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京都・細尾による、伝統と未来をつなぐ『美しい日本の布』展へ。

  • 2019.1.10

創業を元禄元年(1688年)に遡る京都・西陣織の老舗「細尾」。きものや帯にとどまらず、伝統技術を使ったテキスタイルを、シャネルやエルメスといったハイブランドの店舗内装に提供するなど、革新的な活動を展開している。その細尾による展覧会『THE STORY OF JAPANESE TEXTILES 「日本の美しい布」』が1月27日まで、ミキモト銀座4丁目本店にて開催中だ。

東京都八丈島で作られている黄八丈は、山吹色の黄色を主とした縞や格子柄の絹織物。photo:KOTARO TANAKA 

12代目を受け継ぐ常務執行役の細尾真孝は、2015年より日本各地の染織の産地を訪ね歩いて、古くから伝わる日本の美しい布の文化を探求し、写真で記録してきた。「京友禅」「越後上布」「大島紬」「紅花染」など、その地域ならではの歴史と風土によって育まれた日本のものづくりの原点に焦点を当て、撮り下ろした数は5000点以上。そこから厳選された250点が、本展のために作られた全長8m、幅1.5cmの織機に張った9000本の白い絹糸に映し出される。美しい映像は、背景に流れる手仕事の温もりを感じさせる機織り機の音とともに、飽かず眺めていたくなるほど。「伝統産業をクリエイティブ産業にしたい」と精力的な活動を続ける細尾らしいインスタレーションだ。

「日本ほど多様な四季、自然に恵まれた国は世界でも珍しく、同時に多様な染織文化をもつ国でもあります。本展が人にとって布とは何か、美とは何かを考えていく礎になれば、これほどの喜びはありません」と語る。伝統と未来をつなぐ本展にぜひ足を運んで。

本展のために特別に作られた全長8mの織機。9000本の絹糸に染織産地の物語が写し出される。photo:KOTARO TANAKA 

平安時代に徳島で始まったとされる藍染。深く鮮やかなブルーは、日本を代表する伝統色のひとつ。photo:KOTARO TANAKA 

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