1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 人間関係がイヤで転職したい!まず何からやるべき?【ひとみしょうの余談ですみません】

人間関係がイヤで転職したい!まず何からやるべき?【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2019.3.26
  • 22528 views

新卒で入った会社で人間関係がうまくいかなければ、いい大学やいい会社に入るために頑張ってきた自分の人生っていったい何だったのだろうとため息をつきつつ、生きること自体をまるっと放棄したくなる人もいるのではないかと思います。でも、そこで放棄できないのが人生のシビアなところですよね。

今回は、職場の人間関係がイヤで転職したい人は、まず何からやるべきなのかについて、一緒に考えたいと思います。

なぜ日本は新卒至上主義なのか?

日本の就活事情を端的に言うなら、それは新卒至上主義でしょう。第二新卒なんて言葉もあるけれど、第二新卒は不利ですよね。たとえばまっさらな新卒の人と、社会人経験を数年積んだ人とを比較した場合、社会人経験を積んだ人のほうが、社会や仕事に対する理解が深く、即戦力になるからいいだろうと判断するのは、たいてい中小企業で、大手はあくまでも新卒にこだわりますよね。だからみなさんも新卒にこだわって、就活しましたよね。新卒で就職しそこなったら、あわてて大学院に願書を出して「見た目は新卒の院卒」として、次のタイミングで有利に就活ができるようにする人だっていますよね。

僕から見ると、日本の新卒至上主義って、政府と経団連が旗を振って恣意的にそうしているとしか思えないんですよね。なぜなら、大局的に見れば、新卒と第二新卒とで、ほぼなにも違わないから。

新卒を有利にして第二新卒を不利にしておかないと、大企業はいい人材が獲得できない――こういう根拠のない不安が経済界にあるから、新卒だけが有利な市場が生まれているとしか思えないのですが、みなさんはどう思いますか?

職場の人間関係がイヤで転職を試みている人は、何から始めるべきなのか?

さて、そんな歪んだ世の中で、職場の人間関係がイヤだという動機で(転職先の面接で転職理由を正直に言えない状況で)転職を試みる人は、まず何から始めるべきなのか?

世の中には自分の知らない仕事が数限りなくある――こういう認識を持つところから始めてみてはいかがでしょうか?というのが本項の提案です。

新卒とか第二新卒とか、こういうスキルがないと転職に不利だとか、転職したらお給料が上がるとか下がるとか、そういう目先のことばかり考えていると、その必然の結果として視野が狭くなるし、狭くなった視野は息苦しさしかもたらさないから。

そういう時こそ、熱いお茶でも飲みながら「そもそも仕事って何だろう」と、ちょっと哲学ちっくなことを考えてみよう!

そもそも仕事とは何か?

そもそも仕事とは何か?社会に開いている穴を埋めることである――たとえばこういう答えがあってもいいのではないでしょうか。つまり、ごく単純に言えば、道路に穴が開いているとして、その穴をそのままにしておくと誰かが転んで危険だ、だからその穴を誰かが埋める必要がある、それが仕事である、ということ。

仕事を「社会にあいた穴を埋めること」と捉えたら、社会のそこここに穴があることがわかってくるでしょう。そしたら必然的に、その穴を埋める仕事がこの世に存在していることが見えてきます。見ようと思わなくても見えてきます。人の意識ってそういうふうにできているから。

たくさんの穴が見えてきたら、また「困っている人に手助けをするのが仕事だ」と思えるようになれば、自分の人生の可能性に気づきます。必然的に、新卒とか第二新卒とか中途採用とか、そういうことが心底どうでもいいことに思えてきます。そもそも政府も経団連も、新卒至上主義を掲げて、いったい何をしたいのだろう?職場の人間関係に疲れる優しい人の気持ちをまったく理解していないかのような新卒至上主義を標榜するこの国はアホちゃうか?と思えてきます。

少しだけ「他人目線」にしてあげる

転職サイトを見るのもけっこうなことです。転職をキャリアカウンセラーに相談するのもけっこうなことです。でも、この世にあいているリアルな穴を心でとらえることで、困っている人を助けるために働きたいと、今以上に思えるようになるでしょう。

そう、自分目線ではなく、他者目線で、わたしは何ができるのだろうと考えるところに、行きづまった職場の人間関係を冷静に見る目が生まれます。引いては、文字通り新しい自分に生まれ変わるための、意味ある転職活動が生まれます。

転職となれば、自分の収入やポジションに気持ちがいきがちだと思うけれど、そこを少しだけ「他人目線」にしてあげることで生まれる気持ちの余裕――これを持つことが、職場の人間関係に悩んで転職を試みる人に必要なことではないかと思います。

自分のことばかり考えていると、やがて息があがって、うまくいくものもうまくいかなくなるのが、この世のつねだから。

(ひとみしょう/作家)

元記事で読む
の記事をもっとみる