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医師が警鐘を鳴らす。目ヂカラ重視のアイメークが、目に負担をかけてトラブルに!

  • 2019.2.14
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Women's Health

ウィメンズヘルス読者のお悩みの中でも多くの声が集まる、目にまつわるトラブル。今回は目やアイトラブルに詳しい専門家に話を聞く。4回にわたって取り上げるのは、メークのトラブルや目薬の選び方、眼科との付き合い方など、どれも身近なトピックスばかり。解説するのは、東京女子医科大学病院 眼科の高村悦子先生。早い時期からドライアイ外来を立ち上げ、精力的に疾患の治療、研究に勤しむ高村先生にまず伺うのは、アイメークと目の関係について。誰もが経験したことがありそうなアイメークのトラブル、これを機にきちんと知っておこう。

メークの中でも、大きなウエートを占めているアイメーク。朝寝坊をしても、アイラインやマスカラは欠かせないという人も多いようだ。昨年の秋冬のアイメークは、アイラインなどを強調して締めすぎず、アイシャドーでライン使いをしていくルックが人気だった。そして2019年の春夏は“囲みライン”などにも注目が集まっている。でも、アイシャドーを目の際まで描くと、どうしてもアイシャドーの細かな粒子が目に入ってしまうことも……。これって、目に悪影響が出ないのだろうか?

粘膜ギリギリのアイメークで炎症に?

「20~30代の患者さんの目を調べると、通常は目の中に存在しない鮮やかなブルーやグリーンの粒子、肌色の粒子などが見えることがよくあります。これはアイシャドーやファンデーションが、目の中に入っているからです」と教えてくれたのは、東京女子医科大学病院 眼科の高村悦子先生。

「化粧品の粒子が入ったら必ず問題が起きるというわけではありませんが、目にとっては異物になるので、炎症を起こしたり、アレルギーを起こす可能性はあります」

目は、他の部位に比べてとてもデリケート。しかも、まぶたは閉じたり開いたりを繰り返す。その時に、アイメークの粒子が眼の表面の涙に中に入り込んでくると高村先生は言う。

「みなさんのアイメークを見ると、ギリギリまで描きすぎです。アイラインを粘膜の内側まで描いたり、まつげの間を埋めるように描いていたりしますよね。粘膜は肌表面の組織とは異なるのでとてもデリケートです。本来ここはメークをすべき部分ではありません。ドライアイや炎症などのトラブルの原因にもなります」

アイラインの「描き方」で目の潤いが低下することも

粘膜ぎりぎり、いわゆる“インサイドライン”と呼ばれるアイラインは、目を保護するための油を分泌する腺(マイボーム腺)の、まつ毛の内側にある出口を詰まらせてしまうこともあるため、眼の表面(瞳)の潤いが低下してしまう可能性が高いと、高村先生は指摘する。

しかも、描く際に粘膜のきわを何回もペンシルなどで刺激すれば炎症を起こすことも考えられる。炎症やドライアイが起これば、涙目になるのでアイメークは落ちやすくなる。そして、より落ちにくい刺激が強いウオータープルーフのアイラインやアイシャドーを使って、何度も描くようになってしまう……。これは、目にとって悪循環。負のスパイラルになってしまうのだ。

「アイメークをやめなさいとはいいません。でも、毎日同じようにアイラインを描く必要があるか、一度見直すべき。ここぞという勝負の時は、アイラインを使ってもよいと思いますが、そうではないときは目に入らないようにアイシャドーだけで表現するなどの工夫をすべきですね。

マスカラも毎日塗っているとまつげが抜けやすくなる場合もあります。“アイメーク休日”や“手抜きのメークの日”などを設けて、完璧なアイメークではない日も作ることが必要ですね。

またこれからの季節、花粉症で目にかゆみや涙目になる人がいます。そういう時季は、アイメークは控えることをお勧めします。おしゃれな伊達メガネを利用すれば、、目に刺激を与えない工夫だけでなく、花粉予防にもなるので、お勧めです」

完璧アイメークでも、白目が真っ赤に充血していたのでは、魅力的な瞳には見えないもの。アイラインをインサイドラインぎみに描いているという人、メークしている間は目が充血しやすい人、ドライアイを感じるという人は、アイメークが負担になっている可能性大。描き方やメークを一度、見直してみて。

■お話を伺ったのは……高村悦子(たかむら・えつこ)先生東京女子医科大学病院眼科学教授(女性科兼務)。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学病院 眼科学教室入局、1998年に同科助教授に就任。25年以上年前より東京女子医科大学病院眼科にドライアイ外来を開設する。ドライアイや難治性アレルギー性結膜疾患、角結膜感染症の中でも角膜ヘルペスの治療、再発予防をテーマに診療、研究に取り組んでいる。

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