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永野芽郁さんに聞く「好きな人と出会い、人生の楽しさ」を覚えていくということ

  • 2019.3.12
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好きな人と出会い、人生の楽しさを覚えていく余命ゼロの女子高生「まみず」を演じている永野芽郁さん。小学校3年生で芸能界に入り、今では女優以外の仕事をしている自分は考えられないと言います。今年20歳になる永野芽郁さんの仕事との向き合い方とは?

TRILL × MEI NAGANO

忙しい日々の中でこの映画を観た方が「生きるってすごい」と思ってくれたらうれしい

ーー余命ゼロだけど生きる楽しさを知るまみず。どんな女の子だと思って演じましたか?

「ものすごく強い子だなと思いました。自分が叶えられない願いを卓也くんに実行してもらって、その感想を聞く『代行体験』にしても、病室から出られないまみずにとってはある意味すごく残酷なことで。ずっと病室の中で生きてきた子が、好きかも知れないと思った人の手を自分から離すのもすごく勇気がいることだと思いました。女性としてもだけど、人としてもすごく強い人だなと思いました」

ーーまみずに生きる楽しさを教えたのは、たまたまクラスの寄せ書きを届けてくれた同級生の卓也くんでしたが、まみずは彼のどんなところを好きになったんだと思います?

「惹かれるところはたくさんあったと思います。まず自分には見られない世界が見えている人だから。病院に来てくれるようになって、卓也のさりげない優しさに気がついていったんだと思います。お母さんの愛情ではあったんだけど、まみずは人と会うことを許されていなかったから、フラッと現れた人に救われている自分に気がついて、卓也にどんどん惹かれていったんだと思います」

ーーまみずの姿を見て、どんな状況でも楽しく生きることって大事だなと思いました。この映画を通して20代、30代の女性に届けばいいなと思うメッセージは?

「ちょっとしたことですけど、憂鬱に始まる朝より気持ち良く始まる朝のほうが絶対にいいですよね。誰でもそうだけど、普段生きているとプラスになることよりも負の感情が目立つことが多いと思うんです。それでも命がなくなったらそれすら感じられなくなってしまうわけだから、たまにでいいから、朝から『今日はいい日だな。1日がんばろう』と思える日があったらいいなと思います。自分自身もそう思ってこの役に取り組んだので、忙しさに追われる日々の中で、たまたまこの映画を観た方が『生きるってすごいな』って感じていただけたらうれしいです」

TRILL × MEI NAGANO

朝寝ぼけているときに光を浴びた瞬間、「朝が来たな」と思う瞬間が一番自分らしい

ーー日常の中で「自分らしい」と思うのはどんなことをしているときですか?

「今一番は朝起きたときです。寝ぼけているときに朝の光が入って来ると、『わ、朝が来たな』って最近は思えるんです。今までは朝の光を感じることがそんなになくて。余裕ができるとこんなにも見える景色が変わるんだなって思いました。人にとって余裕があることって大事なんだなって」

ーー撮影が続くと余裕がなくなりますか?

「周りの音や景色に耳を傾けなくなりますからね。現場と家を車で往復するだけで、車から見る空は別に青いとも思わないし。でも今は朝の光を浴びると、1日が気持ちよく始められる気がします。だから1日にひとつ『気持ちいいな、幸せだな』と思うことが見つけられることが一番の理想だなって思います」

女優を続けていきたいと思ったのは中2の頃。私、この仕事が好きなんだなと思いました

ーー小学生の頃からお仕事をされていますが、今は女優や演じることというのは永野さんにとってはどんなものになっていますか?

「これ以外の仕事をやっている自分が考えられないくらい、自分の中の大半を占めています。今は自分でいる時間が短く感じられるくらい役として生きる時間が長いけど、それは幸せなことだと思います」

ーー女優を続けていきたいと思った分岐点のようなものはありました?

