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「美容化学者」かずのすけ先生に聞く!自分に合う化粧品の見分け方

  • 2019.3.19
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クリーム

ブログを始めるきっかけになった「コミュニティ」

さまざまなスキンケア

まず僕が化粧品というものに興味を持つようになったのは、自身がアトピーで長く苦しんだことも大きいです。しかし、肌との相性など、簡単には判断できません。それで、化粧品に記されている成分を見るようになりました。どういう成分が入っていたら、自分は使えないのだろうか。あるいは大丈夫なのか。だんだんそれが自然と見られるようになりましたし、情報も集めるようになっていきました。

情報収集の手段は、まずインターネットで検索することでした。本格的にリサーチし始めたのは、大学1年生のころでしたが、始めたのは、予備校に通っていたくらいだったと思います。当時、10年くらい前のインターネットに掲載されている美容情報はじつに酷いものでした(苦笑)。いわゆる、ステマブログのようなものが横行しているころです。当時の僕は大した知識のないただの大学生でしたが、それでも「この情報は怪しい」と感じるようなものしかなかったのです。

ただ、このとき僕はすでに一応化学の専門だったため、明らかに怪しげなものにはすぐに反応できました。でも一般人にその判断はできるのでしょうか。もしも僕のような肌の悩みを持っている人がそれらの怪しげな情報を信じてしまったとしたら…。それはとても大変なことです。

このときに僕は、特に理由があったわけではないものの、そういった現状を変えていきたいと強い使命感を感じたんです。それでまず立ち上げたのが、Mixiのコミュニティでした。かずのすけは、そのころから名乗っているハンドルネームです。コミュニティには案の定肌の弱い人などからたくさんの悩みや相談が寄せられました。そのあと悩み相談に答えるうちに化粧品の選び方やスキンケア法などのコンテンツができ上がり、ブログで広く発信するようになっていきました。

おすすめ化粧品リストを作っている理由

化粧品はじつに千差万別で、僕がよいと思って作ったものでも合わない人もいます。だから、僕が使っていいと思えるアイテムを紹介したいと思いました。化粧品を選ぶ上で、その選択肢は多くあるほうがいいですから。ただ、適当に商品を選んでいるわけではなく、まず成分を解析してどのような製品か目星をつけ、その中でも特によさそうなものを実際に使用してみて、本当にいいなと僕なりに実感したもののみを「おすすめ」としてブログで紹介しています。

ただし、かずのすけがおすすめしているからと言って、すべてを鵜呑みにはしてほしくありません。これは、ブログでもずっと伝え続けています。

化粧品に高い機能やすごい効果などを求めていくと、じつは肌に合わない率が上がってしまうものなのです。構成する成分の種類がどんどん増えるからです。成分に何らかの機能があるということは、反応性を持っているということでもありますから、肌に刺激が生じやすくなる場合もあります。多機能で高機能を求める今の時代のムードとは真逆かもしれませんが、肌の弱い人にとってこういった機能性が高いものを使うのは、なかなか難しいと思います。
僕の作っている、あるいはすすめている化粧品は、敏感肌だったりアレルギー体質の人、アトピー体質の人などに向けたものです。だからシンプルな処方のものが多い。平たく言えば、「そっけない」。面白くないかもしれないけれど、肌にやさしいもので選ぼうとすれば、素朴なものになると僕は考えています。そういったアイテムの多くは、リスクが低いものになりますから、肌の弱い人にとっては使いやすいはずです。だからと言って、みなさんが満足してくれるものであるかと言えば、そうとは限りません。低刺激性を重視した化粧品にはあまり過度な期待はしないほうがいいでしょう(苦笑)

 

「水分量診断」はひとつの目安!盲信するべからず

化粧水

コスメカウンターなどで常設されている肌の水分量を図る「水分量診断」を気にする女性はとても多いですね。ただ、あの診断はあくまで肌状態の目安的なものであって、すべてを信用する必要はありません。肌の水分保持量は人それぞれ適正量がまちまちです。というのも、角層(肌)の厚さが違っている以上、蓄えられる水分の量も肌質によって全然違います。それを平均化して善し悪しをつけるなど基本的には不可能です。実際、「今日は肌の調子がいいな」と思っていたのに、カウンターで計測してもらったらあまりいい数値ではなかった…という経験を持っている人はかなり多いのではないでしょうか。実際自分の感覚でいいと思っているのですから、本当はそれが正しいのです。
さらに、肌の水分を多ければ多いほどいいというわけでもありません。むしろ水分を含みすぎると皮膚はもろくなってしまう(お風呂に入って皮膚がふやけたような状態)ので、多すぎない適度な水分量が最もお肌にはいいのです。「水分が多いほうがいい!」と信じて化粧水を5回も10回も塗布するという人もいますが、肌のバリアが崩れやすくなるためこれは控えるべきです。化粧水は適量を1回、やさしく包み込むようにハンドプッシュで塗布しましょう。

『オトナ女子のための美容化学 しない美容』(ワニブックス)

『オトナ女子のための美容化学 しない美容』(ワニブックス)

取材・文/渡部玲

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