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ケリングが約1736億円の租税回避とイタリア税務当局が発表 同社は反論

  • 2019.1.30

「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」などを擁するケリング(KERING)が、2011~17年に総額14億ユーロ(約1736億円)の租税回避をしたとイタリア税務当局が発表した。ケリングの物流子会社ラグジュアリー・グッズ・インターナショナル(LUXURY GOODS INTERNATIONAL以下、LGI)はスイスを拠点としているが、実際の業務はイタリア国内で行っていたと当局は見ている。本来であればイタリアで申告するべき収入を、優遇税制が適用されるスイスで申告して租税回避をしたとして当局が17年から捜査しており、1月25日に監査報告書を提出。今後、イタリア歳入庁が監査報告書を精査して最終的な判断が下される。

これを受け、ケリングは「申し立ての根拠および金額の両方において異議を唱える。当社は適切な税務処理を行っていると自信を持っており、それを証明するために引き続きイタリア税務当局に全面的に協力する。また、潜在的な課税リスクを厳密にモニタリングし、賢明に対処する方法を導入したことをご報告する」と声明を発表した。

17年12月に報道された一連の脱税疑惑では「グッチ」が主な捜査対象となっていたが、今回の声明では触れられていない。ケリングは、LGIについて「当社が擁するブランドの物流や配送を集中的に行う戦略的な拠点。1999年のグッチ・グループ(当時)買収以前の90年代に設立しており、現在は600人以上の従業員を雇用している」とし、「スイスを拠点とする当社の子会社は全てスイスで実際に事業活動をしており、その税法に準じて同国で納税している。こうしたスイス子会社の介在については、フランスをはじめとする各国の税務当局も承知している」と述べた。

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