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ゴッホのパレットの中を歩き回る、デジタルアート展。

  • 2019.3.12
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2018年オープンした、19世紀の鋳造工場跡を利用したデジタルアートのためのスペース、アトリエ・デ・リュミエール。1,500平米の広い会場の壁と床をフルに活用して、初回はグスタフ・クリムトとウィーン分離派の作品が体感できる展覧会を開催し、好評を博した。

この2月、第2弾として『ファン・ゴッホ、星降る夜』展がスタートし、開催と同時に予約が殺到しているそうだ。会場で見ることができるのは、合計で45分の3種のデジタルアート。メイン作品は「ファン・ゴッホ、星降る夜」で、ゴッホによる肖像画、風景画、静物画がミックスされ、彼の色彩と詩情豊かな世界へと見るものを誘う。

©Culturespaces_E.Spiller

今回のデジタル・アート展のタイトルにうたわれている作品の『La nuit étoilée(星月夜)』(1888年)。Musée d’Orsay, Paris ©Bridgeman Images

もう1本は短編で、『夢見た日本、漂う世界のイメージ』と題され、北斎の波や桜の花など、ゴッホを魅了し、ゴッホが夢見た日本にまつわるビジュアルをデジタルアートにまとめたものだ。3本目はアトリエ・デ・リュミエールによるオリジナル作品『Verse』で、これは会場内の奥に設けられた小さなスタジオで見ることができる。

今回も音楽のセレクションが凝っていて、壁や床を走り回る絵画の世界によりひきこまれる趣向だ。スメタナの『わが祖国、モルダウ』が桜の花びらの散るさまに興を添え、ヴィヴァルディの『四季』の冬で奏でられるヒステリックなバイオリンのソロが、ゴッホの絵筆の運びに力を添えるといったように。前回はクラシック音楽がほとんどだったが、今回はマイルス・デイヴィスあり、ニーナ・シモンあり、マリア・カラスのアリアあり……と多彩に富んでいる。

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890年)の短い画家人生を共に旅するようなドラマティックな構成は、アートディレクターのジャンフランコ・イアンヌッツィによる。初期の『ジャガイモを食べる人々』(1885年)から没年の『花咲くアーモンドの木の枝』(1890年)まで、南仏の光、オランダ時代、パリ、自然、アルルといったテーマで展開。photos:Mariko Omura

Van Gogh, La nuit étoilée』展会期:開催中〜2019年12月31日Atelier des Lumières38, rue Saint-Maur75011 Paris開)10:00〜18:00(金土〜22:00、日〜19:00)無休料金:14.50ユーロhttps://atelier-lumieres.tickeasy.com/en-GB/home

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