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若手オールスターキャストで描く、岡崎京子の世界『チワワちゃん』

  • 2019.1.18
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『チワワちゃん』映画紹介。

若手オールスターキャストで描く、岡崎京子の世界『チワワちゃん』

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門脇麦、成田凌、村上虹郎に、寛一郎と玉城ティナって、どんだけ若手スターをぶっこむんですかという気すらする最新映画『チワワちゃん』。かつて遊び仲間の一人だった「チワワちゃん」が、ある日バラバラ遺体となって発見されたことをきっかけに、友人たちの間に起こるザワザワを描いた作品。「バラバラ遺体」ってものすごく物騒ですが、そういう作品ではなく、青春ものです。

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遊び仲間5人の中のひとり、ヨシダの彼女として加わった「チワワちゃん」は、可愛くて巨乳でやることなすこと大胆で、男子にモテて誰とでも寝て、女子に嫌われながら憧れられ、そういうことのすべてに対して無自覚な女の子です。でも仲間たちは彼女が死んで初めて、彼女の本名すら知らないことに気が付きます。

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仲間の一人で主人公のミキは、あることをきっかけに、友人たちから「チワワちゃん」についての話を聞くことになるのですが、それぞれの記憶の中の印象はすべて異なり、聞けば聞くほど「チワワちゃん」の実像が分からなくなってゆきます。

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実はこの作品の原作は、昨年映画化された『リバースエッジ』と同じ、漫画家・岡崎京子が90年代に描いたもの。もちろん映画版の舞台は現代になっていて、「チワワちゃん」がインスタを通じて人気モデルになっていったりするのですが、そこに描かれている人間関係はまさしくSNS時代のリアル。“友達”ではあるけれど、電話番号も住所も知らず、ネットに書かれた名前が本名とは限らず、そこでアップするキラキラした言葉や写真は、現実の退屈を覆い隠すだけのものかもしれません。

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にもかかわらず、その孤独と悲しさを突き抜けて超えてゆくチワワちゃんの生き方には、不思議な解放感と爽快感があります。それこそ青春ってものなのかもしれません。

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『チワワちゃん』
(C)2019『チワワちゃん』製作委員会

文/渥美志保

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