「ありました。中学2年の頃かな。映画の仕事をやったんです。タイトなスケジュールの中、先輩を前にお芝居して、あまり体調も良くなくて。そんな状況でも投げ出さずに最後までやり遂げようという気持ちだけが前に出ていたので、『私、この仕事が好きなんだな』って、その時に気がつきました。それでもっとお芝居に向き合おうと思ってオーディションを受けていたら、中3の時に『俺物語!! 』に出演することになって、また環境が変わりました。いろんな人と出会って、この世界ってすごいなって思いました。一緒にいる期間は短いけど、こんなにたくさんの人と何度も何度も出会うって、なかなか経験できないよなって思ったらおもしろい職業だなって。それからは楽しんで仕事をしています」

TRILL × MEI NAGANO

一人が好き。自分の気持ちに耳を傾けるには一人になるのは一番だと思う

ーー今年20歳。20歳になったら意識が変わりそうな予感みたいなものはあります?

「うーん……20歳になるから何か変えようっていうのはないですけど、一応成人になるという大きな節目ではあるので、一人の人間としての責任をちゃんと持たないといけないと思っています。だからもう一度シャキッとしないといけないなって思いますね」

ーーこの企画は「自分をアップデートする」というテーマもあるのですが、成人したらどんな部分をアップデートしていきたいですか?

「10代って親とか、大人といわれる人たちがいないと何もできないんです。今まではちょっとしたこと……携帯の契約や病院で注射を打つのも母親の同意が必要だったけど、20歳になったら全部一人でできるんです。だから全部自分でできるようにちゃんと書類に目を通したり、親から自分に引き継いでいくものは増やしていかないとなって思います」

ーーそれこそ旅行とか、自分の意思でどこにでも行けるようになりますし。

「私、この前一人でハワイに行ってきました」

ーー一人ハワイってなかなかハードル高そうな(笑)。

「初めての一人旅行だったのでドキドキはしました。周りは私よりドキドキしてたんじゃないかな(笑)。でも現地に友達や知り合いがいたので夜ご飯は一緒に食べて。昼はバルコニーでボーッとしたり、買い物したり、サーフィンしたりして過ごしました」

ーーハワイで一人で過ごせるってことは何でも一人でできそうですね。

「一人が好きです。人間って群れたり、誰かの意見に自分の身を委ねるほうがラクなんですよね。でも自分の気持ちに耳を傾けるには、一人が一番正確だから、一人になるって時間を強制的に作るのも素敵なアイデアなんじゃないかと思います」

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迷ったときは直感。周りは反対意見が多くても直感を選んだら人のせいにはできないから

ーーここまでのお話から想像すると悩んだときも一人で決めるタイプっぽいなと思いました。

「『どう思う?』ってアドバイスの一つとして誰かの意見を聞くことはあります。でも誰かに聞いても自分が納得しないと進まないですからね(笑)。だから基本、悩み事は自分で終わらせたいタイプです」

ーーでは迷う選択肢があったとしたら、選ぶ基準のようなものはありますか?

「直感です。全部自分を信じるという意味で、『こっちのほうが何となくいい』と思ったほうを選びます。周りは反対の意見が多くても、1回自分の直感を信じてみる。それで失敗しても自分のせいじゃないですか」

ーーそれは他人のせいにはできないですね。

「はい。そういう意味では一番良い方法だなって思います」

ーーではこれから迎える20代をどう過ごしていきたいですか?

「10代よりもしっかりしていたいけど、10代よりも輝いた10年にしたいです。それはお仕事でもプライベートでも。20代が一番私の中では夢を詰めていい10年な気がするんです。その夢を叶えられるパワーを持っている時期だと思うから。10代はあれしたいこれしたいって欲だけが生まれるけど、20代はいろんな意味でチャレンジがしやすくなるじゃないですか。そういう意味では、あれもやってこれもやってって自分の欲も叶えつつ、自分の気持ちが満たされる20代にしたいです」

映画「君は月夜に光り輝く」

Writing:Yuko Sakuma
Edit:TRILL編集部

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