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ズボラな夫の性格にイライラします。どうすればいい?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.3.10
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「みかん1515さん 30歳」のお悩み〜

夫がずぼらすぎてイライラしてしまいます。 結婚2年目、共働き、子なしです。 私自身、潔癖ではないですし、ズボラな方だと思っていましたが、 私以上にズボラで気にしない夫にイライラしてしまいます。

例えば、

・毎日ではないですが夏場でも仕事終わりでシャワーを浴びずに着替えだけして寝る(夫は飲食業なので独特な油のにおいがしますし、一緒のベッドで寝ています)。

・飲み終わったペットボトル、空き缶をそのまま放置する

・洗濯物の干し方が雑 (袖がクシャっとしていたり、タオルが重なっていたり、干されていない靴下があったり)

・キッチンを使った後、作業台を汚れたままにしている。

一つ一つは小さなことだと思うんですが、一つ一つにイライラしてしまいます。 洗濯に関しては本当に嫌すぎて私が担当することにしました。掃除機をかけてとお願いしてもキッチンにしか掃除機をかけていなかったり、炊飯器のごはんをラップに小分けしてとお願いしても、結局していなくてどうしてしてくれなかったのかと聞いたら「忘れてた。俺は気にしない。」 と言われてしまう始末。

イライラが爆発してしまい、別居することにしました。もともと生活リズムも合わないのでより会話も減ったように思います。

夫には持病があり、そのせいでいつでもどんな時でも寝てしまいます。付き合っているときはあまり気にしていなかったのですが、結婚して生活になるとその持病の症状に対してもイライラするようになってしまいました。運転も怖いので基本私がするのですが、助手席で寝てしまうので出かけたくなくなったり、ソファーで寝ている姿をみても「またか…」と思ったり、このまま夫と結婚生活を続けていけるのか不安しかありません。夫婦生活もイライラのせいで誘いを断り続けています。どうしたらイライラしなくなるのか、それとも別れも考えた方がいいのか、 アドバイスお願いします。

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

作家の色川武夫(いろかわたけひこ)さんは、場所や状況を選ばず、日中に強い眠気の発作が起こることで有名で、その症状は、じつは難病のナルコレプシー(眠り病)だったそうです(享年60)。

あなたの旦那さんも、もしかしたら色川さんと同じようなご病気なのかもしれないと、ふと思いました。

ナルコレプシーは、ウィキペディアで調べたら、睡眠障害のひとつであるらしく、それはれっきとした病気らしいので、あなたはまず、持病を抱えた旦那さんとこれから先も一緒にやっていくのか、それとも病気の旦那さんと別れるのか、自分で決めることです。こればかりは、他人がとやかく言う問題ではありません。あなたが覚悟を決めるか否か、という問題です。

なので、持病抜きに、単純に、ズボラな夫をどうするのか? ということについて、以下に思うところを述べます。

男のデフォルトはズボラ

僕のまわりにも、ズボラな夫を持つ奥さんがいます。何人もいます。僕の少ない友人知人の中に、「何人も」ズボラな夫がいる、ということです。なので、僕はこう思います。「男のデフォルトはズボラなのだ」と。

今の時代、男って、ちょっといいところに留学しないと、きちんとした生活習慣を身につけられないと思うんですよね。日本で実家暮らしだと、たいてい母親がどうにかしてくれます。母親が部屋の掃除をしてくれ、ご飯を作ってくれます。実家を離れて国内でひとり暮らしをしたら……部屋が汚くても誰も文句を言う人がいないので、掃除をする習慣は身につかない。食事はコンビニでOKだから、自炊の習慣が身につくわけでもない。今の時代、多くの男は「死んだように生きている」から、身辺をきちんとして生き生きと暮らすなんて、ないですからね。

これが海外に留学すると……基本的には、たとえば、どんなにお金持ちの音大生であってもお金がないので、必然的に自炊することになるらしいです。また、少しばかりいいところに留学すると、いわゆる「お金持ちの付き合い」があるから、シャツにアイロンをかける習慣などが身につくそうです。

