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皆川明が「ジノリ」の職人と二人三脚で作り上げた陶器“フロレンティア”が完成

  • 2019.3.13
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イタリア発陶器ブランド「リチャード ジノリ(RICHARD GINORI以下、ジノリ)」は、3月12日に皆川明と協業した新作コレクション“フロレンティア(FLORENTIA)”の新作発表会を東京・代官山で開催した。同コレクションは “スペランツァ(SPERANZA)”や“ガイア(GAIA)”に続く5作目。皆川がジノリ本社の職人と二人三脚で完成させた集大成ともいえるコレクションで、プレートやカップはもちろん、トレイなど25アイテムがそろう。皆川がジノリの工房を訪れ、現地の職人らと協業したいと働きかけて誕生したコレクションだ。

“フロレンティア”とは、花の都と呼ばれるフィレンツェのことで、「ジノリ」のベストセラー“ベッキオホワイト”に緑がかったブルーの花が描かれている。発表会で皆川は「ブルーにグリーンが加わったのは、食材や料理と器が一体になるよう考えたため」とコメント。陶器の色出しは時間のかかる工程で、ジノリの300~500色あるカラーサンプルにはない色だったため、特別チームと共に3~4カ月テストを繰り返して完成した。また、25のアイテムで同じ色を出すために、アイテム別に焼く温度を変えるという。

皆川は「合理的に製造されるプロダクトが増える中で、伝統のクラフツマンシップを加えたかった。紙の上で成立していたデザインが、手描き職人らとの協業で磁器の上で成立した。ペンで書いた原画をもとに、工房の手書き部門とデザイン部門と協業することで、文化や技術の交流が生まれた。工房内でのつながりが世界につながるコレクションになれば」とコメント。皆川のデザインにジノリの職人の手描きのニュアンスが加わって、趣深い味わいが出た。モチーフは料理がどのように盛られるかを想定しながら、パーツごとに分解したコピーをデザイナーと一緒に一枚一枚各アイテムに置いて決定。花びらとチョウの向きや関係性も考えられている。“ベッキオホワイト”のレリーフ(凸凹)には柄がのりにくいため通常はのせないが、このコレクションでは計算されてモチーフがのせられている。「手描き職人のプライドをデザイン部門の職人が引き継いでくれたからそれが可能になった。一貫した環境で製造できるジノリの強みで、自分にとっても将来目指す姿だ」。言葉は通じないが、皆川と職人は工房でお互いジェスチャーでコミュニケーションを取りながら制作したそうだ。

“フロレンティア”の価格は3000~2万3000円で、5月15日に発売予定だ。

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