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【菊(キク)の花言葉】日本を象徴する花の知られざる由来を解説!

  • 2019.3.9
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日本で古くから栽培されている和花のなかでも、ポピュラーな「菊」。

パスポートの表紙や皇室の紋にも使われていたりすることから、日本を象徴する花という意識をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

観賞はもちろん食用花としても使われる菊ですが、実は様々な種類があり色も多様。そこで今回は、菊の種類や花言葉などをまとめてみました。

菊(キク)について

菊はキク科キク属の植物で、学名を「Chrysanthemum(クリサンセマム)」といいます。

開花時期は9月~11月で秋の花としても知られていますが、種類が豊富で一年を通して楽しむことができます。

原産地は中国ですが、平安時代には日本に伝わり江戸時代ごろから盛んに品種改良がされ、観賞用の花として親しまれてきました。

菊(キク)の名前の由来

菊の名前の由来は、中国から伝来した時に菊が「Kuku(クク)」と呼ばれていたことから「きく」になったという説や、一年で一番最後に咲く花ということで、日本語で行き詰まりを表す「窮まる(きわまる)」という言葉が語源となり「きく」になったなど諸説あります。

また「菊」という漢字は、花弁が中心に向かって丸まるように集まる様をお米を手で握った形になぞらえて作られたといわれています。

学名である「Chrysanthemum(クリサンセマム)」は、ギリシア語で黄金を表す「chrysos」と花を表す「anthemon」が語源になっていて、「黄金の花」という意味があります。

菊(キク)の特徴

菊の葉は楕円形をしていて、フチに波状にギザギザの切込みがあります。

花弁は一重のものと八重のものがあり、その大きさにより「大菊」「中菊」「小菊」と3つの種類にわけられています。

菊(キク)の種類

古典菊

古典菊とは、日本で観賞用として品種改良によって作られた菊の総称です。

種類によって「江戸菊」「嵯峨菊」など地名を冠にしたカテゴリーがあり、それぞれに魅力があります。

江戸菊

江戸を中心に流行した中菊。

花は内側の花弁から順々に「く」の字に折れて花心を包むように咲くのが特徴です。

エエゾギクとも呼ばれ、別名をアスターともいいます。

嵯峨菊

嵯峨菊は、名前の通り京都府左京区嵯峨で育成された観賞用の古典菊です。

箒のように広がる糸のように細い花弁が特徴的で、開花時期はほかの効くに比べて遅い11月となっています。

美濃菊

美濃地方を中心に生育された美濃菊は、帆立て花弁と呼ばれる蓮に似た大輪の花が見事な観賞用菊です。

観賞用菊のなかでも人気の品種で、各地で展示会や保存会が発足しているそうです。

肥後菊

熊本県で生育されている肥後菊は、花は一重咲きで平開する薄物の三系統、花弁の形は平弁と管弁の2種類があります。

色は紅、白、黄の3種類、そして肥後菊は1本だけで植えるものではなく、花壇に植えられた時の全体の調和の美しさが求められます。

花壇を作るには、色の並びや花の高さなど数々の決まりごとがあり、こうして作られた花壇は「肥後菊花壇」と呼ばれます。

食用菊

食用菊は、その名の通り食べるために作られた菊。

食用菊の歴史は古く、江戸時代には食卓に上がっていたそうです。

お刺身に添えるだけでなく、サラダやおひたし、天ぷらなど様々な調理法があります。

延命楽(えんめいらく)

八重咲きの中輪種である延命楽。

赤紫色の食用菊でシャキシャキとした食感と香りが特徴的です。

産地は山形や新潟など。

阿房宮(あぼうきゅう)

