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【モンゴル】肉食女子必見!ワイルドな料理が味わえる国モンゴル《フード編》

  • 2019.3.9
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日本にある色々な国の料理を通して、様々な文化に触れていく「世界の胃袋TRIP」。第7回目となる今回は、中国の北に位置していて日本から近く、文化的にも相撲などで交流が多い国モンゴルをピックアップします!

モンゴルといえば遊牧民とイメージする方も多いのではないでしょうか?雄大な自然と共に遊牧民が暮らす国では、どんな食事を楽しんでいるかをご紹介します!

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伝統楽器の音色が楽しめる、モンゴル料理専門店

今回伺ったのは、日本でもまだまだ珍しいモンゴル料理専門店「シリンゴル」。元々商社マンとして世界を飛び回っていたオーナーの田尻さんが、モンゴルの人々に温かさに惚れ込み、友人のチンゲルトさんと共にオープンしました。モンゴルで日常的に食べられている料理やお酒が楽しめますよ。

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店内には、モンゴルの伝統楽器、馬頭琴や伝統衣装のデールが飾られています。2弦からなる馬頭琴の郷愁を感じさせる音色は、現在でも幅広い世代に親しまれています。シェフのチンゲルトさんはオーケストラで活躍してきた馬頭琴奏者。営業中も演奏し、素敵な響きで楽しませてくれます。

羊はモンゴル人にとって切り離せない動物。羊柄の食器やおもちゃがいっぱい!

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1日に100杯飲む!モンゴル人に欠かせない「塩ミルクティー」

モンゴルの食事は肉と乳製品がメイン!その理由は、家畜を連れて広大な草原を転々とする遊牧スタイルにあります。
まず、同じ場所に留まらないため、農耕が難しいというのが1つです。さらに、耕して草原を傷つけてはいけないという意識があったことにより、あまり野菜を栽培するに至らなかったから。そして、乾燥地帯であることも要因です。それゆえに、モンゴルでは羊などの家畜を上手に食べる食文化ができました。

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現在でも都市生活を送るモンゴル人は全体の1/3ほど。遊牧民や田舎で暮らす国民が多くいるため、この肉食文化が色濃く残っています。

まずいただいたのは、ミルクティー「スーテーツァイ」。モンゴルでは元々1日1食が定番スタイルなので、空腹を満たすためにこちらを日に100杯も飲むのだとか…!ミルクにはビタミンが豊富に含まれているので、野菜で摂取しない分の栄養素を摂取できるんです!実はモンゴルでは、お茶には必ずミルクが入ります。ミルクが入っていないと「あの家の家畜はミルクが出ないほど弱っている」と思われてしまうんだとか。

日本ではミルクティーに砂糖を加えて飲むのがベーシックですが、モンゴルの食卓では「塩」を加えるのが当たり前。英国風ミルクティーとは違って独特のうま味が感じられ、スープとしていただけます。

「茹でるor蒸す」が基本のワイルドな調理法

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モンゴルの調理方法は基本的には茹でるか蒸すかのどちらかで、非常にシンプルです。こちらは骨付きの羊肉を塩茹でした「チャンサンマハ」というモンゴルを料理を代表する1品。素朴な料理ですが、羊肉の強い旨みをダイレクトに感じることができます!ちなみに、現在日本ではモンゴルの羊を輸入することができないため、シリンゴルではニュージーランド産の羊を使用しているとのこと。田尻さんは「どちらも草をたっぷりと食べて育つので味わいが似ているんですよ」と教えてくれました。

「チャンサンマハ」は肉の塊のままで出されるので、席でナイフを巧みに使い、削ぎながらいただきます。このナイフさばきの上手さが《モンゴル的いい男の条件》なんだとか…!さらに骨の中にあるとろ〜んとした脊髄までおいしく食べるのがモンゴル流。羊を余すことなくいただける1品です。

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羊肉を茹でたスープに醤油などで味付けをし、うどんを入れたのが「シュルテホール」。具材には細切りの羊肉とネギ、キュウリが入っています。モンゴルではうどんをよく食べますが、羊の旨みが広がるこの1品は、私たちが知る昆布や鰹出汁のうどんとは全く違う味わい。動物性の出汁という共通点からすると、ラーメンの醤油味に近いのかもしれません!

このようにモンゴル料理は、羊を肉から骨、そして煮汁までを余すことなく調理します。これも大切に育てた家畜を無駄にしないように、というモンゴル人ならではの料理です。

ケチャップが流行中!都心部で変わりつつある、モンゴルの食生活

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こちらは、お祝いや宴会の席でたくさん作って食べるという「ボーズ」。羊肉、ネギ、白菜、生姜をあわせた具を小麦の皮で包んで蒸したものです。ひと口かじると、中から肉汁がじゅわ〜っ!先ほどのミルクティー「スーテーツァイ」に入れるとスープの中に肉の油とがスープが混ざり合って、これもまた絶品!

タレや黒酢につけて食べるのが一般的ですが、最近、ウランバートルなどの都市部では海外の食文化の影響によりケチャップをたっぷりとつけて食べるのが人気です!
実はこのような食の欧米化はモンゴルでも徐々に始まっています。近頃はヘルシー志向が到来してサラダがブームになったり、牛肉料理が人気になったりしています。

遊牧民がポケットにしのばせる、お手軽フード

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こちらは「ボーブ」というモンゴルのおやつ。小麦粉、砂糖、卵、ヨーグルト、バターを混ぜたものを羊の脂で揚げています。味は沖縄のお菓子・サーターアンダギーに似ています。優しい甘があり、遊牧民たちは毎朝、これをポケットにいっぱい詰めてから家畜の放牧に出発し、小腹が空いた時にパクリと食べるのだそう。1日1食しか食べない遊牧民にとっての貴重な栄養源です。

モンゴルのお酒があの有名な発酵ドリンクの原点だった!

モンゴル人は男女ともに桁違いのお酒に強いのだとか。田尻さんは、「宴会を始めたら、ずっとお酒を飲みながらみんなが歌うんです。彼らは体質的に強いだけでなく、合間にチェイサーを挟んで上手に飲むので、たくさんの量を飲むんです。また、空気が乾燥しているからアルコールの蒸発が早いんですよ」と教えてくれます。

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 Dinozzzaver/ Shutterstock.com

よく飲まれているのが、「馬乳酒」という馬の乳を発酵させたもの。アルコール度数が低く、微発泡で、コクのある味わいです。日本でおなじみの「カルピス」が生まれるきっかけとなったドリンクとも言われていますよ。

さて、次回はモンゴルの文化や国民性についてご紹介します。モンゴルの遊牧民は毎日羊を食べるって本当!?モンゴルの魅力に迫ります。3/10配信予定。お楽しみに!

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<information>
シリンゴル 東京都文京区千石4丁目11−9
http://shilingol.web.fc2.com/index.html
03-5978-3837
営業時間:
18:00~22:30(L.O21:45)

定休日:旅行休暇・年始休暇
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Writing: 竹林佑子(エフェクト)

Edit: TRILL

 

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