でなくてもOKです。このような習慣を通して、身の回りのものの整理整頓・持ち物管理ができるようになっていくのです。

また入学後、万一忘れ物をしても届けるのは控えるようにしましょう。例えば、我が子が筆箱を忘れたとします。

「筆箱を忘れてプリントが書けない」

「先生や友だちに借りなくてはいけない」

そんなピンチを経験することで「忘れ物に気をつける」「困ったことがあったら周りに声をかける」といった自立の心が芽生えるのです。

人生で起こる困難を除雪車のようにどかしていくスノープラウペアレンツ(=除雪車ママ)にならないように! 子どもは失敗から学び、成長していくのです。

■入学前にできるといい生活習慣その3:お昼寝の習慣をなくしておこう

立石さん:小学校では朝8時から15時くらいまで授業があります。給食を食べた後、保育園時代のお昼寝の名残で眠気が襲ってくると…午後の授業が持ちません。日中、集中して授業を受けるためにも、お昼寝の習慣は早めになくすのが得策です。

保育園によっては年長組でもお昼寝の時間を設けているところがありますので、そのような場合は、入学準備に向けて「うちの子は30分で起こしてください」とお願いしてみるのがいいでしょう。

また、幼稚園に通っている子も、帰宅後にお昼寝の習慣がある場合はなるべく寝かせないようにして、その分早めに夕食をとり、夜8時くらいには寝かしつけるのがベストです。

これは週末も同じです。「明日はお休みだから夜遅くまで遊んでOKだよ」としてしまうと、結局、月曜の朝に起きるのがつらくなり、生活リズムが崩れてしまいます。土日祝日でも平日と同じ時刻に起きて、寝る習慣を崩さないのが理想です。

保育園・幼稚園は“上げ膳・据え膳”で先生方が子どもの様子を細かく見てくれますが、4月からは小学生。親も子どもも甘えてはいられません!

まずは基本となる日常の習慣を見直してみるのが、小学校生活に慣れるための第一歩なのかもしれません。さっそく実践してみましょう。

続く第2回では、「学習面で入学前に身につけておきたいこと」についてうかがいました。

取材・文/長谷部美佐



(ライターチーム123)

元記事で読む
の記事をもっとみる