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業績低迷が続くパンドラ ブランド再生にはチャーム部門の復活が急務

  • 2019.2.12

業績低迷に苦しむデンマークのジュエリー会社パンドラ(PANDORA)の2018年12月期決算は、売上高が前期比0.1%増の228億600万デンマーククローネ(約3648億円)、純利益が同12.5%減の50億4500万デンマーククローネ(約807億円)だった。

同社は18年11月にブランド再構築の2カ年計画を策定しており、これには販路拡大の見直しや製品ラインの縮小、店舗在庫の段階的な削減、セール期間を限定的にすることなどが含まれている。再構築にかかるコストは19~20年でおよそ25億デンマーククローネ(約400億円)と見積もられているが、ブレグジット(EUからの英国離脱)によるイギリス事業への潜在的な影響も不安要素の1つだ。

ジェレミー・シュワルツ(Jeremy Schwartz)=パンドラ最高執行責任者(COO)は、「ブランドを再構築する必要があるが、それにはまず既存の価値観を破壊しなければならない。現在、戦略的にそれを実施しているところだ。当社は世界最大級のジュエリーブランドとして高い認知度を誇っており、その基本は“コレクション性”の高さだ。顧客の15%が当社のチャームを20個以上所有しており、年に4~6個のチャームを購入している。新製品を投入してきたものの、ビジュアルやマーケティング戦略が弱く、“買いたい、集めたい”と思わせる要素が不足していたので、そこを強化してチャーム部門を復活させる。また、好調だったブレスレットやネックレスにも引き続き注力し、複数のネックレスや指輪をつけるトレンドを追い風にしたい」と語った。なお、18年8月に業績悪化のため引責辞任したアンダース・コールディング・フリス(Anders Colding Friis)元最高経営責任者(CEO)の後任は現在も決まっておらず、シュワルツCOOとアンダース・ボイヤー(Anders Boyer)最高財務責任者が共同で経営している。

地域別では、欧州と中東が売り上げの49%を占めており、南北アメリカが30%、アジアが21%となっている。19年は主に中南米と中国で新たに75のコンセプトショップを開店する予定。遅れを取っているECについては大幅な改善に取り組んでおり、オムニチャネル化は米国で試験的に導入した後でグローバルに展開するという。

カテゴリー別では、ネックレスの売り上げが前期比23.9%増の16億3300万デンマーククローネ(約261億円)、ブレスレットが同10.7%増の43億9300万デンマーククローネ(約702億円)となった一方で、チャームは同6.1%減の121億2600万デンマーククローネ(約1940億円)だった。

パイラル・ダダニア(Piral Dadhania)RBCキャピタルマーケッツ(RBC CAPITAL MARKETS)アナリストは、「第4四半期の業績は予想よりよかったが、同社株を売り推奨とした。ブランドの魅力不足によって客足が落ちていることや、製品と価格帯のバランスがターゲット層と合っていないことが問題だ」とコメントした。

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