だから、「きちんとした旦那さん」とは、留学経験のある人か、留学せずとも、もともと自分の身の回りをきちんと片づける習慣を持っている人のみ、ということになって、その他大勢の男はみなズボラのまま歳を重ねる、ということになります。

女子も同じだったりするから

まあ、女子だって、ズボラな人は、ひとり暮らしの家に年中コタツを出しており、そのコタツの上にヘアスプレーとポン酢と、誰かのライブで使った蛍光ライトが、雑然と、ずっと置いてあるわけで、男女とも、それなりに「精神のあり方を意識しつつ」暮らさないとズボラな性格のまま歳を重ねるのだろうと思います。

一般化していうなら、今の時代、自分で自分の精神を鍛えるとか、自分で自分の人間的成長を促すとか、何らか自分を高めようと奮闘する気持ちがないと、きちんとした生活習慣など身につかないのですよ。男は心の中で「ママ~」と思っているのだから、「部屋が汚くても、最後にはママが助けに来てくれる」くらいしか思っていません。あるいは、そもそも、汚い部屋の汚さに気づいていません。

汚部屋に住んでいる女子はどう思っているんですかね?女子の気持ちまでは、ちょっとよくわかりません。

夫の「愛に関する考えのなさ」がある

ズボラな夫の性格に辟易して、夫を叱り、夫を教育することで、夫が矯正され、更生することもありますが、まあ、それができれば、あなたは今頃こうやって相談メールを送ってきていないですよね。

僕のまわりの、ズボラな夫をお持ちの女子は……やがて仮面夫婦になりました。夫のズボラな性格がイヤだから仮面夫婦になるわけですが、イヤという気持ちの奥には、夫の「愛に関する考えのなさ」があると、僕は考えています。

部屋をそれなりに整理整頓するとか、ご飯を小分けにしてラップするとか、洗濯物のシワを伸ばして干すとか、つまり生活の瑣事を大事にすることって、愛する人と穏やかな生活を送りたいという願望があるからこそできることだと、僕は思っているからです。

それらのことなどどうでもいいと思うというのは、つまり投げやりに生きているということで、それは「愛する人がそばにいても、愛を感じていない」か「愛を感じていても、感じ方が鈍い」のだと、男の僕からガサツな男を見たとき感じられるのです。雑に言い切ってしまうと、あなたが持っている愛の泉は深く、旦那さんのそれはもともと浅いのです。

旦那のズボラさが気にならない妻

ちなみに、パートナーのズボラさが気にならない関係というか、「ズボラな夫、かわいい」とか、反対に妻がズボラな場合だと、「妻のあとをついて回って、妻が汚したところを掃除するのが生き甲斐」と思える夫もいます。そういう人は、あなたのように「夫がズボラだから別居する」ことにはならない、というか、なり得ない。

そういう人は、相手のズボラさに鈍感なのか?といえば、そうでもないんですよね。相手のズボラさを「ステキorかわいい」と思っている「だけ」だと、僕には見えます。そしてそれは、相手のズボラさに嫌気がさして離婚したのち、再婚した相手に対して抱く感情であることが多いように見受けられます。再婚した相手がズボラ……「でもそこがかわいいんですよね」ある奥さんはこう言います。

旦那さんのズボラさがイヤで離婚して、誰かと再婚したら、またズボラな男だった場合、あなたも「旦那のズボラさがかわいい」と思えるかもしれないです。その可能性はおおいにあると思います。

イライラしなくなる方法なんてないから、旦那さんを教育してもダメなら離婚する。あなたはまだ30歳なのだから、先の人生はまだ明るい可能性に満ちています。そしていつか、誰かと再婚したとき「ズボラな夫、かわいい」と思えるようになれば、それがきっと、あなたにとって最高の愛の形です。

旦那さんの持病を抜きにいえば、こういう結論になります。

(ひとみしょう/作家)

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