阿房宮は、青森県八戸の特産品。

鮮やかな黄色の小輪の食用菊で、苦みが少なく柔らかな歯ごたえが特徴的です。

10月下旬から11月上旬という短い収穫期間しかない阿房宮は、花弁を蒸して干した「干し菊」として一年を通して食べられるような工夫がされています。

洋菊

外国で生まれた菊を洋菊と呼びます。

小輪でたくさんの花弁がついたものが多く、花弁の形も様々です。

スプレーマム

アメリカ生まれのスプレーマム。

1本の茎から放射状にいくつもの花を咲かせてくれます。

一重、八重、管咲き、ポンポン咲きなど花びらの形も様々で、色も古典菊に比べて明るいものが多いのが特徴です。

ポンポンマム

ポンポンマムはオランダ生まれの洋菊で、ピンポン玉のような丸い花姿が特徴です。

花の色も豊富で可愛らしいその姿から、フラワーアレンジメントにもよく使われます。

ガーデンマム

色とりどりの小さな花がドーム状に広がるガーデンマム。

ボリュームたっぷりの洋菊は鉢植えにはもちろん、お庭に観賞用として植えるのにもぴったりです。

菊がお供えに使われる理由

菊の花はお墓や仏壇にお供えする花として使われますが、それにはいくつかの理由があります。

①菊の花が長持ちするから

お墓にお供えする花は、生花が基本です。

そのためすぐに傷んでしまう花だとすぐに枯れて取り換えるのが大変です。

菊は切り花にしても長持ちするので、古来からお供え用の花として使われてきたのです。

②菊が邪気を払う

菊の花は、その高貴な花姿と気高い香りで邪気を払うといわれています。

古くは平安時代から、宮中の厄を払うために菊の花が用いられていたといわれています。

風水でも健康運をアップさせるといわれていて、菊の節句といわれる9月9日に枕カバーに菊の花弁を忍ばせて眠ると、体の中の厄を払ってくれるというおまじないもあるそうです。

③種類が豊富で一年中手に入る

品種改良によって種類が豊富な菊は一年を通してなんらかの菊が旬を迎えているため、比較的手に入りやすい花です。

そのため、お供え用の花としても便利なのです。

菊(キク)の花言葉

菊全般の花言葉

菊の花言葉は、「高貴」「高潔」「高尚」で、この花言葉は菊が皇室の紋になっていることに由来しているようです。

皇室で菊を紋章に用いたのは、後鳥羽上皇(1183~1198)が最初といわれています。

後鳥羽上皇は衣服や調度品に菊の文様をつけるほど菊の花を気に入り、自らのお印として愛用していたそうです。

その後も歴代の天皇がお印として菊の文様を継承したことで、菊花紋章(十六八重表菊)が皇室の紋となったのです。

英語では、「cheerfulness(上機嫌、元気)」「You’re a wonderful friend(あなたはとても素晴らしい友達)」といった花言葉がありますが、これは洋菊の持つ明るい雰囲気からできた花言葉ではないかといわれています。

菊(キク)の種類別の花言葉

寒菊

菊の中でも12月~2月にかけて咲く冬の菊を「寒菊」と呼んでいます。

冬の寒さに耐えて美しい花を咲かせる寒菊には、「けなげな姿」「芯の強さ」「忍ぶ恋」「繊細」といった花言葉があります。

スプレーマム

洋菊であるスプレーマムには、「気持ちの探り合い」「逆境にめげない」「私はあなたを愛する」という花言葉があります。

スプレーマムが枝先にいくつもの花を咲かせることから、この花言葉がついたといわれています。

スプレーマムは華やかな色がたくさんあるので、片思いの人や励ましたい相手にメッセージを添えてプレゼントしてみるのもいいですね。

ピンポンマム

ピンポンマムには「嬉しい夢」という花言葉があります。

丸くて可愛らしいピンポンマムは、見ているだけでも明るい気分になってきます。

お祝い事などの際の花束に使いたい菊ですね。

菊(キク)の色別の花言葉

白い菊

白い菊の花言葉は、「真実」「あなたを慕う」「誠実な心」。

英語でも「Truth(真実)」。

縁起のいい花言葉が並ぶ白い菊は、結婚式のブーケや装花の一部として使われることもあります。

また、仏花や献花に使われるなど、思いやりや慎みの心を表す花として使われています。

黄色い菊

黄色い菊には、「長寿と幸福」と前向きな印象がある一方、「破れた恋」という花言葉があります。

英語の花言葉も「slighted love(軽んじられた恋)」というネガティブな花言葉が。

キリスト教では黄色が裏切り者のユダを連想させるため、好まれざる色だからこのような花言葉がついたともいわれています。

赤い菊

赤い菊の花言葉は、日本語でも英語でも「あなたを愛しています」「I Love You(あなたを愛しています)」と情熱的なもの。

バラの花束を贈るのはちょっと照れ臭いというあなたは、赤い菊を恋人にプレゼントしてみるのもいいですね。

ピンクの菊

ピンクの菊には、「甘い夢」という花言葉があります。

ピンクの菊は洋菊や小さな花弁が重なった形の菊が多いため、可愛らしい印象を与えるようです。

紫の菊

紫の菊には、「私を信頼してください」「恋の勝利」「夢が叶う」といった花言葉があります。

紫の菊は上品で高貴な雰囲気の赤紫のものが多いため、このような花言葉がついたのではないかといわれています。

菊(キク)の花言葉まとめ

菊の花言葉や種類などをまとめてみました。

日本を象徴する花であり、特別な存在の菊。

開花時期は秋が多いのですが、種類が豊富なため一年中楽しむことができます。

皆さんも菊の花言葉を知って、その高貴な花姿に癒されてくださいね。

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