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【パリ、香りの話題 3】花の産地グラースから届く香り。

  • 2019.1.23

南フランスで香水用の花が栽培されるグラース。2018年11月、そのグラースの香水作りのサヴォワール・フェールがユネスコの無形文化遺産に指定された。香水ファンの心を浮き立たせる嬉しいニュースだ。この地名は、シャネル、ディオールといったクチュール・メゾンが香水用の花畑を持っていることでも有名で、香りのクオリティの代名詞でもある。20世紀初頭、グラースには1300ヘクタールもの花畑があったという。外国の安い原料が輸入されるようになり、グラースの花に取って代わり……花の栽培者は減っていってしまった。いま再び花の栽培地を増やそうという動きが市にあるらしい。

さて昨秋、エティエンヌ・マルセル通りの近くに、アートと香水を販売するコンセプトストアのLa place(ラ・プラス)がオープンした。香水も芸術のひとつということから、このふたつを組み合わせたのは場所の創始者のヴィルジニー・ルーとエマニュエル・ピエールだ。ポップアップとして12月末で終わる予定だったが、好評につき、2019年も続けて営業することになった。

ラ・プラスの外観を収めたフラコンのイラストレーション。

香水とアートのブティック。

デザインオブジェやアート作品とともに、ニッチな香水ブランドをさまざま取り扱っている。そのうちのひとつ、Au Pays de la Fleurs d’Orangerはヴィルジニーが20年ほど前にグラースで始めたブランド。グラース出身の彼女の家は、オレンジの花を栽培していたという。それゆえブランド最初の香水は、ビターオレンジの花の精油ネロリに捧げるものでNéroli Blanc(ネロリ・ブラン) 。優しく、穏やかな香りだ。グラースはスミレ、アイリス、ミモザ、チュベローズなどの栽培の地でもある。グラースを含めて南仏の花々から彼女が得たアイデアを調香師のジャン=クロード・ジゴドが香りにクリエイトし、ブランドの香りは数を徐々に増やしている。

Néroli Blanc のコレクションよりNéroli Intense。他にはNéroli Oudなど。

Eau de Virginie(オー・ド・ヴィルジニー)。写真からもわかるようにミモザの香りだ。

Au Pays de la Fleur d’Orangerの創始者ヴィルジニー・ルー。La Place では香水にまつわるカンファレンスなども積極的に開催している。

La Place9, rue Française75002 Paris

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