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積立NISAのデメリット・メリットをFPが解説!元本割れ・損失の可能性は?

  • 2019.2.14
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人生100年時代と言われるようになった昨今。日本の高齢化・長寿化は進み「100歳まで生きる」というのが当たり前になってくる日も近いのではないでしょうか?その中で老後の資産形成や、年金はどれだけ受け取れるのか等、様々な社会環境等により昔の様に国や会社に頼る事ができなくなってきました。

つまり自助努力が必要な時代の中に私達はいます。今回は、皆さんも興味のある、資産形成商品の積立NISAについて解説していきたいと思います。

積立NISAとは?

表の見方として1966年から2005年までの40年間に渡り株式投資を購入した利益、損失のグラフです。1年間だけ保有した場合、40年間の内最大の恩恵を受けた年で72.1%ものリターンを得る事が出来ました。しかし最も最低で-24.8%と損失が出てしまう事もある訳です。たった1年間保有して我慢できず途中で売却するとなると結果次第で損失が出ますよね。

では先程の1年も含め20年間保有した場合、最大で12.8%のリターン、最低でも4.4%のリターンになっています。この場合20年間に渡り投資を行ったほうが損失の出る可能性が極めて小さくなっているという結果になっています。ですので、デメリットを極力小さくしたい(この場合はリスクを最小限に抑えたい)のであれば少なくとも10年以上に渡っての長期投資を心掛けて頂けたらと思います。

積立NISAのデメリットは?

では対極になりますデメリットを挙げてみますね

  1. 元本保証ではない
  2. 投資信託の為、損失が出る可能性も有り
  3. 一人一口座(NISAと積立NISAの併用もできない)
  4. 余った非課税枠の繰越はできない
  5. 別の口座に切り替える時は要注意

以上、筆者が考えるデメリットです。同じく1つずつ解説していきますね。

1. 元本保証ではない・損失の可能性も有り!

まず大前提ですが、積立NISAは投資信託を利用した金融商品です。元本保証が無いので運用成果によっては元本割れを起こす可能性もあるという事を認識頂ければと思います。

この話をすると、必ず元本は返ってこないのですか?と心配になる方も多いかと思います。この手の金融商品に「絶対」という言葉は付けられません。あくまでも損失が出る可能性もありますとだけしか言えないのです。その損失を軽減させる為には、先程メリットの所でお話したように長きに渡って、積立てて頂く事が必須となります。

2. 一人一口座しか開設できない

次に一人一口座ですが、人によってはいくつも口座開設して非課税枠を沢山持っていたいですよね。しかし、そんなにうまい話は無く、一人一つの口座しか開設できません。またNISA口座との併用はできません。どちらかを選択しなければならないという事なりますので、開設する際にはお気をつけ下さい。

3. 余った非課税枠は繰越されません!

積立NISAの特徴でもありますが、1年間に40万円の投資額に対し出た利益に対し非課税となります。では今年40万円の枠を使わず20万円のみ投資したとします。余った20万円を来年の40万円に繰越す事が出来るのか?これは出来ませんのでくれぐれもご注意下さいね。

4. 別の金融機関に切り替える場合のデメリット

NISAも積立NISAも様々な金融機関で取り扱いされています。例えばA銀行で開設しスタート。3年後B銀行がお得な為そちらに口座を開設しA銀行の投資で運用した分を移したい・・・・。これは出来ませんので要注意です!

しかも運用は長期に渡らなければ損失の可能性が高まりますので、短い期間での金融機関切替や商品の切り替え等はデメリットが多いので強くオススメしません。

どんな時に積立NISAは使えるのか?どこで開設できるの?

さてここまではメリット・デメリットを解説してきました。ではどんな時に使える商品なのでしょうか?冒頭でも書きましたが、老後の資産形成に向いている商品ではあります。しかし、見方や使い方は自由です。

こんなお客様もいらっしゃいました。子供の教育資金を貯めるのにどうですか?と質問されたんです。私もそれまで「老後」の頭しかありませんでしたので「ハッ!」とさせられました。確かに年間40万円を支払っていけば非課税枠も有り、長期(10年以上)に渡り出来るのであれば学資保険替わりにもなるのではないかなと思います。(あくまで投資に理解や知識がある方のみですが)この様に見方を変えるだけでも違いますので、是非老後だけでない使い方も考えてみてください。

どこで開設できるの?

開設は銀行、証券会社で可能です。最近ではネット証券が主流になってきており、恐らくネットで検索した時にはSBI証券や楽天証券がヒットする事でしょう。それ位注目度が高い会社になっているという事と取引者数も増えているという事でしょうね。

銀行とネット証券の積立NISAメリット・デメリットは?

最近ですが、見出しのような質問を受けます。どちらがオススメですか?と。個人的な見解をお話してますが、私はネット証券をお勧めしています。まず銀行のメリットですが、何と言っても対面で販売に尽きます。しかし挙げればこれだけの様な気がします。

ではネット証券のメリットはと言いますと、非対面です。それに加え、100円からスタートする事ができますので投資経験の無い方やお試しにやってみようかな?と軽い気持ちで始められる金額であるという点は、非常に優れていると思います。銀行等は1,000円からですので、少し金額は大きくなりますが、気分的な事を考えても100円から投資が身近になるのは、ネット証券にしかできない事だと思います。

積立NISAが向いている人、不向きな人

これまで、投資信託に始まり、メリット、デメリットまでを解説してきました。最後にどんな方に積立NISAが向いているのか、不向きなのか、考えたいと思います。まず特徴を観察すると、運用はプロが行う為、何をどうするなどの小難しい事は考えなくても良い訳です。そして、10年以上続けていく事で、損失のリスクを抑える効果もあります。

向いていると人として、投資経験が無い、または浅い方、あまり経済情報を見なくても任せておきたい方、コツコツ積み重ねて最後までやり切りたい方にはとても向いている商品だと思います。

逆に不向きな方として、自分で調べた株や、債券に投資したい方、大きな金額を動かしたい方には不向きな商品だと言えます。これらを踏まえて、自分に合った使い方が出来る商品をチョイスしましょう。

積立nisaのデメリット・メリットまとめ

いかがでしたでしょうか?2018年1月にスタートした積立NISAですが、始まって1年経過しました。筆者の周囲やお客様も関心が高くご相談にお見えになります。冒頭でも話しましたが、人生100年時代、自身が何歳まで生きるのか分かりません。年金もどれだけ受け取れるのか、その金額で過ごせるのか不安は尽きません。自分を守る意味でも何かを始めないといけませんが、この商品は始めやすい商品だと思います。是非今回の記事が皆様の一歩を踏み出すきっかけになればと思います。

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