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ティファニーがジュエリー業界を変える ダイヤモンドの原産地公開をスタート

  • 2019.1.10

ティファニー(TIFFANY & CO.)は1月9日から、ダイヤモンドの原産地の情報公開をスタートさせた。0.18カラット以上の全てのダイヤモンドに、肉眼では見えないレーザー刻印の“T&C”という独自のシリアルナンバーを施し、各ダイヤモンドの調達先情報を消費者に提供するというものだ。0.18はティファニーセッティングが可能なカラット数。通常、民間の機関の鑑定書にはない原産地の記載をティファニーオリジナルの鑑定書に宝石の特性と共に明記する。

ティファニーの基準は、紛争と無関係なダイヤモンドであることを証明するキンバリー・プロセス認証よりも厳しく、同認証付きでも、アンゴラやジンバブエなど人権問題が懸念される国からは調達しない。また、責任ある資源調達が保証できたとしても原産地不明のダイヤモンドは一切使用しないとしている。

同社は原産地の明記により、責任ある資源調達を行っていることを世界的に確約すると同時に、2020年までには個々のダイヤモンドのカットや研磨といった製造工程情報の公開も予定している。ティファニーが取り扱っているダイヤモンドの80~90%は、信頼できる採掘業者(主にボツワナ、カナダ、ナミビア、ロシア、南アフリカ)から調達した原石を自社工場(べルギーやボツワナ、モーリシャス、ベトナム、カンボジア)の職人が加工している。残りの10~20%はティファニーの調達保証基準を満たしたサプライヤーから入手した研磨済みダイヤモンドが占める。製造工程情報の公開が可能なのは、上記のように高い割合でダイヤモンドを自社工場で加工しているティファニーならではだ。

アレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)=ティファニー最高経営責任者は、「『ティファニー』のダイヤモンドには何一つ不透明なことがあってはならない。顧客は自分のダイヤモンドがどこで産出したのか、どのような流通を経て手元に届いたのかを知る権利がある」と述べている。

このような情報公開は、ティファニーでは1999年以降ダイヤモンドの責任ある資源調達と製造工程に投資してきた成果であり、ティファニーという大手ジュエラーによるこの取り組みは、ジュエリー業界の新たな時代の幕開けを象徴していると言えよう。

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